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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「進軍の歌 評価★★ お国のために出征する兵士たち
 1937 松竹 監督:佐々木康
出演:佐分利信、川崎弘子、広瀬徹、桑野通子ほか
約50分 モノクロ

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 日中戦争が勃発し、戦意昂揚のために作られた出征賛美型映画。労働運動家の主人公と幼馴染みの金持ちが共に出征し、お国のために働くという設定や、遊女 が看護婦として前線に志願するなど、アカも女も姿信条に関わらず、お国のために戦うのだという意図が見え隠れする。また、映画製作とタイアップして、東京 日々新聞、大阪毎日新聞主催の軍歌懸賞応募で1位の「進軍の歌」、次点の「露営の夢」が主題歌、挿入歌として用いられている。進軍の歌は映画の題名にも なっており、露営の夢(歌)「勝ってくるぞと勇ましく誓って故郷を出たからは・・・」は後に大ヒットとなった歌である。
 一応ストーリーとしては、一本気だが卑屈な労働運動家が会社の専務である幼馴染みを疎ましく思っているのだが、戦地で共に戦ううちに誤解が解けていくと いうオチはある。しかし、戦意昂揚のためでもあるので、あまり複雑な展開にはせず、単純明快なものである。
 戦闘映像は映画のために撮影した戦闘シーンと記録映像で構成されている。銃撃戦シーンの撮影には火薬を用いており、それなりの演出なのだが、白兵戦シー ンは映像の継ぎ接ぎが著しくひどいものだ。もう少しなんとかならなかったものだろうか。
 一方、記録映像の方は、時代を反映してレアな映像が少量だが堪能できる。航空機では三菱九三式二型重爆撃機の飛行・爆撃シーンがある。ポツンポツンと落 とす爆弾がわびしい。また、機種は不明だが戦闘機らしき機影が空中を浮遊するシーンがあるが、まさにふわふわと浮遊している。速度も上昇能力も乏しい時代 の航空機で、ほのぼのとした映像である。この他、編隊を組む九三式中練(?)のシーンもある。軍用車関係では、八九式中戦車のほか150mmカノン砲 (?)を牽引する九二式8トン牽引車(ニク車)が登場する。
 まあ、とりたてて見るべき物はないのだが、千人針の風景や街角など、この時代の背景を知る上では貴重なフィルムである事は間違いない。

興奮度★★
沈痛度★★★

爽快度★
感涙度★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 労働運動家で職工待遇改善を求めたため、投獄されていた安藤俊作のもとに召集令状が 届く。警察署 長の話を聞いて、安藤はお国のために出征する事を決意す る(*再応集と思われる)。しかし、貧しい安藤には妻と子がいた。共に出征する事となった会社の専務である幼馴染みの遠山次郎は、安藤の妻子の面倒を引き 受けると言うが、金持ちや太鼓持ちが嫌いな安藤はそれを断ってしまう。
 安藤の妻は千人針を街角で頼むがなかなか進まない。そこに、遊女のお雪が通りかかり、一針縫ってあげる。お雪は金持ちの遠山に惚れており、一緒にアイス クリームを食べる事を望んでいたのだが、なかなかその機会がなかった。
 遠山次郎の出征送別会が開催され、その席でお雪は遠山の身を案じるのだった。一方、安藤は妻子の行く末を考え、考えを改めて遠山に頼みに行こうとする が、妻お千代はそれを制する。
 安藤と遠山が出征し、お千代は街で花売りを始める。しかし、売れ行きは芳しくない。それを見たお雪は、料亭の主人に働かせてあげることを頼む。そして、 お雪自身は看護婦見習いとして中国の前線行きに志願するのだった。出征していく遠山を見て、いてもたってもいられなくなったのだ。
 中国の前線では、遠山上等兵と安藤上等兵は吉田部隊(中隊?)に所属して奮闘していた。夜間に中国軍の夜襲を受け、吉田部隊は応戦する。翌日、中国軍の 攻撃に包囲された吉田部隊は、軍曹、遠山上等兵、安藤上等兵の三人で本隊へ応援伝令に行く事となった。途中で軍曹が戦死、行く手には中国軍の機銃陣地が あった。
 自分が囮になっている間に、川を渡っていけと言う遠山に、安藤は次第に遠山への妬みが薄れ、昔のような友人の心に戻っていく。安藤は反対に自分が囮にな るとして、中国軍陣地に駆けていく。撃たれる安藤を横目に遠山は川を渡る。
 本隊の応援で吉田部隊は窮地を救われるが、瀕死の安藤は戦死する。しかし、遠山との友情はすっかり回復していた。そこに、看護婦見習いのお雪がやってく る。
 遠山の吉田部隊は、次なる戦線へ移動する事となる。遠山はお雪に、生きて帰ったらアイスクリームを一緒に食べようと言うのだった。

 (2005/06/07)