「突撃」 評価★★★★☆
仏軍上層部の腐敗と前線兵士の悲劇
1957 アメリカ 監督:スタンリー・キューブリック
出演:カーク・ダグラス、ラルフ・ミーカー、アドルフ・マンジュー ほか
86分 モノクロ
いやー結構重いんですね。この映画は。昔一度見たことがあったのだけど、再度見直してみました。
第一次世界大戦のフランス軍の話です。ドイツ軍の撃退を試みるフランス軍だが、激戦の中701部隊はドイツ軍の要衝を攻める無謀な命令を受ける。連隊
長?のダックス大佐は兵士の疲労と作戦の無謀さから抗議するが、軍上層部は命令を遂行させる。案の定、作戦は失敗し、前進はおろか大損害を被る。
この大敗の責任を軍上層部は命令にあるのではなく、兵隊の臆病さから来たものだとして、ダックス大佐以下を軍法会議に処する。その際に、3名の戦犯を下
級兵士の中からくじ引きで選ばせる。軍上層部は、戦意高揚(=みせしめ)のために、罪のない兵士を処刑しようと企んでいるのだ。ダックス大佐は、彼らの弁
護に回るが、彼の陳述は受け入れられない。
この映画は奇跡が起こったり、ハッピーエンドという訳にはいきません。どの時代の戦争にもいるあほな年寄り軍上層部やオフィスにいる参謀連中の腐敗を描
いたものです。映画の大部分は軍法会議と、処刑前の兵士の心情を描いています。悪質な誘導尋問には腹が立ちます。処刑前の兵士の「性欲も湧かない」などの
言葉には無念さが募ります。ずどーんと暗くなって下さい。まあ、最後にダックス大佐があほな将軍どもに一矢を報いるのがせめてもの慰めなのです。名作で
す。
(2003/07/28)
興奮度★★
沈痛度★★★★★
爽快度★★★
感涙度★★★
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