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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「太平洋戦争と姫ゆり部隊 評価★★ 悲壮な沖縄戦の全貌
1962 大蔵 監督:小森白
出演:南原宏治、嵐寛寿郎ほか  
150分 カラー 
太平洋戦争と姫ゆり部隊

太 平洋戦争と姫ゆり部隊

価 格:3,591円(税込、送料別)

 
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  第二次世界大戦時、沖縄決戦における女子学生の姫ゆり部隊を描いた戦記的ヒューマンドラマ。本作は、アメリカ軍による沖縄上陸作戦が始まる直前の陸軍内部 の様子から始まっている。戦史的には議論のあるところだが、沖縄が軍部によって見捨てられた結果、沖縄の女学生の悲劇が巻き起こされたといった雰囲気の流 れで製作されている。

 姫ゆり部隊とは、沖縄師範学校女子部と沖縄県立第一高等女学校の生徒で構成された いわゆる看護部隊で、主に戦傷者の外科病棟で働いていた女子らをさす。主に前線で働いていたため、敗戦が濃くなり部隊が解散させられたあとも、多くの女学 生 が米軍の毒ガスや火炎放射器等の犠牲となった悲劇である。

 正直言って、この映画はとても評価しにくい。史実では非常にたくさんの悲劇が起こったことだろうが、そのためかあれもこれも盛り込みたいといった感じ で、多岐にわたるエピソードが盛り込まれた複雑な映画となってしまっている。主役が明確に定まっておらず、陸軍施設中隊長と姫ゆり部隊の先生、その妹とそ の家 族など、複数のキーマンが乱立する状況となり、登場人物への感情移入がうつろいやすい結果を招いている。このため、映画的にはぶつ切りになっている印象は 否めず、ヒューマンドラマとしては機能していない。せっかく感動できるシーンも多々あるにもかかわらず、感動が薄っぺらになるのはもったいない。その中 で、小さな坊やが民間人の列に機銃掃射する米軍機に撃たれて死んだお母さんに取りすがる所だけは大いに泣けた。
 また、本作は沖縄決戦直前 から戦争終結までを描いてはいるが、戦史的な描写はあまり正確ではなく、場面や状況の設定が若干理解しにくい場面がある。ヒューマンドラマとしても感情移 入するにあたって、背景の理解は必要だし、ドキュメンタリー風に捉えた場合でも、戦史的描写の正確性でひっかかってくる。

 映像的にはカラーで戦闘シーンに割く割合がかなり高い。途中には上陸した米軍戦車隊と日本軍の戦いが延々と続き、この映画はバリバリの戦争映画だったか と疑うほどの力の入れようである。しかも、撮影のスケールがかなり大きく、丘陵全体を利用した爆破シーンや戦車や兵士の展開シーンはなかなかのスケールを 感じる。さらに、音響が良く、機関銃や小銃の乾いた音や着弾音がかなりリアルである。ただ、米軍の艦砲射撃シーンと航空機の襲撃シーンはおもちゃのようで 頂けない。艦船からの艦砲射撃は花火を仕掛けたようで、あっちこっちに火花が飛び散っている。
 登場する兵器は、米軍戦車がシャーマン似だが模造品か?。日本軍の野砲や機関銃はどうみても日本軍のものではない。また、日本兵や米兵の軍装がなんだか おかしいし、特に 米兵がほとんど装備をつけてなく銃だけもった丸腰なのはかなり違和感あり。ただ、米兵はエキストラ外国人を多数使用。
 戦闘シーンにはかなり力を入れているが、軍装や兵器類はお粗末と言った感じでもったいない。

 蛇足だが、本作で違和感を一つ感じた。本作では日本側ばかりでなく、米軍側の描写も頻繁に登場する。固有名も登場するし、米軍の会話も逐一字幕で描かれ る。もちろん両軍の描写は構わないのだが、本作の場合アメリカでの上映でも考えたのか?と思ってしまうほど、アメリカ人に配慮した雰囲気を感じた。

 全体的にちょっとダラダラしすぎた映画の印象だが、題材が題材なので見ておいても損はないだろう。


興奮度★★★
沈痛度★★★★
爽快度★
感涙度★★★
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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 沖縄戦が始まる前の陸軍内部の話から始ま る。牛島中将率いる沖縄守備軍と台湾守備軍の確執がある。日本大本営は米軍が台湾へ上陸するか、沖縄へ 上陸するかを決めかねていたのだ。結局、沖縄在の第9師団を台湾へ送ることとなり、いわゆる沖縄が見捨てられたという構図をクローズアップしている。やが て、米軍は沖縄へ攻め寄せるが、映画中では牛島司令官らの参謀本部、民間人徴用の施設中隊、姫ゆり部隊の女子学生を中心に語られていく。次々に倒れていく 兵士と、看護に走り回る姫ゆり部隊。ついに牛島中将は司令部を解散。自決する。姫ゆり部隊も崖に追いつめられ、服毒自殺で散っていくのであった。

(2004/07/20 2010/6/4一部修正)