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戦争映画の一方的評論
 
アラモ」 評価★★★ アラモ砦の死闘。ジョン・ウェインの西部劇。
THE ALAMO
1960
アメリカ  監督:ジョン・ウェイン
出演:ジョン・ウェイン、リチャード・ウィドマーク、ローレンス・ハーヴェイほか
190分 カラー

 
 いわゆる西部劇に該当するが、メキシコ政府とテキサス独立派の戦いということで一応戦争映画の仲間入り。アラモの戦いとは1836年にテキサス州がメキ シコ領であった時代に、テキサス独立を掲げてメキシコ軍と「アラモ砦(教会)」に立て籠もって戦った史実である。アメリカ人にとっては、南北戦争と並んで 忘れられない愛国の戦争でもある。
 本作は、ジョン・ウェインの主演・監督・制作という一人舞台だが、映画会社からも断られてもなお「アラモ」を作りたかったというジョン・ウェインの熱意 あふれる力作である。テキサスの現地にアラモ砦を制作してまでの撮影であり、3ヶ月余りの撮影期間に2,000頭以上の馬と人員を集めた、当時としては超 大作の部類である。そのため、上映時間も3時間を超える作品となっており、やや冗長感は否めないが、十分に楽しめるだけの内容とはなっている。エピソード のほとんどは史実(一部伝説)に沿って作られているが、細かい設定や人物像は若干脚色もあるようだ。主人公となるデイビー・クロケット大佐、トラビス大 佐、ジム・ボウイ大佐の3人の死に方や、有名な「線引き」のシーンがないなど、ジョン・ウェインの作品への思い入れが良くわかる。
 本作を見て驚いたのは、決して内容がアメリカ愛国的に傾倒しているわけではないこと。確かに、アラモ砦の180人余りのアメリカ人たちは勇者ではある が、敵側であるサンタ・アナ大統領のメキシコ軍も勇敢で、義理・人情豊かなシーンがしばしば登場する。この辺りは見ていて気持ちがいい。ただし、史実的に は砦の生存者もサンタ・アナに処刑されているし、本当のところはどうであったかわからない。
 時代が時代なので、戦闘シーンはやや退屈。人馬が多数登場する攻防戦はそれなりに迫力はあるけれど、緩慢な槍兵や騎兵の動きは変。こうした戦闘シーンの 演技指導もジョン・ウェインだったというから、一人では手に負えなかったのだろう。ただ、逆にその稚拙さが60年代という時代を感じさせて、良い味を出し ているとも言えるが。
 デイビー・クロケット大佐はクロケット帽という獣のしっぽがついた帽子でも有名だが、下院議員も務めた豪傑をジョン・ウェインが演じている。年頃もちょ うど50歳程で適合していたようだが、個人的にはジョン・ウェインの演技は好きではない。西部劇にも合わないし、クロケットの印象とも違うような。一方、 生真面目なトラビス大佐役は美形のローレンス・ハーヴェイが演じており、いかにも軍人役がはまっている。ボウイ役のリチャード・ウィドマークはまさに西部 劇役者そのもの。こう見ると、3人の個性が良く表れているとはいえ、ちょっと全体のバランスには違和感を覚えた。ジョン・ウェインの映画だからジョン・ ウェインへの比率が高いのは仕方ないが、それならそれでクロケットの伝記にしてしまったほうが素直だったろう。
 とはいえ、全体には結構楽しんで見ることが出来た。ただ、日本の江戸時代のように、すでに我々現代人の感覚とはずれた時代の話であり、見る前にアラモ砦 の歴史について少し勉強しておくとよりいいと思う。
  

興奮度★★★
沈痛度★
★★★
爽快度★★★
感涙度★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意)
 1836年、テキサスはメキシコ領としてサンタ・アナ大統領の統治下にあった。しかし、アメリカ系住民の多いテキサ スでは独立運動が起こり、サンタ・アナ大統領のメキシコ軍との間で攻防戦が始まっていた。
 テキサス軍はヒューストン将軍のもと態勢を整えようとするが、大勢のメキシコ軍にはるかに劣っていた。そこで、ヒューストン将軍は、トラビス少佐を急遽 大佐に昇格させて廃教会を砦に仕立てた「アラモ砦」の守備につかせて、時間稼ぎを計画する。
 サンタ・アナの軍勢は数千名にもなるが、トラビスの隊はたった27名しかいなかった。元の隊長ジム・ボウイ大佐はボウイナイフの発明者で勇敢だが、くそ 真面目なトラビスとは馬があわなかった。そのボウイ大佐には義勇兵100名がついていた。トラビスはボウイにも助けて欲しいと素直に言えない。
 一方、サンアントニオの町にテネシー州からやってきたデイビー・クロケット大佐ら20名あまりのテネシー兵がいた。クロケットは素手で猛獣と格闘したり 下院議員を務めたりと伝説の男である。トラビスはクロケットの元を訪れ、共に独立戦争を戦うことを頼む。クロケットは巧みに部下の戦意を煽り、テネシー男 らは自らの意志でアラモ砦の守備に参加する。
 意見のあわないボウイ大佐も、クロケットが砦に入ると仕方なく砦に入る。こうして180名あまりの男達がアラモ砦の守備につく。
 メキシコ軍の大軍がついにやっきて、砦を包囲する。サンタ・アナは砦に降伏を呼びかけるが、トラビスは大砲を撃って拒絶する。メキシコ軍は射程の長い大 砲を保持していたため、ボウイは勝手に夜襲でこれを破壊する。しかし、この勝手な規律違反をトラビスは厳しく咎める。また、数日して、ボウイのもとに手紙 が届く。敵側と密通していると厳しく咎めるトラビスだったが、実は手紙がボウイの妻の病死を伝えるものだったと知り、次第に二人の間に和解の気持ちが芽生 え始める。
 さらに数日経ち、食料が腐り始め赤痢が発生し始める。そのため、ボウイやクロケットらは敵陣地の牛を夜闇に紛れて奪取する。
 籠城から10日がたち、いよいよメキシコ軍の総攻撃が始まろうとする。サンタ・アナは城内の婦女子ら非戦闘員の脱出を勧め、トラビスらはそれに従い婦女 子を城外に出す。しかし、トラビスの副官の大尉の妻子だけは城内に残った。

 メキシコ軍の攻撃は最初は正面だけであり、大損害を出して撤退する。だが、次は四面から攻めてくるのは間違いない。さらに、頼りにしていたファニン大佐 の援軍が来ない事が判明する。もはや、守備隊の全滅は時間の問題だ。トラビスはクロケットやボウイの城外脱出を認めるが、全員残る事を選択する。

 そして包囲から13日目。メキシコ軍の猛攻撃にト ラビス、クロケット、ボウイら全ての守備兵は戦死する。城内で唯一生き残った大尉の妻子が馬に乗って砦を後にする。帽子を脱いで見送るサンタ・アナ。そし て、アラモ砦の全滅を知ったヒューストン将軍は、決して彼らを忘れるなと部下を鼓舞するのだった。

(2006/05/31)

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