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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「あゝ同期の桜 評価★★★★ 名優勢揃い。純朴な名映画 だ。 
1967 東映 監督:中島貞夫
出演:鶴田浩二、高倉健、松方弘樹、千葉真一、夏八木 勲、村井国夫、蟹江敬三、佐久間良子、藤純子ほか  
108分 モノクロ 
 
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 第二次世界大戦時の大日本帝国海軍青年士官たちの特攻攻撃をテーマに描いたヒューマンドラマ。今では大俳優となった役者が勢揃いの豪華版映画だ。毎日新 聞社刊の海軍飛行予備学生十四期会編『あゝ同期の桜・帰らざる青春の手記』を原作として、四十 七編の遺稿から監督の中島貞夫らがシナリオを執筆したもの。
 全編を通して純粋で、木訥で、戦争の意義に疑問を持ちつつ男気に生きた青年士官たちを素直に描 いており、とにかく胸を打つシーンや台詞が続く。

 主人公らは昭和18年の学徒出陣で徴兵され、舞鶴海兵団に入隊する文系学生らである。第14期海軍飛行予備学生として厳しい訓練を経て、操縦、偵察など の部隊に配属されていくのだ。第14期と言えば、ちょうど戦争末期の特攻攻撃隊員として多くの戦死者を出した年代であり、3,323名のうち163名が特 攻死している(最も特攻死の多かったのは第13期学生の448名)。死ぬためだけに生きた若者たちなのである。
 彼らは文系学生だけあって、戦争の意義、敗戦の予感に敏感でもあり、お国のためという大義に疑問を抱きつつも、正義、勇気、そして友情のために爆弾を抱 いて行ったのだ。

 本作では、軍国主義的な学生、妻子居る学生、反戦的な学生など多様な学生が登場し、命を賭した運命に立ち向かっていく。決して格好良いものでもなく、彼 らが何を想い、何に苦しみ楽しんだのか、そうした様々なエピソードが盛り込まれている。
 理想家の白鳥学生は両親との訣別、天涯孤独の身の半沢学生は恋人との訣別、妻子居る南条学生は妻子との訣別、指揮官陣之内大尉は 友人との訣別。彼らは逃れられない運命の訣別に直面する。既に「死」んでいる特攻隊員たちに、もはや「生」はない。「生」への未練をいかに断ち切るか。そ して断ち切る意味は何なのか。全て涙なしには見る ことが出来ない。
 「戦争反対」「戦争の無意味さ」などは嫌と言うほどわかっている彼ら。それなのに時代の流れに逆らうことができなかった彼らの心中を、 現代の我々がどこまでくみ取ることができるだろうか。
 映画中、一人の逃亡兵が出るが、彼は後半で廃人同様として登場する。廃人化した彼を見て「我々はどの ようにしても、この道 から逃れられないのか」、白鳥の語る言葉が重い。何度も特攻から戻ってきてしまう南条の姿もつらい。
 映画の最後の最後に、ガツーンとやられた。特攻機が炎上しながらも突入する直前で映像がストップし、テロップが出る。「この瞬間彼等はまだ生きてい た」。今、我々は彼らの意志をどうのような形で引き継がなければならないのか。そう強く実感させられた。

 兵器類の映像としては、地上機は実寸大の模型?がそこそこのリアル感。飛行シーンや離陸シーンはミニチュア特撮で、航空戦シーンは米軍の実写フィ ルムがほとんどだと思われる。まあ、本編のほとんどが地上での会話なので、あまり映像の悪さは気にならない。ただ、「B−25の空襲」と言っているのに出 てくる映 像がB−29なのは笑った。ちなみに、彼等が搭乗しているのは九七式艦上攻撃機だと思われる(自信なし)。
 なお、バックに流れる唄「同期の桜」は松方弘樹によるものだ。

 今となってはベタな演技のベタな映画だが、学徒兵の生き様を純朴に、剛直に描いた佳作である事は間違いない。変な恣意的平和観もないし、作品から素直に 平和のありがたさを感じることができるのではないだろうか。 

興奮度★★★
沈痛度★★★★★

爽快度★
感涙度★★★★

 軍歌(1) 同期の桜軍歌(1) 同期の桜 (松方version)

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 時代は昭和18年。戦況が厳しくなり、全国 の文系大学生の学徒出陣が始まった。海軍舞鶴海兵団に二等兵として入団した学徒が主人公となる。理想を追う大 人しい白鳥(松方)、身よりのない半沢(千葉)、妻子のいる南条(夏八木)、軍国主義の強い不破(蟹江)、反戦的な由井(村井)らである。厳しい新兵 いじめにあいながらも彼らは第14期飛行専修予備学生として少尉に任官し、それぞれの訓練のため航空隊に分かれていく。白鳥、不破、南条は操縦として出水 へ。分隊長は剣持大尉(高倉)。偵察の半沢らは徳島へ。
 昭和20年になると戦局はいよいよ悪化。指 揮官に陣之内大尉(鶴田)が任官し、一四期学生らは一撃必殺の体当たり「特攻作戦」要員となる。別に訓練をし ていた偵察要員も合流し、特攻のためだけの訓練を重ねる。そのころ、飛行要員としては不適となった地上要員らは先に南方へ出陣し全滅したとの報が入る。そ して、いよいよ一四期学生の特攻が始まる。第一陣として出撃した南条は機の不調から戻ってくるが、基地司令や下士官らに卑怯者呼ばわりされる。さらに、陣 之内大尉を筆頭に白鳥らに加え、再度南条も特攻へ出撃していく。

 (2004/05/26 2009/2/3修正)