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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
壮烈第七騎兵隊  評価★★★☆ カスター将軍の伝記的作品
They Died with Their Boots On
1941
  アメリカ 監督:ラオール・ウオルシュ
出演者:エロール・フリン、オリヴィア・デ・ハヴィランド、アンソ ニー・クイン 、チャーリー・グレープウィンほか
138分 モノクロ
 
 
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 アメリカの南北戦争、インディアン戦争を戦った名将ジョージ・アームストロング・カスター将軍を描いた、伝記風ヒューマンドラマ。カスターの死後65年 を経過して製作された作品で、カスター将軍の功績を賞賛する作りとなっている。内容的にも映像的にも当時のものとしては良くできていて、娯楽作品としては 十分見応えのある内容となっている。
 ただし、当時のアメリカはインディアンに対する偏見差別も強いうえ、カスターの功績や行動が十分に検証されていなかったこともあり、現在知られているカ スターの人物像や史実とはかなりかけ離れた内容となっている。従って、歴史物として史実を示す映画としての価値はかなり低く評価せざるを得ず、あくまでも 歴史上の人物のフィンクション娯楽として楽しむのがベストである。

 史実では、カスター将軍は1857年にウエストポイント(陸軍士官学校)に入校し、ほどなく南北戦争に従軍し、騎兵中尉の時に勇敢な行動で功績をあげて いる。かなりの暴れん坊だったらしく、問題視される反面、無謀とも言える勇敢さで南軍を撃破していったのだ。この功績を受け、マクレラン将軍やプレソント ン将軍の贔屓で、1863年のゲティスバーグの戦いには名誉准将として騎兵隊司令官を勤め、南軍のスチュアート将軍を打ち破る功績をあげる。これにより シェリダン将軍のもとで若干23歳にして義勇軍名誉少将に昇進する。一旦は軍籍を退くがインディアン戦争の勃発と共に、1867年再び陸軍中佐として第七 騎兵隊司令官につく。インディアンとの戦いで功績をあげるも、ワシタ川の虐殺やインディアン居留地ブラック・ヒルズへの侵入など、冷酷な一面も見せるので ある。1876年カスターはリトルビッグホーンの戦いで多勢のインディアンに敗れ戦死する。

 本作では上記の史実と大分齟齬している箇所が多く、特に興味深かったのは名誉少将任官が命令書の打ち間違いであった点、ブラックヒルズ侵入の原因が シャープという悪徳商人の仕業ということになっている点である。全般的にインディアン(スー族)の描写は思ったほど酷くなく、むしろ好感的に描かれてはい るのだが、それ以上にカスターや白人部隊を美化しているのが特徴的だ。

 史実と齟齬がある点はさておき、物語としてのストーリー構成は良くできている。二転三転する波瀾万丈の人生をたっぷりと描き、カスターの軍務に対する栄 光と名誉への共感を呼び起こす。金の亡者と栄誉への犠牲を対比させることによって、ストーリーの幅と抑揚感を見事に醸し出しているのだ。さらに、新入生い じめや妻リビーとの出会いなど随所にコメディタッチの描写もあり、シリアス一辺倒ではないホットな雰囲気もある。人物の性格設定には若干極端な所も あるが、ラブロマンスや勧善懲悪描写も見ていて歯切れが良く、今となってはかなりベタな演出なのだが、この時代の作品ならではの楽しみ方でもあろう。
 映像編集はやや荒いところもあるが、インディアンと騎兵隊の戦闘クライマックスシーンはなかなかの迫力だ。下馬して方形陣を構えるカスター隊に対し、縦 横無尽にインディアン騎馬が駆けめぐる。もちろん、映像的には稚拙と感じる部分もあるが、迫り来るインディアンの恐怖は手に汗握る。ちなみに、このシーン の撮影ではスタントマンが二人死亡したそうで、なんと危険な撮影であったかと驚かされる。インディアンを演じるのはほとんどがフィリピン人エキストラだそ うで、本物のインディアンはごく僅かだったそうだ。 
 主人公を演じるのはエロール・フリンで精悍な若者像が良く出ている。妻となるリビー役はオリヴィア・デ・ハヴィランドでなかなかの美人。なんと彼女は東 京生まれなのだそうだ。また、カリフォルニア・ジョー役のチャーリー・グレープウィンは癖のある老人役を快演しており、映画の重要なアクセントとなってい るのがいい。アンソニー・クインはインディアン酋長クレイジー・ホース役だが、あまり喋らないので存在感はさほどない。

 全般に思った以上に完成度が高い作品だった。史実に沿っていないのが残念ではあるが、架空の人物として楽しむ分にはなかなかエキサイティングなものであ り、長めの映画にも関わらず最後まで引き込まれて視聴できた。

興奮度★★★★
沈痛度★★★

爽快度★★★
感涙度★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 1857年ウエストポイントにジョージ・ A・カスターが入校する。入校時から将軍の服を着てくるなど横柄な態度に、上級生のシャープ伍長はいらずらをし、カスターを新入生担当司令官テイプ少佐の 部屋に割り当てる。少佐の荷物を放り出し、ベッドに寝ころぶカスターの元にテイプ少佐がやってきて叱りとばす。慌てて新入生の列に集合したカスターは シャープの姿を見つけ殴りつけてしまう。学校長のシェリダン大佐はカスターの退学処分を検討するが、手違いで入校手続きもしていないカスターは退学を免れ る。
 だが、カスターは武術と馬術はいいものの学 科はまるでダメ、喧嘩や処分ばかりを受ける問題児だった。そんな中南北戦争が勃発。ウエストポイントからも南軍支持者らが離脱していく。ウエストポイント からも卒業と共に前線に向かっていく。シェリダン大佐のもとに知人の娘リビー・ベーコンが訪ねてくるが、カスターは一目惚れ。夜に会うことを約束するが、 その日のうちにカスターに卒業と前線任官の命が出て会うことは出来なかった。
 ワシントンに到着しても現役が優先のためな かなかカスターに辞令が下りない。カスターは強引に軍務局長と面会しお願いしにいくが、それは対立していたテイプ少佐だった。即座に却下されたカスター は、今度は食事中のスコット将軍に直接お願いする。懇意になった将軍はすぐさまテイプ少佐に、カスターの第二騎兵隊入隊を命じるのだった。カスターはテイ プ少佐の馬を盗んで任務に赴く。
 第二騎兵隊に到着するとそこには連隊長と なったシャープがいた。1861年7月21日のマナサス攻撃に参加したカスターはG中隊を率いて南軍を攻撃するが、味方は総崩れで退却命令が出る。しか し、カスター少尉は上官のシャープを殴り倒し、南軍を攻撃して撃退する。肩を撃たれて入院したカスターのもとにシェリダン将軍が訪れ勲章を授与する。カス ターは代わりにモンローに住むベーコン氏への紹介状を頼むのだった。
 モンローにリビーに会うために出かけたカス ターはそこでミシガン第一騎兵隊の外国人バトラーと会い、飲んでいるところにリビーの父親ベーコンがやってきて口論となってしまう。その後、リビーを訪ね たカスターは父親と再会し、追い出されてしまう。だが、二人の愛は深く結ばれ、カスターは将軍になったら結婚してくれと求婚する。
 テイプ少佐はカスターに馬を帰せと部下に手 紙を書かせている最中、将軍が戦死したミシガン隊騎兵隊指揮官の代わりの辞令作成を命じる。辞令書はカスターをミシガン騎兵隊司令官少将にするとしたまま 発令されてしまう。最初は驚いたカスターだが、そのまま司令官となりミシガン隊を指揮する。ゲティスバーグの戦いで北軍は苦戦し、南軍のスチュワート将軍 は裏を掻いてハノーバーを攻撃。北軍は絶体絶命の危機を迎えるが、実はカスターの部隊は南進しろとの命令を無視してスチュワート軍と対峙し降伏させる功績 をあげる。その後、モンテレー峡谷、イエロー・ダーバン、ウッドストック、ウインチェスター、シダー・クリーフ、アポマトックスの戦い、リー将軍降伏など 功績をあげる。最年少将軍の活躍にリビーの父も結婚を快諾し、リビーと結婚する。
 南北戦争終結後、カスターは除隊しリビーと 暮らしていたが、そこに商人となったシャープ親子が現れ、西部鉄道の社長就任を打診する。名前を貸すこと嫌ったカスターだが、生き甲斐を失っている姿にリ ビーはスコット将軍の元を訪ねて軍に戻して欲しいと頼む。その甲斐あってカスターは陸軍大佐としてリンカーン砦に赴任する。そこはインディアンと対峙する 前線であり、カリフォルニア・ジョーが鞭する馬車で赴任中にインディアンの襲撃を受け、カスターは酋長のクレイジー・ホースを捕獲する。砦の騎兵隊は軍紀 も乱れ酷い状態で、クレージー・ホースを殺そうとするが、カスターが制止する。隊員たちはシャープの経営する酒場で乱れきっており、カスターは酒場を閉 鎖、インディアン向けの銃器店も閉鎖させる。そして、再び訓練を積ませ、第七騎兵隊として生まれ変わるのだった。あのバトラーもカスターを慕って赴任して くる。
 第七騎兵隊は逃亡したクレイジー・ホースた ちインディアンと戦うが、カスターはクレイジー・ホースと休戦協定を結び、ブラック・ヒルズの不可侵を約束する。
 だが、シャープ親子はブラックヒルズの中心 を通る予定の西部鉄道建設のため、ブラックヒルズに金が出ると噂を立てて人を集めた上、調査官となっていたテイプと結託してカスターを追い出すことを計 画。カスターは策略にまんまとはまってテイプに暴力をふるって解任され軍法会議に。策略を知ったカスターだが軍法会議では証言を採用されずに窮地に。しか も、インディアン居留地のブラックヒルズに白人か侵入し、全面戦争に発展していた。思いあまってカスターはグラント大統領に直談判し、司令官に返り咲く。
 砦に戻ったカスターだが、すでにインディア ンとの決戦は避けられず、孤立した味方の歩兵隊クルーク、テリー部隊を救うために第七騎兵隊が必死の囮になることを決意。酒場にいたシャープを拉致し、リ ビーと最後の別れをして出陣する。外国人バトラーもカスターについていくことを決意し、リトル・ビッグホーン川でキャンプする。そこで連れてきたシャープ に逃げるか、共に栄誉のために戦うかを問い、ついにシャープも戦うことを決意する。カスターは多勢のインディアンの包囲網に囲まれて苦戦。バトラー、カリ フォルニア・ジョー、シャープともに戦死し、最後にはカスター一人だけが残る。そしてクレイジー・ホースの銃弾にカスターもついに倒れるのだった。
 妻リビーはカスターの残した告発遺書をもと にシャープの父、テイプに詰め寄る。テイプの辞職、シャープの会社の開発中止を約束させ、シェリダン将軍を通して大統領にインディアン居留地の保護を確約 して貰うのだった。

(2010/03/05)