戦争映画の一方的評論
 
「フランキー・ブーチャンの続あゝ軍艦旗 女護ヶ島奮戦記」 評価★★ 漂流島での コメディ奮闘記
1957 日活 監督:春原政久
出演:フランキー堺、市原俊幸、小沢昭一、岡田真澄、清川虹子ほか  
88分 モノクロ

 梶野悳三昨で「講談倶楽部」に連載されていた作品を映画化した第2弾。第1弾の「あゝ軍艦旗」はコメ ディとはいえ、まだそんなに絵空事ではなかったが、第2弾の本作はほとんどあり得ない設定が満載で、完全な娯楽作品となっている。確かに面白いことは面白 いのだが、戦争を茶化しすぎている面もなきにしもあらず。前作で監視艇勤務となったフランキーとブーチャンが漂流した島でのドタバタ劇だが、二人に加えて お馴染みのとばっちり役上司の小沢昭一も登場。米軍パイロット役で若き岡田真澄、島の土人の女酋長役で清川虹子がメインキャストに。土人という表現そのも のが古さを感じさせるが、土人役のうら若き女性達が平然とトップレスで出演しているのも、また時代を感じさせる。登場する兵器類や背景描写などで戦争映画 としての「記録性」は皆無に等しい。

(以下ネタバレ注意)
 前作で監視艇「おけさ丸」に乗り込んだ門馬と間々田の海軍二等水兵だが、相変わらずのボケぶりで、爆雷を海ではなく自艇に投げ込んだり、向かってくる魚 雷を見過ごしたりして監視艇は撃沈されてしまう。船首部分だけが残り、門馬と間々田は漂流を始める。空腹に耐えかねていた頃、空中で友軍と米軍航空機が空 中戦を始める。米軍機が撃墜され、パイロットが船上に落下してくる。二人はパイロットジョー(岡田)を捕虜にするが、食料を恵んで貰った二人は逆に捕虜扱 いに甘んじる。
 そのうち、上空を日本軍機が飛行する。銛で撃墜を命じるジョーだが、銛は飛行艇に引っかかって3人はぶら下がって行き、飛行艇は島に墜落する。日本軍機 パイロットは例の酒巻兵長似の田村兵曹だった。4人は島を探索するが、田村兵曹を除く3人は島の土人に捕まってしまう。あやうく食べられてしまうところ で、ジョーは土人の娘に惚れられて命拾い、門馬と間々田は色狂の女酋長(清川)の夫となることでなんとか命拾い。この島には昔、源義経がやってきたという ことで、親日派だったのだ。その時、対立する土人キャッキャ族からの挑戦状が届く。二人は土人達の軍事顧問に就任し、海軍式の訓練を施す。
 相手側の土人は軍事顧問に田村兵曹を起用。戦いはジョーの入れ智恵もあり、門馬側の勝利に終わる。敗北側の軍事顧問田村兵曹は生け贄の丸焼きにされそう になる。二人とジョーはなんとかそれを助けてやる。代わりに二人が丸焼きにされそうになったところに、日本海軍陸戦隊が飛行場建設のために上陸してくる。 ほっと胸をなで下ろす二人だが、結局女酋長懐柔役として侍ることに。
 米兵ジョーは居場所がなくなってきたので、二人は田村兵曹の操縦する飛行機で密航し、米軍基地上空で降ろすことにした。なんとか、離陸したもののまた二 人の失態で米軍機と空中戦をするハメに。ジョーはなんとか落下したが、田村兵曹は負傷、代わりに門馬が操縦するがついに落下。3人は軍艦旗を掲げて再び漂 流を始めるのだった。

 とにかく、やりすぎってくらいにハチャメチャだ。清川虹子の迫力ぶりにも注目。迫力ボディに圧倒される。若き岡田真澄も注目だ。今の温厚そうな感じは薄 く、嫌味なアメリカ人といった匂いがプンプン。
 さて、当初乗り込んでいた監視艇だが、そもそもどういった性格か不明だが、見るからに捕鯨漁船で船首に思いっきり銛がついている。漁船を徴用した監視艇 という設定もあり得るだろうが、爆雷は積んでいるわ、漂流先が南国の島ということから外洋勤務ということにもなる。
 確かに、コメディとしては面白いが、もう少し戦争史実に則して作った方がより引き込まれる部分が強いのではないかと思った。

(2004/10/17)

興奮度★★
沈痛度★
爽快度★★★
感涙度★