(以下 あらすじ ネタバレ注意)
1942年の日本。ドイツ海軍ミューラー大佐はドイツ大使館に呼ばれ、日本からフランスへ生ゴム
7,000トンを運ぶ貨物船インゴ号の船長を命じられる。しかも、船員の多くは前科者たちであり、ミューラーは憤慨するがウェンデル提督は、かつて酒に
よって魚雷を食ったという失態を盾に強要する。この航海は途中で連合軍の攻撃も予想され、万が一の時のために船内に爆薬をセットしていた。
ドイツから厭戦のためにインドへ逃げてきていたクレインは、英軍のスタッター大佐に会う。大佐はクレインにインゴ号へスパイとして乗り込み、生ゴムを奪
取する作戦に協力するよう強要する。断るクレインだったが、ドイツSSに所在を売ると脅迫され、やむなく引き受ける事に。
クレインはSSのカイル大佐を名乗ってインゴ号に乗り込む。厭戦家のミューラー船長とは端から折り合いが悪いが、ナチ党員の副官クルーゼとは懇意になる
ことができた。また、船員として乗り込んだ政治犯のロバら複数の反抗分子は途中で船から脱走する事を画策していた。クルーゼの信用を勝ち取ったクレインは
破壊分子の調査と銘打って、船内中の爆薬の在処を聞き出す事に成功する。
その爆薬装置を破壊してまわる矢先にインゴ号は連合軍の護衛船団に遭遇してしまう。英軍貨物船に偽装したインゴ号はうまく騙せたと思った矢先、クレイン
が汽笛を鳴らす。汽笛に気づいた英軍艦艇は停船を命じるが、その瞬間英軍艦艇は日本軍の潜水艦によって魚雷攻撃を受ける。英軍船団は退散し、インゴ号は難
を逃れる。その一連の行動を見ていた政治犯のロバはクレインに真意をただし、船の乗っ取り計画の協力をすることとなる。
その後、接触した日
本軍潜水艦にはドイツ軍ウェンデル提督が乗船しており、撃沈したアメリカ艦船の捕虜をインゴ号へ移送するために乗り込んでくる。ウェンデル提督はカイル
SS大佐の存在を疑いを抱く。のらりくらりと話術で逃れるクレインだったが、ドイツ本国への照会をかけることとなり、24時間後にはばれることが必至とな
る。
クレインとロバはアメリカ軍捕虜の協力を得ることを計画し、その説得役に捕虜と一緒に連れてこられたユダヤ人少女のエスターを取り込む。エスターは本国
で親兄弟を殺されたうえ、ドイツ兵のレイプを受けていた。船長のミューラーは親切に接するが、傷ついた心は癒えなかった。エスターは倉庫に閉じこめられて
いた米人捕虜を説得するが、捕虜達はエスターを犯してしまおうとして混乱する。エスターは自分の身を好きにしてもいいからクレインらに協力するようお願い
する。
ミューラー船長の息子が魚雷艇で功績をあげ
る。しかし、その撃沈したのが病院船だと知り、ミューラーは飲酒して暴れる。日頃からミューラーを気にくわなかったクルーゼは指揮権を取り上げてミュー
ラーを監禁する。さらに、ウェンデル提督からカイル大佐は偽物と知らせる。
一方、クレインらも反乱を発起する。しかし、多勢に無勢で間もなくドイツ船員側に鎮圧される。抵抗したエスターはクルーゼに額を撃ち抜かれる。それを見
たクレインは船の爆破装置を起動させて爆破することを決意する。迫り来る追っ手から逃げながら、爆破装置を復旧し、ついにスイッチを入れる。
爆破されたインゴ号は傾斜を初め、クルーゼは退船を命じる。船員らは次々に海に飛び込み、クルーゼも海に入るが救命ボートに近づけない。政治犯のロバが
おいでおいでしながら遠ざかっているのだ。ついにクルーゼは溺れて海中に没する。
インゴ号にはミューラー船長とクレインが残っていた。インゴ号は大きく開いた穴をラード油が封じて沈没を間逃れていた。連合軍に連絡をとって欲しいと頼
むクレインに、ミューラーはドイツに忠誠を示して断るが、信じるものがあってうらやましいと言うクレインの言葉に、ついに連合軍へ打電を始める。
(2006/06/13)
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