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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「総攻撃 評価★★☆ ノルマンディー上陸戦を戦う 歩兵小隊
BREAKETHROUGH
1950 アメリカ 監督:ルイス・セイラー
出演者:デ ヴィッド・ブライアン、ジョン・エイガー、フランク・ラヴジョイ、ポール・ピサーニほか
91分
 モノクロ 
 
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 1944年の連合軍ノルマンディー上陸作戦を主に、米歩兵第1師団のとある小隊を描いたミリタリーヒューマンドラマ。新任小隊長がベテラン中隊長や軍曹 に助けられながら、次第に指揮官として育っていく過程を描いている。戦争記録映像を多用しながらも、ある程度は史実の時系列に沿って展開し、ミリタリーア クションとしても小隊・中隊戦術を垣間見ることが出来る作品。後半やや飛ばし気味で記録映像に頼っている嫌いはあるが、前半部分は後年の名作「最前線物語 (1980)」や「バンド・オブ・ブラザーズ」に影響を与えたのではないかと思うほど良く似た雰囲気を出している。

 本作の主役小隊は米陸軍歩兵第1師団(ビッグ・レッド・ワン)所属で、ノルマンディー上陸作戦時にオマハビーチのイージーレッド地点上陸を敢行している ことから、歩兵第16連隊所属のE・F中隊あたりであることが想定される。その後、内陸部の生け垣掃討作戦を実施しているが、地名が明確になっていないの で、それ以上のことは不明。
 ちなみに歩兵第1師団はノルマンディー上陸戦以前にアフリカ戦線、シシリア戦線で勇名を馳せており、このあたりは「最前線物語」に詳しく描かれる。主役 の新任小隊長マロリイ少尉はノルマンディー戦からの着任となる。

 小隊指揮官はたいてい士官学校を卒業したばかりの新米少尉で、学校で習った机上の空論と経験不足が問題となり、部下のベテラン兵からの信頼を得るのが最 大の課題となる。本作もまさにここが焦点となっており、部下の死に冷淡な上官(中隊長)と戦術や感情での対立を経ながらも、その冷淡さの理由と必要性が次 第に明らかになってくるのだ。こうした戦場での指揮官の苦悩と立場を描いた作品は少なくないが、本作もこの点においては秀作の部類に入るだろう。
 ストーリー展開としてはかなりノーマルな作りで、会話や行動ともに特に目立つものはなく、終盤部分でもう一波乱あるのかと思ったが、いきなり「あれっ」 と終わってしまったのがもったいなかった。起承転で終わってしまった感じ。まあ、逆に日常的な雰囲気のドキュメンタリー風といえるかもしれない。一応小隊 の軍曹視点での展開になっているようだ。
 役者は比較的個性的で、役柄の性格付けも教員あがりの小隊長、政治家志望、コメディアン、マッチョ、牧師、新入り、犬好きなどしっかりしていて明快。コ メディアンが物まねをするシーンもあり、結構上手そうだが良くわからない。ただ、劇中に名称があまり出てこないので顔と名前が一致しにくいのと、人物描写 の掘り下げがやや浅めなのが難点か。
 
 映像はモノクロで、戦闘シーンや戦場背景等はやや見劣りするが、製作年代を考えればそこそこの出来か。中でも興味深かったのは上陸戦時の戦闘シーンで、 敵鉄条網やトーチカを撃破するための破壊筒使用や機関銃、小銃、手榴弾の使い分けが面白かった。
 兵器類は上陸戦に用いた上陸用舟艇のほか、陸上兵器でシャーマン戦車、ドイツ軍戦車役としてM46パットン戦車?ベースに偽砲塔を被せたものが登場す る。砲塔は物干し竿のような陳腐な物(笑)。
 記録映像は多様で、上陸戦時の艦隊風景、上空支援の航空機類、上陸戦後の両軍戦車、ソフトスキン類が出てくる。有名なノルマンディ上陸戦映像もあり、終 盤はオーバーロード作戦時のものが目立つ。ドイツ軍戦車ではII号戦車やIII号戦車の姿も見える。

 全般に古い年代の映画としては良くできている方だとは思うが、もう一つインパクトに欠けた。ノルマンディー上陸戦を描いた作品の一つとして、戦史的見地 から見る分にはそこそこ面白いとは思う。
 

興奮度★★
沈痛度★★

爽快度★★★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 1944年春、イギリスの米軍駐屯地に滞在する米陸軍歩兵第1師団のもと に、元教員で士官学校を卒業したばかりのジョン・マロリイ少尉が小隊長として任官してくる。所属する中隊長はヘール大尉で、マロリイ少尉の第1小隊に模擬 訓練をさせる。しかし、新米のマロリイ少尉は破壊筒を仕掛けたロジェック二等兵を助けるため、自ら救出に向かい、自分の役割だった発煙筒を炊くのを忘れて しまう。小隊のピート・ベル二等軍曹が窮地を救うが、ヘール大尉はマロリイ少尉に激怒する。ベル二等軍曹はマロリイに、大尉は自分がいた小隊だけに厳しい 愛情なのだと諭す。ヘール大尉は事あるごとに士官学校での教えなど実戦では通用しないと、マロリイ少尉に厳しく当たり、少尉は大尉が自分を嫌っているのだ と思いこむ。
 いよいよノルマンディ上陸作戦が開始され、 小隊はオマハビーチのイージーレッド地区上陸を割り当てられる。艦上で少尉は大尉に身の上話を話しかけるが、身の上話は聞きたくない、おまえも部下のこと を知るなと怒られる。
 作戦第一段階で航空機攻撃、艦砲射撃が開始 され、続いて小隊も上陸用舟艇に乗ってビーチに向かう。ドイツ軍のトーチカ陣地からは激しい銃撃が行われ、小隊も海岸に釘付けにされる。その中コメディア ン志望のハンセンが足を撃たれて負傷。マロリイ少尉は敵陣地に銃撃と手榴弾攻撃で何とか攻略に成功する。小隊はさらに前進を命じられ、内陸部に行くが、ド イツ軍は生け垣に身を潜めて待ち伏せ攻撃してくるのだった。
 マロリイの小隊は常に危険な偵察を命じら れ、ロスマン二等兵、ロジェック二等兵、ネルソン二等兵(新入り)、ベル軍曹らは偵察に向かい、ドイツ軍の潜む地点を報告する。ヘール大尉はすぐさまマロ リイ少尉に戦車隊と連動して攻撃を命じるが、潜んでいたドイツ軍戦車砲で戦車は破壊され、窮地に追い込まれる。マロリイ少尉はヘンダースン三等軍曹(牧 師)にバズーカ砲での攻撃を命じ、敵戦車砲破壊に成功する。だが、ヘンダースン軍曹は戦死し、少尉は悲しみにくれる。軍曹の死にうちひしがれる少尉に大尉 は冷徹に死体の片づけを命じ、少尉は大尉に血も涙もないのかと抗議する。だが、実は大尉も軍曹の旧知であり、深い悲しみを負っていたのだった。
 マロリイ小隊にもとにフランス人町長と娘が やってくる。もう町にはドイツ軍はいないので砲撃を止めて欲しいと言うのだ。大尉はマロリイ少尉に偵察を命じる。マロリイ少尉らは町の中に入り、フランス 人住民の手厚い歓迎を受ける。ヘール大尉の中隊も合流し、拠点を構築する。だが、建物の窓から突然銃撃を受け、ワトスン、ワレス、ジンボ(犬好き)が戦死 してしまう。大尉は家の狙撃者を殺すが、それはドイツ軍スパイのフランス人女性だった。
 マロリイ少尉は相変わらず危険な偵察任務に 就かされるが、そこでドイツ軍の機甲師団を発見する。少尉は大尉に報告するが大尉の司令部はドイツ軍の激しい砲撃を受ける。大尉は少尉に戦車の撃破を命じ る。敵戦車の攻撃にマロリイ少尉は勇猛果敢に挑み、バズーカ砲で対抗するも苦戦する。背後に回られた戦車に対し、足を負傷したドミニク伍長(政治家志望) は戦車によじ登り手榴弾を投げ込んで撃破する。何とかドイツ軍を食い止めたマロリイ少尉をヘール大尉ははじめて誉めるのだった。
 中隊は休暇で後方に移動する。大尉は少尉に 優秀だからこそ常に危険な任務に就かせていたのだと告白する。そこに負傷から癒えたハンセンが戻るが、すでにジンボらも戦死したことを悲しむ。ベル二等軍 曹は看護婦の女性兵に声を掛け休暇を楽しむ。
 いよいよパットン機甲師団も進撃を開始し、 中隊は援護のためにマリニーの町に総攻撃をしかけることに。そんな折、ヘール大尉は大隊本部に呼び出され、旧友の大隊長モリー中佐から司令部付異動を命じ られる。見た目は昇任人事だが、疲れ切ったヘール大尉の事実上の解任だった。気を落とす大尉だったが、後任推薦でマロリイ少尉を推挙する。中佐はまだ少尉 なのにと言うが、大尉の強い推薦におされ、マロリイを中尉に昇進させて中隊長にすることを承認する。マロリイは大尉から昇任を告げられ驚くが、大尉はマロ リイの優秀さを誉め、部下の身の上話を聞くなと助言する。
 マロリイの小隊には新人のジョンソン少尉が 赴任してくる。中隊長となったマロリイは、かつての上官ヘール大尉のように、ジョンソン少尉に身の上話などするな、ベル軍曹の言うことを聞けと冷たく言い 放つ。ジョンソン少尉はマロリイ中尉を怖い人だと身をすくめるが、ベル軍曹は大丈夫だと笑って言うのだった。
 部隊はサン・ロー・の町を制圧し、連合軍は フランスからドイツ軍を駆逐するのだった。

(2010/02/04)