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戦争映画の一方的評論
 
海鷲 評価★★☆ 海軍航空隊の重慶爆撃
1942 5月
芸術映画社  後援:海軍省
演出・撮影:井上 莞
30分 モノクロ
 
 海軍航空隊に密着取材し、その活躍を描いたプロパガンダ的要素 の強い映画。中国 大陸、特に重慶爆撃作戦をメインに撮影し、全て実機と本物の搭乗員による記録映画である。文部大臣賞受賞作品だそうだが、特に物語的要素もなく、構成シナ リオもかなりいい加減とみえ、全 体のまとまりや場面カットのつながりという点では駄作の部類。しかし、登場する航空機は生の実機ばかりであり、海軍航空隊の兵隊の生の姿を垣間見ることが できると言う点では大変興味深い。

 登場する航空機は九六式陸上攻撃機がメイン。これに、九七式輸送機、九八式陸上偵察機、九六式四号艦上戦闘機が少量ながら写る。九七式輸送機は無塗装シ ルバー、九八式陸偵は灰緑色塗装のようだ。九六式艦戦は最終型の4号型であることがわかる。所属は不明だが14空あたりだろうか。さて、九六式陸攻だが、 尾翼の映像を機密保持のためだろうかカットされる事が多く、明確に所属部隊がわからないが、尾翼の斜線の帯形状と「Z」の文字が見えることから「一空」と 思われる。多くの機体が茶色と濃緑色 の雲形迷彩となっており、一機だけ二一型(胴体中央上部の機銃座突起が小さい)だが、ほとんどは二三型(胴体中央上部の機銃座突起が大きい)である。この ほか、尾翼に水平帯マークがみられ、これは美幌空と思われる。
 重慶爆撃は昭和13年2月から始まり昭和18年まで続くが、本作品は昭和17年年5月完成なので、それ以前の撮影と言うことになる。しかし、不思議なこ とに中国戦線には零式艦上戦闘機が昭和15年には投入されており、昭和15年9月の初陣以降は重慶戦にも大活躍のはずだが本作には全く登場しない。いくら 機密保持とはいえ、全く登場しないのもおかしな話である。しかも、本作のナレーションや搭乗員の会話からは重慶爆撃も佳境にさしかかった雰囲気であり、 「最期のとどめ」とか「敵戦闘機は逃げてしまっていない」とあるように、さほど古い時期でもなさそうだ。加えて、登場する九六式陸攻の一空は昭和16年4 月の結成であるから、それ以降の撮影と言うことになる。零戦の配置されていない部隊だったのか、あえて写さなかったのか謎が残る。

 それはさておき、映画中の海軍新兵と爆撃機搭乗員の会話が面白かった。
新兵「(敵)戦闘機は押し寄せてきたんですか?」
搭乗員「戦闘 機はもう早くに逃げちまって、撃てなかったよなあ。その代わり、高角砲が2、3発ボーンと来た。」
新兵「空戦な んかやるときは気持ちいいですか?」
搭乗員「やっ てる時はとてもそんなこと考える余裕がねえや。もう無我夢中だな」
 実に、リアルな会話だ。搭乗員の本音が聞けたような感じだ。
 また、面白いのは爆撃搭乗員の航空弁当献立が出てくる。巻寿司、出し巻、漬物、増加食とあり、巻寿司の内容は「浅草糊、精米、しいたけ、かんぴょう、オ ボロ、青菜、タケノコ」で、出し巻は「煮出汁、鶏卵、グリーンピース」となっている。漬物は沢庵漬けで、増加食は「ミルクコーヒー、パインアップ ル、???」と見える。このほか、帰隊時飲料?としてフルールポンチと書いてある。

 このほか気になった事。
 陸攻の搭乗員が攻撃から帰って機体から降りてきたときに、機首下部のピトー管をいじっている。何をしているのだろうか、気になった。
 重慶爆撃シーンで落としている爆弾。いっぺんに四,五発落としているところから60kg爆弾かな。
  宿営地のバッタの大群・・・・・・気色悪い・・・・
 航空機の映像も飛行シーンが中心で、爆撃の弾着や空戦シーンは全くないので迫力に欠ける面はあるが、全体としてこの時期の海軍航空隊の雰囲気を楽しむこ とができた。

興奮度★★★
沈痛度★

爽快度★★★☆
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意)

 なし

(2006/07/25)

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