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戦争映画の一方的評論
 
第一空挺兵団」 評価★★★★ 役者、ロケ地、エキストラまで本物の「遠すぎた橋」
THEIRS IS THE GLORY
1946 アメリカ  監督:ブライアン・デズモンド・ハースト
出演者:ノンクレジット
82分 モノクロ

 
 戦後まもなく製作された、マーケット・ガーデン作戦における英第1空挺師団によるアルンヘム橋攻防戦を描いた映画。いわゆる後世に製作された「遠すぎた 橋」そのものである。本作の驚くべき点は、英国がこのアルンヘムの悲劇を克明に記録に残そうという意図のもと、戦史に忠実にドキュメントタッチで製作され た点である。この戦いから数年しか経過しておらず、記憶も定かであるということに加え、出演する兵士役の中には実際に戦闘に参加した兵士も多いらしい。さ らに、ロケ地はアルンヘムその地で行い、エキストラには地元アルンヘム住民を使うというリアリティ追求である。もちろん、登場する兵器類等についても実物 が多い。ドキュメンタリー的映画という位置づけになろうか。
 日本語版のDVDが発売されていないので、英国版を購入して視聴したが、英語字幕なしで会話の1/10くらいしか理解できなかった・・・(汗)。なの で、細かいストーリー的なものについては明確に批評できないが、本作は概ね一日目、二日目といった風に時系列的に進行するので、戦史書を片手に視聴すれば 大体のことは理解できる。ドキュメンタリータッチということで、特に主役というものは設定されておらず、淡々と戦闘が進んでいくので全体ストーリーとして は面白みはない。さらに、細かい設定や個人的な動きというものもあまり描かれず、全体的な視点で描かれているようだ。序盤は第1空挺師団第1パラシュート 旅団第3大隊のアルンヘム橋の攻防戦が中心となっており、後半は師団司令部の置かれたハルテンシュタインホテルを中心にした映像となっている。多分、この 中に第3大隊長のフロスト中佐やアーカット第1空挺師団長なども登場していたのだろうが、誰が誰だかわからなかった(汗)。
 とにかく、後続のパラシュート・グライダー降下部隊との連絡がうまくいかないこと、随所に「セカンドアーミー」という言葉が登場し、支援合流するはずの 英第2軍(第30軍団)が一向に来ないという緊迫感がひしひしと伝わってくる。また、司令部やオランダ人民家には負傷者が続々と運び込まれ、もはや弾もな いという極限状態に至ってまだ死守しなければならない絶望感、さらには、ついに川を渡河して撤退しなければならなくなった局面での脱力感もリアルだ。英語 圏の人から見ると役者が大根でひどいとのコメントも見るが、英語の出来ない自分には何ら問題なしだ(笑)。

 本作の素晴らしいところは、映像がリアルなところ。当然本職が演じているのだから様になっているのは当たり前だが、結構実弾や実兵器を用いているよう だ。既に戦車マニアには知られているようだが、V号パンター戦車(D型かな?)とVI号ティーガーI戦車の本物が登場し、走行及び砲の発射シーンまであ る。登場時間はさほど多くないが、偽物や改造ではない本物が出てくるのもこの製作時期だからこそ。また、冒頭のパラシュート、グライダー降下シーンも優れ もの。一部は記録映像の使い回しかもしれないが、降下や着陸シーンは迫力満点だし、爆撃機のグライダー曳航シーンやグライダーコックピットからの映像はな かなかレア。また、細かいところだが銃器類の発射シーンもリアルだし、撤退作戦時の夜間シーンで背後に飛び交う銃弾の光がGOOD。
 ついでに、音響効果も素晴らしい。実弾の音が実にリアル。下手な最新戦争映画よりもずっといい。

 ちなみに、このマーケット作戦のうちアルンヘム攻略のために降下した連合軍第1空挺軍英第1空挺師団・ポーランド旅団は約10,000名で、うち無事に 脱出できたのは2,000名。戦死者は1,300名で残りは捕虜となっている。同作戦と連動して南方には米第82空挺師団、第101空挺師団が降下してい る。詳しくは「バンド・オブ・ブラザーズ」 に描かれている。
 作戦の立案と指揮は英モントゴメリー将軍で、本作戦の無謀さと指揮能力の乏しさについては賛否両論がある。

興奮度★★★
沈痛度★
★★
爽快度★★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意)

 特にないが、本作に登場する主な時系列(戦史書とは食い違うところもあり)
1日目(9/17) 英第1空挺師団第1パラシュート旅団、第1グライダー旅団がアルンヘム郊外に降下。散発的なドイツ軍の抵抗もあるが、第3大隊がアル ンヘム橋の確保に成功。
2日目(9/18) 後続第1空挺師団第4パラシュート旅団降下する。
3日目(9/19) ポーランド第1独立パラシュート旅団降下。
4日目(9/29) ドイツ軍の反撃が始まり、パンター戦車がやって来る。
5日目(9/21) 橋を失った第3大隊(フロスト中佐)部隊全滅(投降)。
6日目(9/22) 残りのポーランド旅団降下するも、対空砲火で被害甚大。弾薬乏しい。
7日目(9/23) ドイツ軍の降伏勧告来るが拒否。
8日目(9/24) 司令部の死守。
9日目(9/25) 撤退作戦決行。夜間にボートで川を渡河。

(2006/03/06)

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