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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「鮫と小魚 評価★★★★ リアルなUボートからの脱出 
HAIE UND KLEINE FISHE
1957 西ドイツ 監督:フランク・ウィスパー
出演:ハンスイェルク・フェルミー、ザビネ・ベトマンほか  

119分 モノクロ

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  ケングルーヴのDVD戦場ロマンシリーズ独編 第3弾に収録されている。題名からはジャンルを読みとりにくいが、ドイツ海軍の海戦及びUボートを題材にしたアクション・ヒューマンドラマだ。戦後西ドイツでベストセ ラーになったヴォルフガング・オットの長編小説「鮫と小魚」(訳桜井正寅 角川書店 昭33) の映画化である。監督はフランク・ウィスパーで「グストロフ号の悲劇」 「壮烈第六軍最後の戦線」の監督でも あり、登場人物の精神的描写が実にうまく、それを利用した場面の転換をテンポよく見せる名監督である。

 映画は、1940年、海軍兵学校を卒業したばかりの少尉候補生タイヒマン(フェルミー)を主人公に進む。強情で跳ねっ返り気質のタイヒマンを巡 る人間関係はうまくいかず、上官である艦長連中とはことごとく対立する。さらに、叶わぬ恋に溺れいらだちを募らせていく。こうして初めは血気盛んだった若 者は、次第にこの戦争や海軍では、自分がちっぽけな小魚でしかないことに気づいてい く。
 こうした主人公タイヒマンのいらつく心理描写から、人的消耗が75%にも達したUボート乗りの苦悩と無力感がひしひしと伝わってくる。

 また、映像的には潜水艦内部や航行シーンがなかなかリアルで ある。特に、海底に着底したUボートからの脱出シーンは見物だ。というのも、この映画制作には当時の海軍中佐が監修に当たったそうであり、いささかもいんちき臭い部 分がないのが素晴らしい。

 取り上げたテーマとしてはごく平凡な日常で、エンディングも淡泊で、さほど盛り上がりもないのだが、やはりこの監督は心理描写が得意なだけあっ て、最後まで画面に釘付けになった。登場人物一人一人が重すぎず、かといって無意味でなく、さらりとした会話や絡みで意味深いストーリーを形成しているあ た りは無駄がない。戦争映画としては戦闘シーンと、登場人物のヒューマンドラマのバランスが非常に良く、どちらもリアリティ豊かに感じる。戦争映画のお手本 とも言える作品の一つである。

興奮度★★★★
沈痛度★★★
爽快度★★
感涙度★★

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(以下ネタバレ注意 反転でご覧ください)

 1940年、海軍兵学校を卒業したばかりの少尉候補生タイヒマン(フェルミー)は、他の少尉候補生3人とともに最初 の勤務船、掃海艇アルバトロス号に乗るが、それはボロ船のうえに、先任士官のパウリ中尉はことあるごとに嫌がらせをしてくる。ただでさえ、跳ね返りのタイ ヒマンはたびたび問題を起こす。そんな中、部隊司令官ヴェーグナー中佐の妻に恋をするが、これはかなわぬ恋。そして、部隊はフランスへ移動するが、その途 中連合軍航空機の攻撃を受け、アルバトロス号は撃沈される。友人の一人は死に、タイヒマンも負傷するが海中で瀕死のヴェーグナー中佐を助ける。怪我の癒え たタイヒマンは、ヴェーグナー中佐の友人であるリュテケ中佐のUボートに配属される。しかし、リュテケ艦長はタイヒマンに冷たく当たり、毛嫌いする。その 一方でタイヒマンは怪我のため盲目となったヴェーグナー中佐の妻への愛を募らせていくが、どうにもならない。さらに、友人の一人が父親がユダヤ人として処 刑されたことを苦に自殺してしまう。思うように事が進まないうえ、自分の無力さにいらだちを覚えるタイヒマン。「俺達は鮫に食われる小魚だ」と。
 連合軍は最新式のレーダー探知機を導入し、次第にUボートは劣勢となっていく。そして、ついに撃沈されてしまう。水面下40mに着底したUボートから脱 出を図る艦長以下。。。

(2004/05/05, 2007/07/03微修正)