戦争映画の一方的評論
 
「ならず者部隊 評価★★☆ ならず者部隊で結ばれた地主と小作の結束
BETWEEN HEAVEN AND HELL
1956 アメリカ 監督:リチャード・フライシャー
出演:
ロバート・ワグナー ほか  
94分 カラー

 
 第二次大戦時、日本軍との南方の島での戦いを舞台にした映画。戦争アクションというよりは、地主の息子である主人公が戦争体験を通して精神的に変化して いく過程を描いた、ヒューマンドラマといった度合いが強い。南方のどこの島とか、どの部隊などといった戦史記録的な描写はほとんどなく、主人公をめぐる様 々な人物をからめて物語は進んでいく。従って、場面設定等にはあまり注意が払われておらず、実際の戦場にもこうした出来事があったかもしれない、と言った 程度でありリアル性には欠ける。
 ヒューマンドラマとしてみれば、それなりの起承転結があるので楽しめる映画ではある。主人公役が二枚目で坊ちゃん坊ちゃんしているのが良い感じである。 ただ、主人公の精神的な変化の描写があまり深く描かれていないために、どこの辺りで変化したのかがわかりづらい。もう少し、対人関係のからみを突っ込んで 描いていれば良作になったであろう。
 登場する日本兵は、服装もきちんと整っており、小綺麗なのが嬉しいやら、嘘っぽいやら複雑な気分。多分、日系人を登用していると思われ、正確な日本語を 話す者もいるが、多くは怪しい日本語が飛び交っている。「オンナスキデス」「スシ」などと意味不明の言葉あり、「パカタレダナー」「ナンカウタエ」などと 頑張ってしゃべっているのが笑える。
 登場する兵器類は極めて少ないが、上陸シーンの上陸用舟艇には力が入っている。陸上ではジープ、トラック程度であとは小火器のみ。映像的には結構安上が りの印象だ。当然の事ながら部隊章、階級章の類は相当手を抜いており、主人公が軍曹から二等兵に格下げになった時点で、軍曹パッチのはずされた跡が残って いる等の小技が見られる程度である。

興奮度★★
沈痛度★★★
爽快度★★★
感涙度★


(以下あらすじ ネタバレ注意)
 
 1945年、太平洋の島。元一等軍曹サム・ギフォードは上官暴行の罪で軍収容所に収監されていた。過去の活躍で銀星章を授与されたこともあり、部隊長の 配慮で軍法会議は回避されたが、二等兵に格下げのうえ、孤立している最前線へ飛ばされることとなった。
 最前線大隊は、風変わりで臆病な大隊長ウエイコが仕切っていた。ならず者ばかりが集められた部隊で、ウエイコは狙撃されるからと「サー」と呼ばれること を嫌っていた。側近には同じ出身地の兵士をつけ、独裁そのものだった。こんな部隊にまわされてサムは落ち込むのだった。

 徴兵前、サムはアメリカ南部の大地主の息子であり、ギフォード綿工場として多くの小作農を使用していた。妻と結婚したばかりであったが、妻は小作農に対 するサムの横柄な態度に不快感をあらわしていた。しかし、サムはそんなもんだと気にも留めなかった。そんなサムも徴兵がかかり、義父のコズンス大佐ととも に南方の島へ派遣されてきたのだった。緒戦の戦いで、サムは崖に陣取った日本軍機銃陣地を破壊した功績で銀星章を得る。部下には自己の農園の小作がいた が、戦場で生死を共にするにつれ、サムは小作ともうち解けてくる。
 そんな折り、義父のコズンス大佐が狙撃され戦死してしまう。落ち込むサムを次に襲ったのは、恐怖に怖じ気づいた中尉による部下の小作たち射殺事件であっ た。怒り狂ったサムは中尉を半殺しにしてしまったのだった。

 ならず者大隊で、サムはウエイコからノルザガレイ地区へ偵察に行くことを命じられる。危険なことを承知でサムを試していたのだ。サム達は日本兵の後をつ け、ノルザガレイの教会にたどりつく。行ってきた証拠に教会のプレートを持ち帰ったサムだがウエイコは信用しない。ウエイコは、サムに孤立している丘の上 の監視陣地へ行くことを命じる。重要な拠点であると同時に極めて危険な陣地でもある。

 丘の上に陣取ったサム達数名は、日本軍の襲撃に逢い1名が戦死する。無線機のバッテリーを補充しに、サムはいったん大隊に戻る。
 そこでは独裁体制が本部にばれ、ウエイコが解任されていた。解任され、大尉に降格されたウエイコは余りに哀れな姿をさらすのだった。そして、本部へ送還 の矢先、日本軍の狙撃により戦死する。サムはウエイコの独裁的だった姿に、農園での自分の姿をだぶらせるのだった。
 丘の上に戻る途中、戦死した日本兵の刀を盗ろうとした兵士が爆死する。残った4人で何とか陣地を死守するが、ついにサムとウイリーの二人だけとなってし まう。ウイリーは別の農園で小作をしていた男だ。サムは、生きて戻ったら二度と小作をつらい目に合わせないことを誓う。ウイリーもまた、サムの元で働くこ とを申し出る。
 固く友情で結ばれた二人だが、日本軍の総攻撃が始まる。足を負傷していたウイリーはサムに一人で脱出しろと進言する。サムは撃たれながらも日本兵を倒 し、本部へ戻り、ウイリーの救出を要望する。すぐさま、救援隊が急行し、ウイリーが生還する。
 負傷した二人は揃ってアメリカ本国へ送還となるのであった。

(2005/04/07)

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