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戦争映画の一方的評論
 

兵隊やくざ 俺にまかせろ」 評価★★★ やくざ者兵卒とインテリ戦友活劇の第6弾
1967 大映 監督:田中徳三
出演者:勝新太郎、田村高廣、内田良平、渡辺文雄、渚まゆみほか
89分 モノクロ

 やくざ上がりの大宮一等兵とインテリの有田上等兵の織りなす、娯楽アクションシリーズの第6弾。田中徳三監督では4作目だが、本 作は珍しく戦闘アクションにかなりの時間が割かれている。前半には暴力アクションもあるが、たまにはこうしたタイプも面白い。
 本作では、新悪役として田沼参謀(渡辺)が登場し、軍内部の陰謀をつく。ヒロイン役は中国人娘秀蘭役で渚まゆみ。比較的登場人物が少なめな印象。
 舞台は日本軍の後方への転進作戦となっており、中国軍の攻撃を体を張って食い止める木崎部隊での活動である。田沼参謀の陰謀で囮にされた有田、大宮らの 大活躍が見物である。先にも書いたが、本作は珍しく戦闘シーンが多い。相変わらず、弾の当たらない有田、大宮だったり、なかなか近寄ってこない中国軍など 変なところもあるが、娯楽映画では当たり前。それよりも、トーチカに籠もっての銃撃戦は意外にもリアルなのだ。爆薬使用量もこれまでの5作とは桁違いに違 うと思われ、戦闘シーンに力が入っていることは間違いない。登場する兵器は小銃と軽機関銃しかないけれど、それでも十分満足。ただ、有田と大宮が敵に囲ま れたトーチカからどうやって脱出したかは謎。
 今作の大宮はなんだかとってもスケベ。前作までに比べてもムラムラしすぎで、中国人の若い娘ともエッチしてしまうのはいかがなものか。でぶっちょのおじ さんと若き娘の組み合わせは、今なら青少年育成上問題になりそうだ(笑)。しかも、体を許すほど親密な関係でもないし、恩を返すのに体でというのも今では ちょっと・・・。


兵隊やくざ新装版
兵隊やくざ(続)新装版

興奮度★★★★
沈痛度★★
爽快度★★★
感涙度★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意)

 昭和20年の北満。中国軍の襲撃から命からがら生き延びた有田と大宮は、救援に来た木崎部隊に収容される。木崎部隊は第102独立守備隊の一つで、勇猛 果敢な部隊として感状を2度も受けていた。従って、部隊内には猛者が多く、大宮は案の定目を付けられて喧嘩に発展する。しかし、東京浅草のやくざテツ、大 阪料理人のセンタロウ、九州若松のテツゴロウらが束になっても大宮には勝てなかった。すっかり舞い上がった大宮は、酒や料理をたらふくせしめるのだった。
 木崎部隊の参謀に田沼参謀(大尉)がいた。実は、有田の同級生であったが、出世のためには恋人すら捨てる冷徹な男だった。大宮は対立していた上官(小隊 長岩兼曹長)との私闘を咎められて懲罰房に入れられてしまい、有田は昔のよしみで田沼に恩赦を申し出るが田沼参謀は聞き入れない。有田がかつての恋人が自 殺した事で脅すが、頑として聞き入れない。
 そんな時に、部隊の転進経路である孟家屯に中国軍敵襲の報が入り、田沼参謀は私設諜報員張の情報をもとに、2個分隊を孟家屯へ派遣する事を決める。たっ た2個分隊で敵を防ぐ事は自殺行為に等しかったが、田沼と折り合いの悪かった岩兼曹長が隊長となった。さらに、隊員には有田と大宮も加えられた。孟家屯に はまだ慰安婦がおり、大宮と懇意だった音丸の妹分とも再会する。
 パトロールで分隊は中国軍の敵襲を受ける。大宮の活躍で撃退し、小屋の中に負傷した中国人少女を発見する。大宮と有田は少女を本隊に連れていく任務を言 い渡され、トラックで護送する。途中で弾が入ったままの少女から弾を取り除いて介抱してやるが、その後中国ゲリラの襲撃を受け、有田は放り出され、大宮は 連行されてしまう。
 大宮は中国人少女秀蘭の世話を受けるうちに、彼女が諜報員張の妹である事を知る。張はスパイだったのだ。殺される運命と諦めた大宮だったが、秀蘭は手当 てして貰った恩義で大宮に体を許し、手紙を残して去る。手紙には孟家屯へは行くなと書いてあった。ゲリラの総攻撃があるのだ。
 逃げ出した大宮は、中国人ゲリラに捕まって逆さづりにされていた有田を発見。二人は孟家屯の岩兼曹長の元へ行くことにした。案の定、孟家屯はゲリラの猛 攻撃にさらされ、岩兼曹長らはトーチカに陣取って奮戦するも、次々と戦死者を出していた。味方の本隊が全くやってこないのを訝しがった曹長は何度も本隊に 連絡を取るがなしのつぶて。ついに、景徳鎮の無線を傍受し、転進集結地が景徳鎮であることを知る。田沼参謀は敵の攻撃を孟家屯に集中させるために、岩兼曹 長らを囮に使ったのだ。
 有田と大宮は背後からゲリラに攻撃を加えながら、トーチカに辿り着く。そこには、死に際の曹長が横たわり田沼参謀の策略を聞かされる。憤懣やるせない大 宮と有田であった。トラックでトーチカから脱出した二人は、転進する田沼参謀の乗用車を発見。大宮は田沼を半殺しにして去っていくのであった。

(2006/01/23)

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