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戦争映画の一方的評論
 
「女間諜暁の挑戦 評価★☆ 日・中の女スパイに愛された男
1959 新東宝  監督:土居通芳
出演者:天知茂、高倉みゆき、三原葉子
ほ か
75分 モノクロ 


 中国大陸を舞台としたスパイもので、二枚目スター天知茂と高倉みゆき、三原葉子の妖艶美女が出演。しかし、こういうタイプの映画をどのように呼んだらい いのか良くわからないのだが、いわゆる低予算B級アクション。この時代の日本映画には、こうした低予算で看板スターの知名度だけに頼った作品が多く輩出さ れており、本作も脚本、演出ともに涙が出るほどお粗末。ただ、看板スターの活躍を見たいだけの人にとっては、そんなことはどうでも良い事なのだろうから当 時としては十分だったのだろう。

 中国駐屯日本軍にテロ破壊工作を続ける重慶政府スパイ団の一味を探しだし、一網打尽にするという単純ストーリーながら、むらさき機関のスパイ岸井(天 知)をめぐる日中の女スパイの恋愛物語がメインテーマとなっている。美女二人にモテモテの天知茂がうらやましいのだが、口移しのキッスやら抱擁などなかな か際どいシーンも。今ならばR−15指定くらいかな(笑)。高倉みゆきはいわゆる当時の小顔スター系美女、三原葉子はぽっちゃり系の豊満美女といったとこ ろか。高倉や三原のチャイナドレスもセクシーだし、高倉の乗馬服姿もなかなか凛々しい。
 戦闘シーンもあることはあるが、稚拙なもので見るべき所はない。機関車、乗用車、バイクも登場し、高倉がバイクを駆るシーンもあるが、バック別写しがも ろバレ。ただ、会話の言葉遣いが丁寧できれいなのが時代を感じさせていい。高倉が天知を「キミ」なんて呼ぶのが実に初々しい感じ。こういう時代もあったの だと改めて実感させられる。

 製作の1959年といえば、戦後15年ほどを経過し、戦争の傷から癒え始め、戦後世代の台頭と新時代の幕開けの機運が高まっている頃である。また、日華 平和条約も締結され、日中国交正常化も視野に入りつつある頃でもある。本作のような中国を悪玉しているような、気を使っているような微妙な表現はそうした 時代背景を表しているのだろうか。特に夢も感動もないが、手っ取り早い即物的な娯楽を求める時代のうねりを感じるのだ。

興奮度★★
沈痛度★★
爽快度★
感涙度★
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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 日本陸軍の鈴木中尉は二年間のスパイ教育を経て、岸井隆という名前で中国大陸に派遣される。中国では駐留する日本軍に対し、重慶政府のスパイ団がテロ暗 殺活動を行い大きな被害が出ていた。岸井は王(ワン)大人(河石大佐)を機関長とするスパイ組織「むらさき機関」に配属され、女スパイの三津井雪(高倉) とともに重慶政府スパイの潜入捜査に乗り込む。岸井が相手にするのはスパイの重要人物と見られる京劇役者の美女林晃彩(リンコウサイ)(三原)で、雪は岸 井にくれぐれも色仕掛けに溺れないように注意を促す。
 岸井は中国文化を学ぶため京劇の弟子入りをしたいと、林晃彩に接近する。岸井が林晃彩に近づいたために憲兵隊にしょっぴかれて拷問を受けたことにより、 岸井と林晃彩の距離が一気に縮まる。完全には信用し切れていないにも関わらず林晃彩の心と体は岸井に傾いていく。一方、岸井もまた捜査のためとは言いなが ら体を重ねることにより、林晃彩をかばう気持ちがないでもない。それでも、一味の情報をむらさき機関に流すことによって数人を逮捕することが出来る。
 ところが、中核的な人物については決定的な情報を得られず、その間にも破壊工作は続き、高木作戦参謀が殺されて日本軍の作戦計画が変更を余儀なくされ る。軍幹部や機関長らは次第に岸井が二重スパイなのではないかと疑いを持ち始める。雪は岸井にほのかな恋心を持ち始めており、岸井をかばう。
 ついに、岸井は林晃彩ら重慶スパイの密会現場を突き止める。さらにスパイ団が北支軍最高司令官多田大将と関東軍総司令官の暗殺計画を練っていることを知 る。あとは出発の日時を知りたがっているのだ。岸井はすぐさま雪のもとに電話を入れ、憲兵隊は急襲部隊を送り込むが、岸井の落としたライターからスパイ活 動を見破られ、アジトはもぬけの殻で逆に時限爆弾で死者を出す。
 岸井は裏切り者のレッテルを貼られ、雪は機関長から岸井の殺害を命じられる。しかし、雪は岸井を信じており、逃げろと言う。岸井は逃げたら雪に被害が及 ぶことを知り、あえて林晃彩ら重慶スパイに多田大将の出発時間を教えることで、その場を襲撃して一網打尽にする作戦を計画する。
 重慶スパイのもとに情報を持って行った岸井は捕らえられ、一味は多田大将の襲撃に向かう。大将の乗った汽車が近づいてきた所に日本軍憲兵隊が到着。重慶 スパイと激しい銃撃戦となる。壊滅状態となった重慶スパイの幹部は岸井と林晃彩のいるアジトに戻る。林晃彩は岸井に本当に愛していたことを告白。岸井もま たそれを聞いて林晃彩を愛していた自分に気づく。重慶スパイの幹部は裏切った林晃彩を撃つ。そして岸井もまた撃たれる。助けにきた雪に岸井は「許してく れ。晃彩を愛していた」と告げ、雪は「恋してはいけないと言っていたのに・・・」と事切れた晃彩と岸井の手を握らせてあげ、涙を流す。
 多大な功績により勲章を授与された雪だが、岸井への思いを断ち切るためにむらさき機関を辞め、日本に帰国するのだった。「岸井さようなら」


(2006/11/11)

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