「ジョン・レノンの僕の戦争」 評価★ あなたなら笑えますか?
HOW I WON THE WAR
1967 イギリス 監督:リチャード・レスター
出演:ジョン・レノン、マイケル・クロフォードほか
109分 カラー
ある戦争映画評論では、絶賛されていたこの映画。ジョン・レノンが出てくる反戦ブラック・コメディだとかで、かなり笑えるとあったので、見てみました
よ。監督のレスターはキューブリックの「突撃」という映画に反抗してこれを作ったとかで、その役柄にはジョン・レノンが必要ということで出演を頼んだと
か。「突撃」のほうは、無能な上官に反抗する兵士の男気と無情を訴えた硬派ものなのだが、こちらは戦争のそもそも的な無意味さを訴えるものなのだろうか。
ジョン・レノンは主役ではない。主役はマイケル・クロフォードの演じる小隊長(中尉)。時は1943年北アフリカ戦線。中尉率いる小隊は敵陣にある砂漠
のオアシスに慰安のためのクリケット場を作るというおばかな命令を受ける。中尉はちょっとお間抜けな役柄で、軍規ばりばりの軍曹らに嫌われている。ジョン
は一兵卒で軟弱なヘラヘラ役。そのほか、仮病を使うのもの、気が狂った者など様々な性格のものがいる。それぞれが、それなりの場面で役割を演じ、ユーモア
(笑うところ)があるのだが、それぞれの因果関係が良くわからないし、転換が早すぎてついていけない。ユーモアの裏にあるブラックさや風刺がすごく詰まっ
ているのだろうけど、私にはわからなかった。その上、この物語は、中尉の回想記的な構成になっていて、いつの間にかドイツ軍の捕虜になっていたりして、ど
こがリアルタイムで、どこが回想なのかがよくわからなくなってくる。モノクロの映像を多用して(一部は実写も)おり、それが回想だったりするのだろうけ
ど、必ずしもそうでもないようだ。
結局、最後までどこで笑えばいいのか、何が笑えるのかわからないまま終わった。私がおばかで理解できないのか。ものすごーく深いところに笑いがあるの
か。多分、個人個人の性格に意味があって、最後には多くが戦死するのだが、個人の性格なんてばかな戦争には関係なんだよーんということを言っているのかな
あなんて思ってみたりして。
もしかもすると、役者にもっと思い入れを入れなければ理解できないのかも。クロフォードや、ジョンの日頃の性格や人柄を知っていてこれを見ると理解できる
のかもしれない。ジョンがこんなことやってるー、クロフォードらしいや、なんてところで笑うのかもしれませんな。
ということで、是非見てみて下さい。あなたなら笑えるでしょうか。
(2004/04/26)
興奮度★
沈痛度★★
爽快度★
感涙度★
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