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戦争映画の一方的評論
 
兵隊やくざ 強奪」 評価★★☆ やくざ者兵卒とインテリ戦友活劇の第8弾
1968 大映 監督:田中徳三
出演者:勝新太郎、田村高廣、佐藤友美、夏八木勲ほか
80分 モノクロ

 やくざ上がりの大宮一等兵とインテリの有田上等兵の織りなす、娯楽アクションシリーズの第8弾。田中徳三監督の6作目となるが、 事実上このシリーズの終わりとなる。
 舞台は終戦後の満州となっており、各地で満人(中国人)武装蜂起が起こり、日本の軍人のみならず民間人までが掠奪等の被害に遭っている状況である。そん な中、有田上等兵と大宮一等兵が一部の元日本軍人が盗んだ10万ドルを巡って様々な騒動に巻き込まれていくこととなる。ただ、これまでのシリーズに比し て、中国軍(人民解放軍)の描写が増え、掠奪等の描写もあるのだが、なんとなく中国に気を使ったようなシーンも多い。大宮は生きて内地に帰りたい一心と、 女と酒に惹かれる単にやんちゃな存在であったが、本作では妙に義侠心がクローズアップされ、中国軍に味方するなど、いつから正義漢になったのかと違和感が 残る。
 本作のマドンナ役は解放軍スパイの楊秋蘭として佐藤友美が妖しい魅力を見せている。また、謎の男役として夏八木薫。しかし、なんといっても目玉は赤ちゃ ん役だろう。散切り頭の坊やがなんともかわいらしい。鳴き声、仕草ともに劇中を和ませてくれること請け合い。大宮がすっかりメロメロになるのも頷ける。た だ、時代の背景として解放軍や中国ゲリラに殺された邦人やこうした赤ん坊が大勢いたことを思うと、いたたまれない心境になる。日本軍が悪いとか、中国人が 残虐だとかいう事を言ってももはや意味はなく、究極の状況におかれた場合、人としてどのような行動を取るべきかということを考えさせられる。
 シリーズの最後としてはやや爽快感に欠けるきらいはあるが、全8作を通してみれば大宮と有田の取ってきた脱走兵という逸脱した行為も、暴力と性欲だけに 生きてきた大宮の特異性もなんだか意味のあるもののように思えてくるのが不思議だ。監督も替わるし、描かれた舞台も完全な連続性があるわけでもないが、全 作をとおして見ることをお勧めする。全作として評価するならば★4つにしてもいいだろう。
兵隊やくざ新装版
兵隊やくざ(続)新装版

興奮度★★★
沈痛度★★
爽快度★★
感涙度★★★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意)

 昭和20年8月15日に終戦し、満州はソ連軍に占領され日本兵の大半は捕虜となった。また、満人が各地で武装蜂起し、日本の民間人から掠奪の限りをつく していた。
 有田と大宮は日本を目指して徒歩で移動していたが、途中で杭に縛り付けられていた日本兵を見つける。生きていた5名を助けてやりさらに行くと、そこには 未だ教練を続ける日本軍加藤部隊がいた。戦う意志のない有田と大宮は中隊長の怒りに触れ、監禁されてしまう。監禁中に助けてやった5人組が盗みにやってく るが、彼らは大宮らを見捨てて去ってしまう。大宮と有田は自力で縄をほどき、脱走を図るがその際にスパイとして銃殺されようとしていた女、楊秋蘭を助けて やる。
 秋欄は二人が介抱してやっている隙に逃亡してしまうが、その場で大宮は泣いている赤ん坊を見つける。足手まといになると反対する有田を説得して、大宮は 赤ん坊を連れて行く事にする。
 大宮が赤ん坊の乳を得るために山羊を盗みに行っている間に、有田は解放軍に捕まってしまう。解放軍は盗まれた解放軍の軍資金10万ドルの在処を有田に聞 くが、有田はそんあものは知らない。有田はなんとか隙を見て脱走することに成功する。
 大宮は赤ん坊を抱いて歩いていくと、例の5人組に出会う。すでに二人が戦死していたが彼らこそ10万ドルを盗んだ張本人だった。しかし、特務機関の松川 大尉の謀略で10万ドルを奪われ、さらに松川大尉は加藤部隊を全滅させ、10万ドルを独り占めして逃げていたのだった。大宮は3人をボコボコに殴りつけた うえ、所持品を奪い取る。
 さらに行くと、大宮は怪しい中国人に話しかけられ、赤ん坊のミルクをくれる約束で用心棒として雇われる事になる。さらに、ボスの命令で賭博場の中国人を 追い出すが、逆に3人組に捕まってしまう。3人は解放軍兵士であり、大宮から10万ドルの在処を聞き出そうとする。実はボスが10万ドルを隠し持っている 松川だったのだ。しかし、場所を知らない大宮は処刑されることとなるが、処刑の直前にあの楊秋欄が助けてくれる。秋欄は解放軍の班長だった。秋欄から10 万ドルがないと在留邦人の帰国許可が出ないと聞き、大宮は松川から10万ドルを奪い返す事を約束する。
 松川は身内を皆殺害し、10万ドルの隠し場所へ行くが、忍んでいた大宮と決闘となりついに大宮は10万ドルを奪う事に成功する。そのおかげで邦人の帰国 が許されるのだった。
 有田を心配した大宮は残留したが、そこに足を引きづった有田が現れる。赤ん坊とともに3人は徒歩で日本を目指すのだった。


(2006/02/03)

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