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「将軍たちの夜」 評価★★★ ドイツ軍将軍の猟奇的殺人事 件
THE NIGHT OF THE GENERALS
1966 アメリカ 監督：アナトール・リトヴァク
出演：ピーター・オトゥール、オマー・シャルフほか
１４９分 カラー
ちょっと戦争物としては異質の部類の映画。ミリタリーを題材にしたサスペンスならほかにもいくつもあるが、この映画はただそれだけでなく、背景に戦史的 な部分も結構描かれているため、見ている方はちょっと混乱するかもしれない。というわけで、戦史的サスペンスとでも言っておきましょうか。
さて、話は1942年のポーランド・ワルシャワでの売春婦の猟奇殺人から始まる。目撃者から犯人はドイツ軍将軍とわかる。その夜アリバイのない将軍はタ ンツ将軍他２名。軍情報部のグラウ少佐は犯人追跡を始めるが、その矢先パリに飛ばされる。奇しくもまもなく３人の将軍がパリでの任務に集結する。そして、 またしてもパリで猟奇殺人が。グラウ中佐（昇進）はフランスレジスタンスのモラン警部とともに捜査を進め、一人の将軍の逮捕に踏み切るが逆に射殺されてし まう。それから２０数年後、国際警察となったモラン警部はハンブルグで再び起こった猟奇殺人の犯人として一人の元将軍を追求する・・・
とまあ、こう書くと一般的なサスペンスなのだが、この展開の背景にはあのヒトラー暗殺未遂事件が描かれているのだ。つまり、単に殺人事件の犯人探しだけ でなく、ヒトラー暗殺に動く将官グループの動きがからまり、かなり複雑なストーリー展開となっているのだ。グラウ中佐が射殺されるにしても、殺人事件の逮 捕から逃れるためではあるが、殺害の根拠は暗殺による反逆罪として捉えている。
息を飲むような展開やあっと驚くどんでん返しがあるわけでもないが、実によく練られたストーリーといえよう。タンツ将軍を演じるピーター・オトゥールの 精神病的な演技は見物。実に冷ややかな態度がサスペンスに彩りを添えている。「アラビアのロレンス」からは想像もできない。
(2004/04/04)
興奮度★★★
沈痛度★★★
爽快度★★
感涙度★
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