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戦争映画の一方的評論
 
「ダンケルク 評価★★★ 異色の戦争映画 
WEEK-END A ZUYDCOOTE
1964 フランス・イタリア 監督:アンリ・ヴェルヌイユ
出演:ジャン・ポール・ベルモンド、フランソワ・ペリエほか  
123分 カラー


 1964年フランス・イタリア合作の戦争映画。1940年6月のドイツ軍の西進攻撃でフランス沿 岸のダンケルクに追いつめられた英仏連合軍を題材として いる。監督はアンリ・ヴェルヌイユ。ジャン・ポール・ベルモンド主演。
 ダンケルクの激戦を描いたものとはいえ、戦闘シーンとしてはドイツ軍の砲撃と空爆がメインで、ストーリーの中心は主人公のフランス兵(マーヤ軍曹)の人 間関係にまつわる事柄となっている。そういう意味で異色の戦争映画と言える。
 敗走を続ける連合軍だが、ダンケルクからイギリス本土へ帰国できるのはイギリス兵ばかり。フランス兵はなかなか乗船させてもらえない。軍曹は分隊の神父 や商売にいそしむ戦友らと海岸で待機を続け、なんとか乗船できた船も爆撃で沈没する。そのうち地元の少女と出会い親しくなった軍曹は脱出をあきらめ、少女 とこの地を離れようとするが。。。
 浜辺でドイツの爆撃にさらされ所在ないフランス兵達は、退廃的ではあるが、ユーモアが随所にあふれている。そして、ラブストーリーとまではいかない程度 の男女のからみがリアルさを生んでいる。思ったほどの緊迫感は伝わってこないが、むしろ厭世的なフランス兵の心情をうまく表現しているといえるだろう。決 して暗い映画ではないが、笑える映画でもない。古い映画の割には良くできているのはないだろうか。ジャン・ベルモンドの退廃的な演技も味があっていい。少 女役はとても美人です。
 映像で評価できるのは、フランス軍の全面協力を得ており、ドイツ軍戦闘機メッサーシュミットの飛行シーンや爆撃の砂飛沫がカメラを飲み込むシーンなどは 圧巻である。また、敗走のためダンケルクに密集した車両群なども極めてリアルに見える。
(2004/03/25)

興奮度★★★★
沈痛度★★★★
爽快度★★★★
感涙度★★


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