戦争映画の一方的評論
 
新兵隊やくざ」 評価★★ やくざ者兵卒とインテリ戦友活劇の第3弾
1966 大映 監督:田中徳三
出演者:勝新太郎、田村高廣、成田三樹夫、嵯峨三智子ほか
86分 モノクロ

 やくざ上がりの大宮一等兵とインテリの有田上等兵の織りなす、娯楽アクションシリーズの第3弾。2度目の脱走を試みた二人が再び 軍に戻され、さらに憲兵隊に目を付けられるといったアクシデント続出の巻である。前二作に比べると、軍批判というヒューマニズム的な要素はすっかり鳴りを 潜め、暴力アクション満載のシリーズに定着しつつある。
 今作はもはや軍隊的な要素はどうでもよく、軍隊に名を借りたやくざ・喧嘩ものである。軍に捕まっては殴られ、逃亡するというお決まりパターンがいささか 退屈な感じはあるが、今作からは鬼のような憲兵伍長役として成田三樹夫が登場し、新しい清涼剤の役割を果たしているのが救い。いかにも悪そうな男だ。
 既に書いたが、映画にシリアス感は既にないので、殴る蹴るの暴力シーン以外は、拳銃や手榴弾を発射させまくり、挙げ句の果てにはサイドカーでの暴走と、 もう無茶苦茶。公開当時としては斬新で楽しめたかも知れないが、今見るたいして格好良くもないし、シラケる。ただ、勝新が暴力的だということだけは良くわ かる(笑)。

興奮度★★
沈痛度★
爽快度★★★
感涙度★


(以下 あらすじ ネタバレ注意)

 トラックで軍を脱走した有田と大宮の二人は、ガス欠で広野を放浪する。さらに八路軍の襲撃を受け窮地に。そこに現れたのが日本軍の鬼頭中隊で、助けられ た二人は否応なく鬼頭中隊に吸収される。しかし、鬼頭中隊は余りに訓練が厳しく、大宮は嫌気が差して中隊内で大暴れする。さらに、三度目の脱走を試みて、 クーリーの集団に紛れ込んで天津へ到達する。
 天津で二人は野戦貨物廠の砂糖を強奪する事を思いつき、浪曲師に化けて潜入。さらにそこで豊後一等兵(藤岡)を抱き込んで砂糖強奪に成功する。儲けた金 で二人は女郎屋で乱痴気騒ぎをし、さらには賭場で有り金を全部まきあげられてしまう。
 二人は仕方なく、女郎屋の下働きを始めるが、次第に軍の幹部が女郎屋と結託して金儲けをしている事を知り、女郎を全部解放したあげくに逃亡し、さらには 「いろは」という女郎屋の経営まで始めた。
 しかし、前の女郎屋の主人は有田と大宮を追い、憲兵隊と結託して青柳憲兵伍長が「いろは」に押しかける。脅す青柳に対して、豊後一等兵は青柳憲兵伍長が 過去に女と兵を殺した事を暴露し、その晩、豊後は密かに殺されてしまう。
 豊後一等兵は青柳が殺したことが明白だが、確たる証拠もなく、有田は青柳に取引をもちかけられる。二人で一万円を払えと言う要求を拒否した二人は、憲兵 隊に捕らえられ厳しい拷問を受ける。憲兵隊長山本大尉は二人を抹殺することを命令する。
 その後、手錠をはずしに来た青柳憲兵伍長を逆襲し、二人は憲兵隊員に逆に制裁を加え、脱走を試みる。拳銃と手榴弾をぶっ放しながら有田と大宮はサイド カーを奪って逃走するのだった。

(2006/01/04)

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