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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「英国潜水艦デス・ボート/暁の出 航  評価★★★ 事故沈没した英国潜水艦からの脱出
MORNING DEPARTURE/ OPERATION DISASTER
1950
  イギリス 監督:ロイ・ウォード・ベイカー
出演者:ジョン・ミルズ、リチャード・アッテンボロー、ナイジェル・パトリック、ジェームス・ヘイター ほか
98分 モノクロ 

 
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 イギリス海軍の潜水艦が訓練中に沈没し、決死の脱出を図るサスペンス系ヒューマンドラマ。 舞台は明確ではないが、戦時の緊迫した雰囲気がないので、第二次世界大戦後間もない頃という設定のようだ。本作の制作年が1950年だから、事実上第二次 世界大戦モノと思って良いだろう。原作は小説のようだが、実は本作の完成後間もなくに、テームズ川で実際にイギリス潜水艦の沈没事故が発生している。数十 人の犠牲者が出たそうで、本作の公開も 自粛ムードになったそうだが、追悼の意も込めての公開となったそうだ。映画冒頭にその旨のコメントが登場する。

 海底に閉じこめられた緊迫感あふれる設定なのだが、戦闘シーンがあるわけでなし、さほどリアルな描写もなく、意外にのんびりとした描写が続く。確かに恐 ろしい密室空間での出来事なのだが、むしろ閉じこめられた乗員達の心情推移を的確に描くヒューマンドラマの性格が強い。司令塔や魚雷発射管から脱出を試み るが、救命具が足りない。そして、刻々と酸素濃度が薄くなっていく。最後には、訓練後に退役を考えているアームストロング艦長、過去の失敗から部下に命令 を下すことを拒否する副長、陽気な老水兵ヒギンス、閉所恐怖症で小心者の若者水兵スナイプの4名が取り残される。当初は足手まといだったスナイプが、次第 に水兵としての尊厳を取り戻していく過程も見所だ。エンディングは決してハッピーではないが、視聴後にさほど深刻にならずに済むのは、ヒューマンドラマ中 心の描き方にあるのかもしれない。
 この脱出のために潜水具が足りない、という設定は後の「72M (2004露)」でも採用されている。潜水具くらい余計に搭載しておけよと思うが、とにかく潜水艦というのは恐ろしいもの だ。

 登場する潜水艦は「トロージャン」と呼ばれるT型潜水艦で、イギリスでは1970年代まで現役だったらしい。当然本物が撮影に用いられているようだ。艦 内の映像はあまり登場しないのはやや残念。また、駆逐艦類も数種登場し、判明できたものにはZ型駆逐艦(艦番号002=zest)」がある。型名は不明だ が潜水母艦も登場する。

 潜水艦モノとしては王道でオーソドックスな作品である。特に傑出した内容があるわけではないが、潜水艦映画の草創期としては上出来なのではないだろう か。

興奮度★★★
沈痛度★★★☆

爽快度★
感涙度★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 イギリス 海軍潜水艦「トロージャン」の艦長アームストロング少佐は、妻から安定した家庭生活を望まれ、そろそろ退役を考えていた。同艦の老水兵クラーク一等水兵は 間もなく子供が生まれる予定であり、鳩を飼ってい た。若い帰還兵スナイプ水兵は金遣いの荒い妻のために給金の高い潜水艦乗りに志願した。
 トロージャンは新型ソナー訓練のため、駆逐 艦ブルフィンチとともに出航することになる。その際クラーク一水は艦長から子供が生まれた旨の電報を受け、休暇を与えられる。クラーク一水は友人のヒギン ス一水に鳩を託して下船する。
 潜望鏡深度で航行中、ソナー反応で副長のマ ンソン大尉が何かを見つける。それは古い電気式機雷だった。艦長は急速潜航させるも、機雷が爆発し、潜水艦の船首が吹き飛び、船尾も浸水してしまう。65 名の乗員のうち12名のみが生き残った。排水も不能で、電池も1個だけ。酸素は4時間しか持たない。
 海底90フィートで脱出口は司令塔と魚雷発 射口の二つ。1回に4名づつしか脱出できないため、残りの4名は艦に注水して脱出するしかない。スナイプは閉所恐怖症の混乱から脱出したいと騒ぎ始める が、艦長はそれを叱責し、副長らがそれを取り押さえる。海上では駆逐艦等による捜索活動が始まり、艦長は副長と最初の4人の人選を始める。まずは位置を知 らせることができる航海士のマーフィー中尉(sub.LT)とアンドルース兵長、ケリー兵長、ブロウ兵長の4名だ。4名は司令塔から脱出し海上の駆逐艦に 救出される。
 続いて4名の選出にあたるが、艦長が重い口 を開く。潜水具があと4つしかないのだ。残りは撃沈時の衝撃で破れてしまったのだ。艦長は公平を期すためにカードで4名を決めることにする。ヒルブルック 兵長、バーロウ上等兵曹、機関長(オークリー中尉?)、マークス(EAR)が選ばれ、スナイプは落選する。興奮するスナイプを見て、艦長はマークスに代 わってやってくれないかと頼む。マークスは受諾するが、次第に人として恥ずかしくなってきたスナイプは怪我をしたとしてマークスに潜水具を託すのだった。 これを見て、艦長も安心する。
 4名が脱出した後、艦長の友人ゲイツ中佐の 指揮するサルベージ船は、酸素管の挿入とロープでの吊り下げを試みる。内部に残った艦長、副長、ヒギンス、スナイプの4名はほっとするが、副長が振動で大 怪我をしてしまう。スナイプがなんとか救い出すものの、副長の様態は悪化する一方だった。スナイプは次第に落ち着きと兵としての尊厳を取り戻し始める。
 だが、海上は嵐となり、救出活動は危険と なってくる。救出続行を求めるゲイツ中佐だったが、サルベージ船の乗員に危険が及んだため、やむなくロープを切断するのだった。

(2009/3/3)