「攻撃」 評価★★★ 戦争の内部告発もの
ATTACK!
1956 アメリカ 監督:ロバート・アルドリッチ
出演:ジャック・パランス、リー・マーヴィンほか
108分 モノクロ
第二次世界大戦のヨーロッパ、1944年のベルギーを舞台にした米軍内部の無能な上官を問題化したもの。実話をもとにした舞台劇を映画化
したものだそうで、あまりに辛辣な内部批判の内容であるため、米軍の撮影協力を得られなかったとか。
部隊名はパッチが出てこないのではっきりしないが、アーヘン攻略に参加していること、ドイツ軍の攻撃で急遽空挺師団とともに出撃することから第4、9、
83歩兵師団あたりではないかと思います。このあと「ラネル」という町の攻略に行くのですがアルデンヌのどこかなのでしょうか。
主人公はフォックス中隊のひとりの小隊長コスタ中尉(パランス)。彼の小隊はアーヘンの戦いで無能な中隊長大尉の支援を得られずに大きな打撃を受けた。
責任は無能な中隊長にあると誰もが思うが、中隊長の父は判事であり、コネで政界をねらう大佐(連隊長?)と親密な関係にあるため、左遷されることもない。
中隊は本国へ帰還することになったが、その間際になって(多分)ドイツ軍のアルデンヌ攻勢が始まったため、急遽ラネルの攻略に出向くことになる。コスタ中
尉は先遣を命じられ、中隊長に今度こそは支援に来ることを約束させるが、またもや中隊長は見殺しにする。コスタの小隊は壊滅状態に。さらにドイツ軍戦車は
中隊まで押し寄せてくるが相変わらず、中隊長はふぬけのまま。中隊長以下5名が孤立しているところに瀕死のコスタ中尉が来て、中隊長を殺そうとする
が。。。。
実話をネタにしているということであるが、実際にこうした無能な上官は多くいたのだろう。無能な上官によって兵士が死んでいくのはなんとも悲しいことで
ある。悪役の中隊長、そして大佐役のマーヴィンのいけしゃあしゃあとした演技はなんとも強い印象を与える。そして、なんといっても中尉役のパランスの死し
てなお動こうとするオーラ発する演技は見物である。
兵器類はさすがに米軍の協力を得られなかっただけあり、銃はともかくドイツ軍戦車がとてもちゃちい。もとはトラクターでしょうか。はりぼてのような胴体
になんとも細いキャタピラ。細ーい砲塔はいただけません。あと、大佐役なんですが映画では字幕や音声で「カーネル」と言っているのだが肩章は中佐のものを
してい
るんですよね。中佐なら大隊長かもしれませんね。
(2004/04/08)
興奮度★★★
沈痛度★★★★★
爽快度★★
感涙度★
DVD検索「攻撃」を探す(楽天)