戦争映画の一方的評論
 
「フランキー・ブーチャンの殴り込み落下傘部隊」 評価★★ 今度は空挺部隊だ
1958 日活 監督:春原政久
出演:フランキー堺、市原俊幸、小沢昭一、中原早苗ほか  
79分 モノクロ

 梶野悳三昨で「講談倶楽部」に連載されていた作品を映画化した最終第3弾。第1弾の「あゝ軍艦旗」第2弾「続あゝ軍艦旗」 に続きコメ デ満載。今作は、門馬、間々田が落下傘兵となって大活躍?という設定だ。第2作目がかなりトンでたのでやや設定を大人しめにした感じ。
 第1作目を最初に見たときは、ちょっと戦争を馬鹿にしすぎかなという印象もあったのだが、段々とフランキー堺とブーチャンのおとぼけ演技がツボにはまっ てきた。門馬のボケと間々田のボケ。さらに、小沢昭一演じる坂巻兵曹のボケと3ボケが絶妙なバランスなのだ。次回作が製作されなかったのは残念。10作ぐ らいのシリーズものとしても十分いけたと思うのだが。

(以下ネタバレ注意)
 前回作で海上に不時着した門馬二水と間々田二水、坂巻兵曹の3人は日本海軍の艦船に拾われて無事帰国した。しかし、門馬と間々田は戦死扱いであり、いわ ば幽霊兵士。所属する部隊もなく、途方にくれた二人は行進する部隊についていき、基地に入り込んだ。
 隊の人事係は二人が生きていたことに驚くが、仕方なく炊事班に所属させる。しかし、トンカツの豚を捕まえるのに四苦八苦の二人はドブ掃除班に転属を申し 出る。
 ドブ掃除班は、前科者ばかりの荒くれ班。しかし、持ち前の機転とホラで前科者を言いくるめるのだった。だが、それも束の間、前科者たちは他へ転属。再び 彼らは取り残された。
 そこに、落下傘部隊の部隊長森田中尉がやってきて彼らを部隊に引き入れた。部隊にはなんと坂巻兵曹がいた。落下傘訓練は熾烈を極めるが、門馬と間々田は 失敗ばかり。司令官の公開訓練では降下に失敗し、間々田は高圧線で感電する羽目に。
 ついに、落下傘部隊に南方X島への出撃が命令される。門馬は森田中尉の妹の間々田は妻の写真を胸に出撃する。しかし、二人が降下したのは爆薬の仕掛けら れた石油タンクの上。何もしらない二人は、呆然としているが、そこに坂巻兵曹が身を挺して導火線をもみ消した。得てして石油タンク攻略は二人の手柄となる のであった。

(2004/12/16)

興奮度★★
沈痛度★
爽快度★★★★
感涙度★

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