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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「日 曜日には鼠を殺せ 評価★★ 元スペイン内戦ゲリラの顛末 
BEHOLD A PALE HORSE
1964 アメリカ 監督:フレッド・ジンネマン
出演: グレゴリー・ペック、アンソニー・クイン、オ マー・シャリフほか  
115分 モノクロ

 
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1939年に終結したスペイン内戦から約20年後を背景に、元共和国軍兵士でゲリラの男を巡るヒューマ ンドラマ。戦争映画コレクションとしてDVDが発売されているが、正確には戦争映画の範疇ではなく、ドロドロとした暗めの人情ドラマだ。
 主人公はスペイン内戦時には共和国軍の兵士で、敵(フランコ軍)の勝利の後にフランスに亡命し、その後もスペインに潜入しては政府機関や銀行を襲い続け たゲリラ首謀者という設定で、スペイン の共和体制派からは英雄視されている人物となっている。
 ちなみに、スペイン内戦はかなり複雑な内戦であり、ソヴィエトが支援する社会主義・人民戦線(共和国軍)とドイツが支援するフランコ将軍派(反乱軍)が 対立した戦争で、1937年から約3年間続いた。破れた共和国軍派は戦後にフランスに亡命した者も多く、主人公もその一人である。彼らはゲリラとして活動 を続け、いわゆる左派テロの母体が形成された契機とも言えるものである。なお、スペイン内戦を扱った作品としては「誰がために鐘は鳴る(1943)」、「大地と自由(1995)」などがある。
 邦題名はエメリック・プレスバーガーの原作小説「killing a mouse on sunday」に依ってるらしいが、意味は良くわからない。

 主演のグレゴリー・ペックは、元ゲリラ首謀者とはいえ、すでに戦意も意欲も喪失した主人公を演じる。それが故に、序盤からグレゴリー・ペックらしから ぬ、実にネガティブな暗い内容として進んでいく。宿敵の警察署長殺害を頼まれるが、まるでやる気がなく、反対に署長の罠にかけられていくのだ。モノクロ映 像の雰囲気も何やら陰湿さを増している。
 ストーリー自体は駆け引きや葛藤などそれなりの緊迫感を保って進み、サスペンス的には悪くない。だが、いかんせん暗いのだ。何にしても全てがネガティブ なのだ。とにかく苛つく。そういう設定なのだから仕方ないのだが、神父の言葉を信じずに手紙を破ってしまうお馬鹿な子供や、臆病風に吹かれた主人公 の行動は、見ていてとてもイライラする。登場人物も、設定もみんなネガティブなのだ(笑)。

 また、ネガティブストーリーの極めつけはラストシーンだろう。サスペンスやヒューマンドラマとしてきちんと起承転結を付けてくれればいいのだが、ネガ ティブついでに実に抽象的なエンディング。主人公はダラダラとした展開の末、ようやく臆病を克服?して、最後の戦いに挑むのだが、なんともあっけない終結 劇。母と並んで横たわるシーンが全てを物語っているのであろうが、全てが無情なのだ。執拗に主人公を逮捕しようとした警察署長ですら最後は無情感なのであ る。ストーリーでイライラさせられた挙げ句に、締めもそうくるか、という不完全燃焼感を強く感じた。
 まあ、ここまですればこういう作品が好きという人もいるのだろうが、私には如何せん耐えきれなかった(笑)。ラストの「お母さーん」という叫び声がこだ ましているような雰囲気も嫌いだ。

 本作には政治的、社会的な風刺は入っておらず、単純に人の欲望や弱さを感じる作りとなっている。重厚で骨太な作品であることには間違いないので、イライ ラしてみたい人にはお勧めだ(笑)。

興奮度★★
沈痛度★★★

爽快度★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意)

 1939年に終結したスペイン内戦から20 年後。ゲリラのリーダーだったマヌエル(ペック)はフランスに亡命し、静かに暮らしていた。そんな彼のもとに、かつての盟友の息子パコが訪ねてくる。マヌ エルを20年来敵対視するスペインの警察署長ヴィニョラス(クイン)に父が殺されたというのだ。ヴィニョラスは国外にいるマヌエルに手出しができない。子 供は復讐を頼むが、マ ヌエルは歳を取り、臆病になってしまっていて立ちあがる気がない。
 そんなときに、スペインにいるマヌエルの母 が重病にかかった。署長は「母が会いたがっている」という罠をかけておびき出そうと策略を練る。裏切り者の密輸商人カ ルロスの進言でスペインに行こうとするマヌエルに、母から「来るな」との伝言を受けたフランシスコ神父が伝えに来るが、なかなか信じようとしない。カルロ スは裏切り者で あることが判明すると逃亡してしまう。マヌエルと心が通じた神父は密告の罪で逮捕されることを覚悟で帰国する。神父を救うためもあり、マヌエルはついに、 罠とわかっていながら最後の戦いに挑むことを 決心し、ピレネー山脈を越えてスペインに帰る。
 カルロスらと銃撃戦の末、カルロスを殺すが マヌエルも命を落とす。ヴィニョラス署長は宿敵を倒して記者会見に挑むが、長い年月の末に死を覚悟して帰ってきたマヌエルの姿を見て、何か釈然としないも のを感じるのだった。フランシスコ神父は母の遺体と並ぶマヌエルの遺体を涙で見送るのだった。

(2004/06/16 2009/2/16修正)