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戦争映画の一方的評論
 
大東亜戦争撃滅戦記(大東亞戰争撃滅戰記) 評価★ 太平洋戦争緒戦の戦果と大義を説く
1942 2月
 制作:(社)日本映画社 監修:情報局 撮影:陸海軍報道班員、日本映画社特派員
61分 モノクロ
 
 序篇「大東亜戦争は斯くして起った」と第一部「燃ゆる太平洋」 の二部からなる、戦記記録映画。何故第二部がないのに第一部なのかは不明だが、続編の予定があったのだろうか。映画は、昭和初期の軍縮騒動から真珠湾攻 撃、シンガポール攻略、香港攻略の昭和17年元旦までを映像化しており、前半部は太平洋戦争開戦にいたるまでの日本の大義を切々と説き、後半は太平洋戦争 緒戦の皇軍の活躍を描いている。
 記録映像がほとんど全てではあるが、いわゆる記録映画というよりはかなりプロパガンダ的要素が強い。事象、事件にあわせた映像を用いてはいるが、映像の 内容に目新しさや企図性はなく、挿入されるテロップやナレーションのみが映画のストーリー性を担っている。従って、61分の映像はかなり退屈で、時間の割 に得るものは少ない。ただし、この戦時ニュース的映画を視聴した当時の人々にとっては、これで十分すぎるものであっただろうし、映像内容云々よりも戦意昂 揚を企図した制作側としても狙い通りであったとも言えよう。
 編集的にはかなり稚拙で、用いられるテロップや図も安っぽい。本格的な映画と言うよりは付け刃的に急いで作った戦時ニュースと言った位置づけなのだろ う。

 序篇 太平洋戦争は斯くして起った
 とにかく日本の置かれた世界的立場と開戦に至る大義を蕩々と30分近く語る。第一次大戦に参戦し戦勝した日本だが、「これで与えられたものは日英同盟破 棄とワシントン軍縮条約」であると嘆き、アジア侵略をもくろむ英米がアジアに拠点を築きつつ、艦船比率も「553劣勢比率」を押しつけられたと憤る。
 張作霖爆死事件では「米英のせん動成功」「全支に抗日侮日」「反日行為激化」に至ったとし、昭和6年9月18日に満州事変が勃発すると「満州事変 それ は東亜新秩序建設の第一歩であった」と満州建国の大義を掲げる。しつこい位に大義を説明するあたりに、欧米列強に対抗して中国大陸進出を図った日本が、そ れでもなお満州建国にやや後ろめたさを感じている側面を見て取る事が出来る。
 欧米の圧力はさらに力を増し、「米英日本を厭迫す」「苦闘する日本」と題して昭和8年2月24日のジュネーブ国際連盟での松岡外相演説が流れる。この演 説シーンはなかなか貴重なものと思われるが、日本はここで国際連盟を脱退する。「国際連盟の脱退 それは実に世界新秩序建設の序幕であった」。
 7月7日に支那事変が起きると、「蒋介石の抗日教育によるもの」とし、さらに「アメリカの陰謀 九個国会議開かれる」「抗日支那の正体」「米英の旗の下 にかくれて」「米の対日経済圧迫の切札 通商協定破棄」と立て続けに米中の結託に怒り、アメリカの経済制裁がことのほか厳しい事を感じさせる。
 昭和14年9月3日、独伊が英仏と開戦に至ると「アメリカ 反枢軸の兵器廠と化す」とアメリカの立場を揶揄し、さらにABCD包囲網が迫る中野村駐米大 使の演説シーンで締めくくられる。「ルーズベルトは最後の要求をつきつけた。日本は支那全土から撤兵すべし。日本は南京国民政府を否認すべし。日本は日独 伊三国同盟を離脱すべし。」(ここまで29分)

 第一部 燃ゆる太平洋
  皇紀2601年(昭和16年)12月8日、ついに日米開戦する。「遂に来た 世界歴史空前の重大なる瞬間」「この一戦 期限二千六百一年の悠久なる歴 史の光栄をかけて」とハワイ真珠湾攻撃を讃える。
 同時に陸軍は仏印、上海へ進軍し、フィリッピン、マレー奇襲上陸作戦が行われ「人類史上に曽ってなき雄渾壮大な作戦計画」「英米撃滅せずして新東亜建設 なし」と威勢をあげる。
 国民大会で東条首相が演説し、女子供までもがこづかいを大本営や陸海軍に寄付するシーンはなんとも言い難い。12月11日には独伊がアメリカに宣戦し、 「日本の作戦区域は欧州の二倍に拡大」していることも自覚している。
 12月12日ルソン島南部に上陸、12月14日マレー進軍、12月16日ボルネオ進軍。英蘭軍が投降し、油田地帯を制圧する。「皇軍は年間五十万トンの 石油を確保」したとし、破壊された油田施設の復旧にあたる技術者が映る。さらに、香港総攻撃が敢行され、陸軍航空隊、地上部隊の攻撃シーンが華やかに映し 出される。
 12月23日「鉄血陸戦隊ウエーキ等を屠る」「英領ビルマの首都ラングーンへ」
 12月25日「香港遂に落つ」。おびただしい英軍の戦利品が映し出される。
 昭和17年の新年を迎え、戦地では戦闘機のカウルの上や、艦船の測距儀の上に鏡餅を置く姿、内地では映画館の戦況ニュースに列をなす人々の姿がある。

 最後に、「太平洋全戦線のいたるところに、キンキュウ?はつらつの一声総進撃は続けられている。マレーを見よ。フィリッピンを見よ。ボルネオを見よ。カ ンプ?して日章旗は進み行く。世紀の大進軍の大東亜建設の責任と防衛を双肩に担って無敵皇軍の進撃しうるところ米英侵略の手下は次々にギフ?。世界史の新 しき朝日は開け始めているのだ。」というナレーションで締めくくられる。

 登場する兵器類としては、航空機では編隊飛行する九五式水上偵察機、空母から発艦する九七式艦爆、香港を空爆する九八式軽爆撃機、ラングーン空襲の九七 式重爆撃機が見える。九八式軽爆は実用期間も限られているのでなかなか貴重な映像と言えよう。戦車では中国戦線で活躍する八九式中戦車が写り「はせ 112」と記されている。艦船では空母と戦艦群が映るのだがどうも日本海軍ぽくない。戦艦は主砲が三連装のものなので英軍か米軍と思われる。このほか、真 珠湾攻撃シーンでは空母翔鶴が映っている。このシーンだけ、画面に「海軍検閲済第五十一号」とある。


興奮度★
沈痛度★

爽快度★★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意)

 なし

(2006/09/08)

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