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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「東京上空三十秒  評価★★☆ ドゥーリトル爆撃隊の日本本土空襲 
THIRTY SECOND OVER TOKYO
1945  アメリカ 監督:マーヴィン・ルロイ
出演者:スペンサー・トレイシー、ヴァン・ジョンソン、ロバート・ミッチャム ほか
138分 モノクロ 

   
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  真珠湾攻撃に対する報復として、アメリカ軍が初めて行った「ドゥーリトル爆撃隊」による東京空襲を描いたドキュメンタリー風ドラマ。
 ドゥーリトル日本空襲は1942年4月18日に、日本近海に進出した空母ホーネットから発艦した16機のB−25爆撃機によって行われた。大型爆撃機の空母発艦という無謀ともいえる計画だったが、良く訓練されたドゥーリトル中佐に率いられた爆撃機は東京、川崎、横須賀、名古屋を爆撃し、そのまま中国に向けて抜けた。この爆撃で日本は50人の死者を出し、うち1名は無差別機銃掃射による小学生と言われる。爆撃機はいづれも中国に不時着するも、8名が日本軍の捕虜となり、将校は戦犯容疑で処刑されている。
 本作は片脚を失いながらもアメリカに帰還したテッド・ローソン中尉を主人公に仕立てあげられており、作戦遂行シーンだけでなく、ローソン中尉夫妻等のメロドラマが加えられている。

 戦争末期とはいえ、戦時中に製作された作品であり、多分に戦意高揚的意図が見える。実機の爆撃機を用いたアクションシーンも多く、全般的に爆撃隊員の活躍を称賛する雰囲気が強い。
 だが、興味深いのは、すでに戦勝を意識しているのだろうか、それまでのプロパガンダ映画のような日本憎悪一本槍でなく、爆撃隊員が日本人を嫌いではないと言ったり、日本人に哀れみさえかけているようにも見える。アメリカ映画特有のメロドラマが多分に取り込まれている点も、日本兵がほとんど登場しないのも、もはやこの戦争に勝ったという余裕すら感じさせるのだ。また、焼夷弾や爆弾を投下するのだが、指揮官は「一般市民を巻き添えで殺すことはやむを得ない。道徳心に責められるな。」と言っており、すでに市民巻き添えの意識が強くあることがわかる。
 全般的には、ストーリーも編集もさほど特筆することもなく、古臭いイメージの映画。戦時プロパガンダに商業ベースを無理やり突っ込んだような感じで、日本人にとっては面白くないかも。
 ただ、映像的にはなかなか凝っており、飛行シーン等には合成映像が当時にしては上手に用いられている。また実機も多数登場し、空母ホーネットやその発艦シーンもある。ホーネットはこの年の10月に沈没しているので、貴重な記録フィルムでもある。空母に吊り上げられるB-25もレアだが、圧巻なのは、離陸訓練のシーンで尻餅をつくB−25の映像。実際にわざと尻餅をつかせて撮影させたのだろうか、さすが戦時中だけのことはある。また、登場するパイロット役がA−2フライトジャケットを着用しているのもリアルだ。
 東京空襲シーンは東京らしくはないが、ミニチュアと思われる立ち並ぶ家々が爆破されていくのはなかなか秀逸。この他実写も取り入れられており、オークランドで撮影されたそうだ。黒煙をあげる工場が一瞬写るが、これは実際の石油基地の火災現場を偶然撮影したのだそうだ。
 
 全体に特筆する内容でもないが、日本人にとっては屈辱の本土空襲の緒戦の歴史を知る上では貴重な映画ではある。

興奮度★★★
沈痛度★★★

爽快度★★
感涙度★
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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)


 真珠湾攻撃から131日後、アメリカ軍は爆撃機B-25による日本本土空襲を計画した。指揮官はドゥーリトル中佐で、B-25爆撃機24機と志願パイロットが集められたが、その作戦内容は極秘扱いで何も知らされていなかった。陸軍パイロットのテッド・ローソン中尉は新婚だったが、危険な任務と聞かされていたにも関わらず志願した。この他、ディーン・ダベンポート中尉、チャールズ・マクレア中尉、ボブ・グレイ中尉、ヤコブ・ショーティ・マンク中尉、ランドール中尉、スミス中尉、ホルストロム中尉らがいた。彼らは海軍のミラー大尉の指導のもと、短距離離陸の訓練を受ける。エンジン出力を最高にし、一気に操舵を引き上げることで彼らは空母からの離陸が可能になった。
 ローソン中尉の妻エレンは妊娠していた。危険な任務と知りながらもローソンは辞退せず、エレンもまた夫の無事帰還を祈るのだった。
 いよいよ出撃の日が来る。ローソン中尉らは空母ホーネットに乗艦する。広い空母のなかは迷路のようで、お客様気分を味わうのだった。そこで、初めて今回の作戦を聞かされる。空母から発艦した爆撃機は日本を空襲した後、中国の常州まで飛んで着陸することとなっていた。身を守るために、日本には不時着しないことが重要と聞かされる。
 本来は夜間出撃の予定であったが、日本近海で日本の監視艇に発見され、急遽昼間爆撃に切り替わって出撃する。飛び立った16機のB−25は東京、横浜、名古屋等に飛来し、爆撃を行う。
 テッド・ローソン中尉の機は無事に爆撃任務を完了するが、燃料切れで中国大陸沿岸に不時着する。その衝撃でローソン中尉が足に甚大な傷を負う。彼のクルー5名は、中国人住民チャーリーらに助けられるが、医者がいるところまでは距離が遠かった。なんとかチュン医師のところまで搬送されるが、麻酔薬もないためになかなか治療ができない。そこに、やはり不時着した他機に搭乗していたスミス中尉がやってきて、ローソン中尉は足を切断手術する。
 その後、ローソン中尉らは米軍輸送機により本国に戻ることが出来たが、片足を失ったショックから妻に会う気が起きなかった。しかし、昇進したドゥーリトル准将に計らいで妻と再会を果たすのだった。


(2008/05/03)