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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「西部戦線異状なし 評価★★★★ 戦争風刺の腐朽の名作 
ALL QUIET ON THE WESTERN FRONT
1930 アメリカ 監督:ルイス・マイルストン
出演:ルイス・エアーズ、ルイス・ウォルハイムほか  
100分 モノクロ

DVD検索「西部戦線異状なし」
 エリッヒ・マリア・レマルクの小説を題材にした第一次世界大戦を舞台にした戦争風刺映画。第3回アカデミー賞受賞作である。制作年を見てもわかるとお り、このような戦争の悲惨さを真っ正 面から捉えた映画は初めてと言っても良く、当時上映した各国で物議を醸したという。日本では戦意を損なうという理由で大幅なシーンカットがなされ、ドイツ では流血事件も発生している。
 映画は第一次世界大戦のドイツ軍によるフランス(西部戦線)侵攻を舞台としており、主役はドイツの若き学生達である。造られた戦意昂揚と銃後の人々の妄 想によって、駆り出された前線の若者達が次々に戦争の現実に打ちのめされていく姿を描いている。心理描写技術はさほど長けてはいないが、ストレートに 「死」という現実を映像に表現することで、前線での「現実」と銃後の「妄想」の乖離をクローズアップしていく。「勇敢さ」と「生への執着」は表裏一体であ るということ、そして戦争へと導いていく力の実態は何なのかということを辛辣に風刺するのだ。
 確かに、反戦映画の代表作とも言えるのだが、戦争は嫌なものだとか、してはいけないという感情を持つだけでなく、何が戦争を推し進めているのかを感じ 取って貰いたい映画である。いつの時代の戦争でもそうだが、前線の兵士は、決して戦争を好んではいないが、自らが生き残るために人間を殺し続ける。では、 司令官が悪いのか、皇帝が悪いのか。単にそれだけではない、自国の家族や民衆、いや自分自身の中に潜在する大きな流れである「何か」が感じ取れるはずだ。
 第一次世界大戦ということもあって、登場する兵器類は極めて少ない。機関銃と小銃がメインで、ほとんどは塹壕線、白兵戦のシーンである。特に、映像的に メインを占めるのは野砲の砲弾弾着シーン。次から次へと着弾する光景は恐怖そのものである。また、歩兵の喪失率が異常に高い第一次大戦の兵士の消耗戦と医 療技術の乏しい野戦病院の姿はなおさら悲壮感を強くしている。
 後世の映画では「」 という映画がよく似た雰囲気の出来になっている。こちらも名作であり、ドイツ少年兵が題材となっている。
 なお、主演のルイス・エアーズはこの作品に出たことを契機に、第二次大戦時に参戦拒否をして世間の非難を浴びたことでも有名。

興奮度★★★★
沈痛度★★★★★
爽快度★
感涙度★★

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(以下あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
 ヨーロッパを巻き込んだ第一次世界大戦。ドイツ軍はフランス領内に攻 め込んでい た。学校(高校?)では教師が生徒に、ドイツを守るため志願するよう説得 をしている。愛国心に燃えた生徒たち(ポール、アルバート、ケムメリッヒなど)は皆志願するのだった。
 入隊した彼らを待ちかまえていたのは、それまで人の良い郵便屋だったヒンメルストス軍曹だった。ヒンメルストスは予備軍曹として再応集したのだった。人 が変わったように厳しさと見せるヒンメルトスに生徒達は動揺を隠しきれない。
 第二中隊に配属された彼らは古参兵と合流するが、そこは飢えと恐怖のみが存在した。古参兵カットから生き延びる術を教わっていくが、初めての前線作業で ある鉄条網敷設で早くも死者を出す。恐ろしい砲弾の雨の中、生徒達は次第に平常心を失っていく。敵を倒すなどとという勇敢さなどは最早必要ではなく、いか に生き延びるかが大事なのだとわかってくる。
 ポールは、足を負傷し切断を余儀なくされた親友ケムメリッヒの死に直面し、激しく動揺する。さらに砲弾の穴の中でフランス兵を刺し殺してしまう。思い悩 むが、カットに忘れろとなだめられる。
 そんな中、ポールらはフランス女と出会う。始めは無視されていたが、ポールらの食料を見た途端女達の顔つきが変わる。食料と交換で一夜を共にするのだっ た。
 ポールは攻撃の際に脇腹を負傷する。親友アルバートも足を負傷し、切断を余儀なくされた。ポールは一時休暇で故郷へ戻るが、そこにあったものは、相変わ らず生徒に志願を説得する教師の姿と、戦勝の妄想にとりつかれた年寄り達であった。恋しい母親との再会も早々にポールは前線に戻る。前線に嘘はないから だ。
 前線に戻ると、そこには若干16歳の若者兵が補充されていた。食料を探しに出ていたカットと再会するのも束の間、「俺が死んだときに戦争は終わる」と豪 語してカットが爆撃弾で死んでしまう。
 そして、ポールもまた塹壕に舞い降りた蝶を手に取ろうとして、仏軍狙撃兵に銃撃されるのだった。

 特に印象的なシーンは、白兵戦のシーン。ドイツ軍側の突撃、そしてフランス軍側の突撃が交互に行われ、前近代的な戦闘だというインパクトを強烈に受け る。また、死んだ兵 士の革靴を、嬉々と貰い受けた兵士が次々に死んでいくシーン。呪われた靴なのだろうか、強い風刺を感じる。

(2005/01/17)