オンラインDVDレンタル ぽすれん

 
作品の貸し出し中がないレンタルビデオ屋はコチラ!GEO

戦争映画の一方的評論
 
「空の神兵 陸軍落下傘部隊訓練の記録 評価★★★★  見よ落下傘空を征く
1942 日本映画社 監督:渡辺義実
出演:
陸軍落下傘部隊  
55分 モノクロ

 
 日本映画社が製作した記録映画のうちの一つ。陸軍の落下傘部隊の入隊から総合演習に至るまでの訓練の一部始終を撮影している。記録映画とはいえ、構成的 にもかなり良くまとまっており、落下傘兵への密着具合も程よく、映画としても十分に楽しめる。
 陸軍落下傘部隊は、昭和16年頃に陸軍が下士官兵を中心に募集を開始し、埼玉県所沢の陸軍航空整備学校で訓練が行われている。昭和17年2月にはこの訓 練を終了した第1、第2挺進連隊がスマトラのパレンバンに強襲降下を敢行し、大成功を修めたことは有名である。本映画はその前に撮影されたものであろう が、公開はその後だったと思われる。従ってパレンバン攻略大成功に沸く中、本作が上映され、本作の主題歌である「空の神兵」は相乗効果で大ヒット曲になっ たらしい。「 藍より蒼き大空に大空に  たちまち開く百千の 真白き薔薇の花模様 見よ落下傘空に降り 
見よ落下傘空をゆく 見よ落下傘空をゆく」
 勇壮な映像に、高らかな主題歌と相まって、この作品を見た日本男児はみな志願したくなってしまうんだろうなという出来だ。

 落下傘兵の降下シーンはかなりスピーディである。当時としては画期的な高速度カメラで撮影している。生々しい隊員の訓練風景が実によく伝わってくる素晴 らしい作品である。登場する兵器類も当然の事ながら本物であり、記録としても貴重なものである。

興奮度★★★★
沈痛度★
爽快度★★★
感涙度★
映画見るなら ⇒スカパー!初期費用無料
オンラインDVDレンタルなら『TSUTAYA DISCAS』!
古本市場】激安古本・CD・DVD・ゲームソフト販売買取
新刊書籍・雑誌・DVDジェイブック
新品DVD・家電
い〜でじ!! 

(以下 あらすじ ネタバレ一応注意)

(1)入隊
 まずは、各部隊から応募してきた下士官中心の落下傘兵が訓辞を受ける。訓辞は「隊長」と言っており、中佐の階級章をつけている。連隊長クラスだと思われ る。整列している兵には曹長、軍曹、上等兵あたりの階級章が見える。下士官中心の部隊であるため、掃除当番も、歩哨も軍曹や曹長がやっていたのだとか。
(2)基礎体力訓練
 体操訓練が行われる。マット運動では前転のほか飛び込み前転を行っている。結構へたくそなのがいるのが楽しい。
(3)落下傘装備訓練
 命の綱落下傘のたたみ方を徹底的に叩き込む。折り方、紐の収納の仕方などかなり細かい。そうでもしないと命に関わるのだから本気の顔だ。
(4)室内での降下訓練
 体育館のような場所で天井からつるされたワイヤーにて降下訓練。一つは傘の枠組みだけのもので、天井高くまでつり上げられて降下する。高さ10mほどで あろうか。落下速度は結構早い。地面は砂地で落下の度にエンピで掘り直している。それだけ、怪我の可能性が高いと言うことであろう。隣には実際の落下傘が ついた装置がある。こちらは同じ高さとはいえ、落下速度がゆっくりである。
(5)屋外降下訓練
 50mほどもあろうか、鉄塔上からの降下訓練が始まる。落下傘訓練のための専用施設かと思いきや、下記の参考リンクの体験談によれば、「当時、確か東京多摩川遊園地と言ったと思いますが、そこに“読売落下傘塔”という高さ50メートル程の塔で、頂上から 7・8メートル位の腕木が出ていて、 その先からワイヤーで直径5メートル程の鉄の輪が吊るされ、地上で落下傘の周囲を鈎〔カギ〕に結合して、落下傘にぶらさがったまま、頂上までゆくと、鈎 が自動的に外れ、体はゆっくり、ゆれながら地上に降りる仕掛けになった遊園地の施設で、当時としては珍しいものでした。」ということらし い。まさに映画そのままの談話である(当たり前か)。
(6)軍装支給
 いよいよ、落下傘兵の軍服、靴、兜が支給される。まさに空の神兵の出来上がりだ。ツバのない独特の鉄兜が落下傘兵らしさを強調している。
(7)機胴体訓練
 飛行機から飛び出す訓練である。模擬機の搭乗口からの飛び降り訓練を行う。「やあ」というかけ声と共に両手を上に上げて飛び出す。教官(少尉?)の「視 点は水平!」という厳しい声がかかる。それもそのはず、最も危険な瞬間であると同時に、飛び出しに躊躇すれば作戦が失敗するのだ。連続飛び出し訓練にも熱 が入る。
(8)慣熟飛行訓練
 実機に搭乗することとなる。隊長の「飛行機は絶対に安全である」という言葉から、隊員が不安にかられていることがわかる。しかし、この段階では搭乗口か ら顔をだすのみ。まずは風圧を体験して、どのくらい勢いよく飛び出さねばならないかを知ることから始まる。搭乗機は中島九七式輸送機(キ34)。飛行場に は20機以上が駐機している様子がわかる。ちなみにこの輸送機は全金属製である。また、下記リンクの体験談によればパレンバン攻略にはこの九七式輸送機の ほか、ロ式輸送機も参加しているようである。
(9)降下訓練
 そして、ついに実際に単独降下する日がやってくる。降下前日には身の回りを整頓する者、手紙を書く者、隊員に極度の緊張が走る。輸送機一機に7名の隊員 が搭乗する。機上の人となり、隊員の顔が極度にこわばっていくのがわかる。降下地点が近づき、教官が公開合図のために手を掲げる。まだ、まだ、まだ。見て いる方にも緊張感が伝わってくる。よしいけっ!勢いよく隊員が飛び出していく。まずは3名。続いて、周回した輸送機から残りの3名が降下する。
 地上では、風向きや落下地点用白布などの準備に奔走していた地上要員が待ちかまえている。「足を曲げろ!」「予備傘の落としが早い!」などと教官からの 怒号が飛び交う。なんとか全員の初降下が無事終わるのであった。その労を上官がねぎらう姿がある。
(10)総合演習
 その後も日夜訓練が続けられ、最後は訓練の集大成である総合演習となる。3機編隊が6隊の計18機から次々に落下傘兵が飛び降りる。その光景はまさに、 海上に浮かんだクラゲの集団のようである。降下した100名余りの落下傘兵はすぐさま、戦闘準備にかかる。落下傘兵の本領は地上戦闘にあるのだ。別に降下 された兵器収納落下傘から、武器を取り出す。小銃はもちろんのこと、軽機関銃、重機関銃、さらには山砲や火炎放射器の姿も見える。小隊長の指揮の下、目的 とを占領する。ちなみに、兵器収納ボックスには藁のような緩衝材が詰められている。

(参考リンク)
戦争回顧(小又一正 氏) 


(2005/03/23)

DVD検索「空の神兵」を探す(楽天)