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戦争映画の一方的評論
 
科学立體戰 評価★★★ 陸軍機械化部隊の重要性を説く
1939 11月
撮影:軍機械化映画製作所 配給:興亜商事株式会社
9分 モノクロ
 
 たった9分の戦時プロパガンダ映画なのであるが、実に興味深 い。もっと長くて内容がしっかりしていればさらに★を増やしたいくらいである。本作は軍の機械化映画製作所が撮影(制作)したもので、日本軍が欧米列強に 負けじと機械化(自動車化)を図り、国産技術が進歩しているという姿を描き、国民に軍需動員や軍事費等の協力を呼びかけようとしたものと思われる。

 映像的には、次々に自動車、トラック、戦車の類を並べて日本の近代機械化をまくしたてるだけで、どうってことはないのだが、何が凄いかというと登場する 兵器類の映像なのである。さすが、機械化部隊を主役に立てただけあって、他の映画ではなかなか見かけることのない種類が登場するのだ。というよりも、登場 する兵器類のうち何者かわからないものがいくつもある。
 映画の冒頭はいかにも中国大陸風の映像も出るが、ほとんどは国内で撮影されたものと思われる。それも、軍需工場であったり、機械化部隊の試作、試験の様 子のようで、実戦ではあまり見た事のないものが混じっているのも頷けるのである。
 登場する兵器として、戦車・装甲車の類では、
九五式軽戦車,、九七式軽装甲車がしばしば登場するほか、正体不明のものが3台登場する。この3台ともに水陸両 用戦車のようでフロート状の装甲を持っているのが特徴である。
 水中から上陸するシーンに登場する戦車は「愛國03 東邦電力」と記された迷彩塗装の戦車で、やや高めの砲塔に前後を大きめのフロートを持っている。車 台は九二式重装甲車に極似するが、上部転輪が中央に大きめのものが1つといった珍しいもの。書籍によれば九二式重装甲車の車台を流用した水陸両用戦車は SRII、SRIIIとして試作されているようだが、上部転輪の数で相違点がある。果たして登場した戦車は何者か。ちなみに、同型のものがすぐ後ろを走行 しているので2台以上あるようだ。
 次の戦車はパレード行進に登場するもので、突出した両端の形状等からビッカーズ・ガーデンロイド水陸両用戦車のようだ。ちなみに、ガーデンロイド水陸両 用戦車は中国戦線でイギリスから中国軍に供与されたものが日本軍にろ獲されており、実験のために本国に送還されていた1台ではないかと想像できる。
 最後も日本の戦車には見あたらないもので、上部構造の雰囲気的にはソビエトのT−37水陸両用戦車に見える。ただし、瞬間的に映る転輪構造が2個連結4 輪は似ているが、上部転輪の位置が中央にあるので相違点もある。T−37も日本軍がろ獲していたようなので可能性は十分あるのだが。
 トラックの類では、純国産を意識して「いすゞTU10 九四式六輪自動貨車」が登場する。荷台あり、荷台無しなどいくつかのバリエーションがあるよう だ。このほか四輪の「トヨタ自動車工業KB」や「いすゞTX40」の姿も見られ、いすゞTX40のほうはパレードで兵士を満載して行進している。
 乗用車としては「九八式四輪起動乗用車」、「アツタ号乗用車」が出てくる。特に九八式は日本国産の乗用車としてアピールしている。
 この他、牽引車として九二式5屯牽引車(イケ)、九三式百五十糎探照燈、聴音機などの映像も出てくる。

 本作では一生懸命機械の純国産化を謳っているが、工業生産力の結果を知っている我が身としてはいささか寂しさも覚えた。映画の冒頭で「戦争は科学戦であ る。しかも立体戦である。」というフレーズが寂しく響くのであった。


愛國03 東邦電力

愛國03 東邦電力

九五式軽戦車

ガーデンロイド水陸両用戦車

T−37水陸両用戦車?(手前)

九四式六輪自動貨車

九八式四輪起動乗用車

アツタ号乗用車

九三式百五十糎探照燈

聴音機



興奮度★★★
沈痛度★

爽快度★★★
感涙度★

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(2006/08/02)

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