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戦争映画の一方的評論
 
「靖国神社 評価★☆ 靖国神社に参集する遺族
1939
 謹製:皆川芳造 指導監修:陸軍省情報部
20分 モノクロ 

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  昭和14年製作の靖国神社を解説した映画。陸軍省情報部の監修とあるだけに、靖国神社の神格と、靖国神社に祀られた英霊についての理解を国民に知らしめよ うとした意図が窺われる。時に日中戦争真っ盛りであり、戦死者の数も増加しつつある世相と思われ、徴兵や出征、そして戦死の不安が国民の間に蔓延するのを 和らげる意図があるのだろう。殉国英霊は靖国神社に祀られ、天皇陛下までもが参拝する畏れ多い祭神となるのである。決して、恐れることもなく、不安に思う こともないのだ、ということを暗に訴えている。

 「謹みてこの一遍を護国の英霊に捧げまつる 謹製 皆川芳造」
 製作者の皆川芳造という人はミナトーキーと呼ばれる音声映画の開発者だそうだ。本作の製作に何故関わったのかは不明。
 映画は、
靖国神社の成り立ち、祀られている人々のこと、全国から戦死者遺族を招待した招魂式の様子を写している。
 靖国神社については
本神社ははじめ招魂社ととなえましたが、明治12年6月4日靖国神社の社号を賜り、別格官幣社に列せられました」
靖国とは御祭文に いましみことたちのあかきまごころをもて、家を忘れ身をなげうちて、おのもおのもみまかりにし、雄々きいさおによりてし、大御国をば靖国としろしめすことぞとおぼしめすがゆえに、靖国神社と改めたまえ、とのたまわれ給いました」と、明治天皇の時代に英霊を祀る神社となったことを述べている。
 そこに祀られているのは、国のために殉じた殉国烈士の忠霊であり、古くは鳥羽伏見の役から、日清戦役、「日露戦役、満州事変、支那事変までの戦没者であ る。支那事変の映像では、九五式軽戦車、九三式双軽爆撃機が写っている。さらに、英霊は男性の軍人に限られたものではないとし、ペンを持って報道に殉じた 報道班員をはじめ、野戦病院の女性看護婦、北満警備の夫に従い銃を取った大和撫子などまで含まれるとしている。

  靖国神社の例祭に伴い、全国から遺児や遺族を招いた招魂式が開催されている。招待された遺族は記念品を貰い、新宿御苑参観や慰安会などが催されている。ま た、立て看板には「英霊に感謝、遺族に敬意  遺族の方には席を譲ろう、遺族の方には親切に道を教えてあげよう」という、至れり尽くせりのもてなしの様子 が描かれ、死して遺族の栄誉に慰労なしといった様子である。ただし、招待されているのは全国の戦死者遺族のうち、ほんの一握りと思われ、参列する遺児の整 然とした行進は逆に哀れさを感じる。
 このほか、皇族、軍人の参拝が続き「靖国神社は武人の為には武運長久の守護神であり、国家のためには国運発展の守護神と申すべきであります」
として海ゆかばの音楽とともに終わる。

 この映画は、製作者側と、映像に映し出される遺族を初めとする国民の間に、暗黙の了解の異なった企図があることを映し出している。製作者側はきれい事や 建前を述べるだけだが、本来国民や遺族にとって靖国神社で英霊として祀られることなど本望ではないはずだ。靖国神社に祀られるよりも生きていた方が嬉しいに決まっている のだが、映像の中の遺族の神妙で誇らしげな表情は何なのか。それは、言うまでもなく遺族の被害者意識の共有だと思われる。悪い言い方をすれば傷の舐めあいなので あり、靖国神社という場をもって全国の遺族が悲しみや苦しみを共有できるのだ。そのことがわかっていて施政者も国民も靖国神社を利用しているのだ。現代の 靖国神社論争とはかなり視点の違う靖国神社を見た感じがする。

興奮度★★
沈痛度★

爽快度★
感涙度★

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(2007/06/23)