オンラインDVDレンタル ぽすれん

 
作品の貸し出し中がないレンタルビデオ屋はコチラ!GEO

戦争映画の一方的評論
 
「地雷戰 評価★☆ 手作り地雷で日本軍を撃退する中国民兵
The Warlare of Landmine
1962
中国八一電影  監督:唐英奇
出演者:白大鈞 趙長瑞 呉健海 魯在蘊 董元夫 徐福昌 ほか
75分 モノクロ

 中国の国民的英雄を題材にした抗日映画の代表作。中国海陽市(作品では膠東の趙家莊)で実際にあったとされる国民的英雄の地雷ゲリラ戦である。日本軍の攻撃に対して兵器に劣る民兵(ゲリラ兵)が手作りの地雷を工夫し、改良しながら見事撃退するというものだ。海陽市には記念碑も残っていると言う。
 抗日映画の代表作というだけあって、さぞかし日本軍が残酷に悪者に描かれているのだろうと思ったが、期待(笑)以上のものではなかった。確かに日本兵は冷酷で愚かで醜く描かれてはいるが、本作を観る限り日本兵に憎悪や嫌悪を抱かせるほどの描かれ方ではなかった。むしろ、抗日映画とは、中国人民(民兵:土八路)と八路軍(正規軍)の賛美に尽きるものであり、日本の古き青春ドラマよりも、中学生日記のような道徳教育番組よりも遙かにベタで赤面するようなものであった。「模範」「英雄」そんな言葉が羅列されているかのようだった。
 従って、映画のストーリー的には無茶苦茶。とにかく、結果として中国人民が賢くて努力家で献身的で勇敢であるということをアピールすればいいので、地雷戦の戦術的なことも戦史的なこともどうでもいい状態。そういう場面を作るために、日本軍が馬鹿みたいに地雷を踏むために行軍してくる。
 その日本軍は見たところ陸軍中隊規模で中野中尉が指揮官。典型的な悪玉顔だがどうみても中国人。カーキ色の日本陸軍の兵装もちょっとおかしいのだが、それに混じって海軍陸戦隊のような紺色軍服の部隊が混じっている。何だろうと思ったが、どうやら日本軍に協力する中国人部隊という設定のようで国民党軍のような賊軍らしい。共産党としては中国国内にもこうした裏切り者がいるということを強調したかったのであろう。中野中尉役は日本語がそれなりにうまい。「とまれ」「こらー」「ゆけー」とはっきりわかる。ただ、撤退するときには一言「かえる」というのは何だかかわいい。部下を叱咤するときの「ばーかやろうだなあ」とか「しゃっげきー(射撃)」というのは笑った。
 中国民兵の主人公は男女の若者だが、両者とも京劇役者バリの迷?演技。話すときは右斜め上を向いて高らかに喋るし、怒ればすぐに口を尖らせて激しいトーンで演説風に。とにかく、激情的でどうもこうした大陸的な情緒というのには馴染めない。はっきり言って煩い女に、ヒステリックな男といった感じ。
 地雷戦には正規軍のほか老人、女子供までもが参加している。特に、女性や青年の活躍が華々しく描かれており、中国共産党権力下での女性躍進、青年洗脳の主目的が伺われる。しかし、日本軍が女子供を殺害したと良く非難されるが、本作を観ると女子供も平気で日本兵を殺害しているし、これが真実なら単に女子供を・・・・という批判論理もいかがなものかと思ってしまうのだが。
 本作でミリタリー的に興味深いのは、手作り地雷の様子。本作のメインテーマの一つでもあるのだが、不足する正式地雷の代わりに火薬から手作りしてしまうのだ。硝石、硫黄、木炭を混ぜて火薬を作り、種類も地雷の上に手榴弾を重ねた子母地雷(親子地雷)、ワイヤーで連続爆発するように仕掛けた連環地雷、爆発しやすいように釘の信管にした釘子地雷、岩が崩れ落ちるようにした砕石雷、地雷探知機で発見されないように竹釘にした地雷や除去できないほど敏感な髪毛を用いた頭髪糸雷など次々に開発していく。中国人民軍が唯一誇れるゲリラ戦法とともに、地雷戦、トンネル戦は本当に英雄的な所産なのだということがわかる。
 まあとにかく、史実をもとにしているとはいえ、とてもあり得ない展開の連続で疲れる。国策として作られた抗日映画とはこんなもんなのだろう。

興奮度★★
沈痛度★★

爽快度★
感涙度★

映画見るなら ⇒スカパー!初期費用無料
オンラインDVDレンタルなら『TSUTAYA DISCAS』!
古本市場】激安古本・CD・DVD・ゲームソフト販売買取
新刊書籍・雑誌・DVDジェイブック
新品DVD・家電
い〜でじ!! 


(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

  1942年、中国の趙家莊(Zhao)という村が隣の黄村(Huang)を占拠した日本軍から軍事的圧迫を受けていた。趙家莊は軍事的拠点となる場所であ り、日本軍の中野中隊長(中尉)率いる部隊が狙っていたのだ。
 村民は裏山に逃げ込んでいたが、そこに八路軍の雷主任(Director Lei)がやってきて、村に民兵組織を作り、自分の村は自分たちで守るという八路軍の指令を伝える。敵よりも人数が多ければ戦い、少なければ逃げて地雷を 埋めて待て。村の長老石大爺をはじめ、若者の趙虎(Zhachu)や石大爺の娘玉蘭(Yu Lan)らは徹底抗戦に沸く。
 行進してくる日本軍に対して、地雷と木製の旧式銃しかない民兵は地雷を埋めて抗戦する。初回の攻撃は見事日本軍を撃退する事が出来た。さらに、趙虎は勇 敢にも日本軍から鉄製銃を奪ってくる。武器がなければ敵から奪うのだ。趙虎は恋人の玉蘭に銃をあげるが、雷主任はそれを取り上げて言う。「独り占めは人民 のためにならない」。
 その後も、地雷攻撃で日本軍を撃退し、多くの銃を奪う事が出来た。しかし、地雷自体の数も乏しくなり困っていたところで、石大爺が地雷を作ろうと提案す る。硝石、硫黄、木炭を混ぜ合わせて、石や木製の容器に入れて地雷を自作する。「人の知恵は無限なのだ。」さらに工夫して、地雷の上に手榴弾を載せた「親 子地雷(子母地雷)」やワイヤーを連結して離れた場所のものを誘爆する「連環地雷」を開発する。
 日本軍が再び攻撃をかける。今度は二手に分かれ一隊は小隊長亀田少尉(Guitian)を隊長として小道を行き村を包囲し、もう一隊は中隊長中野中尉 (Zhongye)を隊 長として道路上を進軍する。道路上の日本軍は地雷を掘り出して除去するも、仕掛け地雷にはまんまとかかって撃退される。一方、小道を進む部隊には玉蘭ら3 名の女性しか対処しておらず、発砲しながら撤退を繰り返す。そのうち、正規の八路軍(16軍)が応援に駆けつけて日本軍は撃退される。中野中尉は「帰る」 とやむなく 撤退する。
 そこで、中野中尉は青島から地雷の専門家(中尉)を呼び、地雷探知機を用いる事とする。その甲斐あって日本軍部隊は村に侵入し、鶏、ロバを略奪のうえ火 を付けて女子供を殺して帰る(何故帰 るのかわからないが)。
 民兵はくじけずに工夫を重ね、磁石で探知されない偽物を上に置いた地雷や突起を小さく見つからないようにした釘子地雷を開発する。さらに趙虎は玉蘭の髪 の毛を抜いてそれを張り線として用いる敏感な頭髪糸雷を開発する。玉蘭はそのために長い髪の毛をばっさりと切る。
 日本軍は頭髪糸雷の仕掛けを見破る事が出来ずに撃退される。そこで、中国人の日本軍協力者が村に潜入して地雷を盗んでくるが秘密は解明されない。
 1944年の春となる。小麦の収穫期を迎え、日本軍は中国人協力者たちに収穫を命じる。一方、趙家莊の民兵らも小麦が必要であり、夜闇に乗じて日本軍の 小麦を収穫奪取してしまう。日本軍は怒って襲撃をかけ、一部の部隊が村の長老石大爺ら女子供を捕虜にしてしまう。中野中尉は地雷を除去しろ、小麦を2万5 千kg分けろと要求し、さもなくば地雷の道を村民を先頭にして進むと脅す。
 そこに、八路正規軍が村に配属される。雷主任らは急いで道の地雷を除去し、新たに村中に仕掛け地雷を仕掛けまくる。その一方で八路正規軍が黄村の攻撃に 向かう。日本軍は案の定村民を先頭にして地雷の道を進んでくる。しかし、除去された道で地雷は爆発しない。一瞬の隙を見て民兵は後続の日本軍を攻撃し、先 頭の村民らを助ける。そして黄村でも八路軍の攻撃が始まる。日本軍は総崩れで全滅し、中野中尉は気が触れて地雷で爆死する。
 

(2006/10/13)

DVD検索「地雷戦」を探す(楽天)  ←ないでしょう

買うならこちら 書虫 yesasia.com