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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「総統爆破計画 (暗殺計画7・20)」 評価★★ やや物 語調のヒトラー暗殺「ヴァルキューレ作戦」 
Der 20. Juli
1956 ドイツ 監督:ファルク・ハルナック
出演:ヴォルフガング・プライス、アンネマリー・ デューリンガーほか  
93分 モノクロ 
 
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 1944年7月20日のヒトラー暗殺未遂事件「ヴァルキューレ作戦」を扱った映画。前年には同じドイツ映画で「ヴァルキューレ作戦」を扱った「ヒ トラー暗殺(1956)」が製作されており、そちらが史実に沿ったドキュメンタリー調であるのに対して、こちらは架空の人物が登場する物語調の色 合いが強い作品である。史実として作戦の全容を理解するのならば「ヒトラー暗殺」の方がわかりやすいが、架空の人物の視点も取り入れた本作は、蛋白ではあ るがより多くのイベントも描いているので違った視点で楽しむことが出来る。

 本作では架空の役として、シュタウフェンベルグ大佐の補佐役リントナー大尉が登場している。また、クレーという女性がタイプライターとして登場するが、 こちらは実際のマルガレーテをモデルにしているものと思われる。果たしてこの架空役の存在に意味があるかというと、やや疑問だが、若干外部の視点からヴァ ルキューレ作戦を眺めるといった意味では面白いとは言える。特に、他作品ではあまり描かれない東部戦線の状況やヒトラー暗殺未遂「閃光作戦」、民間レジス タンスの活動も描かれるなど、イベントとしての厚みがある。
 ただ、ストーリーの大部分が史実に沿って進められていくので、架空役の存在が見ている側を混乱させている感は否めない。シリアスなのか、サスペンスとし て見れば良いのかわからないのだ。本作では架空の人物の心情変化も挿入されているので、実在の人物もからめてヒューマンドラマやサスペンス仕立てにしてし まった方が面白かったかも知れない。映画としてはやや落ち付かないものとなってしまっている。
 また、登場人物が多いのがこの題材の特徴だが、ご多分に漏れず人物紹介が少ない。登場人物が誰なのか、どういう背景なのかは知識がないと辛いだろう。ま た、かなり多くのイベントを盛り込んでいるので、各イベントの描き込みが浅くなってしまい、人物同士の関係はちょっと端折られてしまっているのが残念。

  全体にお金のかかっていない作りで、ストリー展開はともかく、細部の描写の検証については結構甘いようだ。シュタウフェンベルグ大佐は眼帯 を右目にしているし、失われた右腕は明らかに服の中に隠しているのがバレバレ。鞄の中の爆薬も1個だし、細かいところには気を遣っていない様子。ただ、映 画当初ではシュタウフェンベルグが中佐、トレスコウは大佐として登場し、途中から大佐、少将に昇進している点などはしっかりしている。
 映像もチープで、セットは同じような場所を使い回している。兵器類は、ベンツ乗用車などのソフトスキンだけで、航空機は後部の張りぼてと粗末な模型。東 部戦線シーンでは実写記録映像が多用されており、ドイツ軍も映ってはいるが、多くはカチューシャやソ連軍戦車T-34ばかりで、ソ連側の記録映像を使用し ているようだ。

 他作品の比べ、やや作戦の裏舞台を描いたようなタイプとなるが、ちょっと描き方が浅いことと、映画の方向性が見えてこないのが残念。真面目に見るにも、 娯楽として楽しむにも中途半端になってしまった感がある。

興奮度★★
沈痛度★★★

爽快度★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 1943年アフリカ戦線で負傷した片腕片眼のシュタウフェンベルグ中佐(後、大佐)がベルリンの駅に降り立つ。予備軍司令部に配属された中佐は、退役し たベック元上 級大将、ヘプナー上級大将、オルブリヒト大将らと、ヒトラー政権転覆の機会をうかがっていた。司令部に勤める女性クレーは、東部戦線に赴くリントナー大尉 の家を借りて、暗殺計画指令書の作成を手伝っていた。リントナー大尉はクレーがロンドン放送を聞いていることに激怒、国防軍の兵として勇敢に戦うことに意 義を感じ、前線に向かっていく。
 民間レジスタンスリーダーのキューファーは ユンケら男女とともにビラや落書き等で反ナチの活動を行い、ベックらの軍人達の「水曜会」に参加し協力関係を結ぶ。だが、ナチ党員ネッセルらの密告もあ り、ゲシュタポは次第に捜査網を狭めていく。水曜会では暗殺後の政権について君主制、社会民主主義、道徳宗教主義など各者の意見が割れる。だが、一刻も早 いヒトラー暗殺が重要だとして、その後はドホナニー氏が連合軍と和平工作をすることに。シュタウフェンベルグは暗殺、通信遮断、ワルキューレ発動の3段階 の計画を練る。デーブリッツ歩兵学校、ヴェンスドルフ戦車兵学校、ユーダーボック砲兵学校、クランプニッツ戦車教導団が重要拠点を確保し、守備大隊がSS やゲシュタポの武装解除をすることとした。

 東部戦線の中央軍集団では、ヒトラーが撤退 を認めず、第3大隊は軍曹1名、兵10名を残して全滅する。第2装甲師団の作戦も失敗し、3日で1万8000人が戦死する。中央軍集団主席参謀トレスコウ 大佐(後、少将)は、クルーゲ元帥にヒトラー暗殺計画を持ちかけるが拒否される。前線に赴いたリントナー大尉はユダヤ人大量虐殺の現場を目撃し、ヒトラー への忠誠を失う。トレスコウはリントナー大尉は仲間に引き入れ、シュタウフェンベルグのもとに送る。
 トレスコウ大佐は、ヒトラーが東部戦線の視 察に来た機会に、ヒトラーの乗る航空機に同乗するフランク大佐に爆薬を仕掛た酒瓶を預けるが、起動せず失敗する。なんとか酒瓶を回収する。
 ベルリンのゲシュタポはレジスタンスの フォーゲル牧師を逮捕。さらにキューファーのアジトに踏み込み逮捕し、ユンケは射殺されてしまう。ゲルデラー博士も追われ、この報を聞いたシュタウフェン ベルグは7月20日に狼の巣でヒトラー暗殺を計画する。ベックはシュタウフェンベルグが蜂起後も必要な人物だとして戻ることを前提に許可する。シュタウ フェンベルグは教会に寄り、狼の巣へ向かう。
 いよいよ、シュタウフェンベルグ大佐はヒト ラーの司令所「狼の巣」に潜入し、通信総監フェルギーベル大将と打合せ後に、カイテル元帥とともにヒトラーのもとに。机の下に爆弾を仕掛け、電話を掛ける と言ってその場から脱出。だが、鞄は脇にずらされて爆発するもヒトラーは軽傷だった。シュタウフェンベルグ大佐は死亡確認できないまま、検問所でミュラー 曹長に止められ、警備隊長に電話をするなどしてなんとか突破しベルリンに戻る。
 ベルリンではヒトラー死亡の情報確認が手間 取り、オルブリヒト大将はヴァルキューレ作戦発動できずにいた。空港からのシュタウフェンベルグ大佐の報告で、ようやくメルツ大佐によって発動。フロム上 級大将を自宅に軟禁し、主要拠点を確保。ヴィッツレーベン元帥も赴任する。パリではSSとゲシュタポが逮捕される。だが、ゲッベルス逮捕に向かった守備隊 長のレーマー少佐はヒトラーからの直接電話を聞いて寝返る。ヴィッツレーベン元帥は失望して帰宅。放送局も確保できず、国防省司令部のヒトラー派幹部は武器を持ってオルブリヒ トらに迫る。オルブリヒト大将はリントナー大尉とクレー嬢に名簿を託して建物から脱出させようとする。だが、銃撃戦が始まり、腕に銃弾を受けたシュタウ フェンベルグ大佐らが拘束される。リントナー大尉はクレー嬢の機転でなんとか脱出することができる。
 ベック上級大将は拳銃で自決。ヘプナーは収 容所に、オルブリヒト大将、メルツ大佐、「何とかという」大佐、中尉の4 人は即時裁判で銃殺刑とされた。4人は並べられて銃殺される。その光景を見たリントナー大尉らは建物を後にするのだった。東部戦線ではトレスコウ少将が自 決する。

(2004/10/27 2009/3/23加筆修正)