戦争映画の一方的評論
 
「ヨーロッパの解放 評価★★★★ 大戦車映画だこれわ 
ОСВОВОЖЛЕНИЕ
OSVOBODZHDENIE: OGNENNAS DUGA
PRORYV

1970-1971 ソ連 監督:ユーリ・オーゼロフ
 カラー
第1部 クルスク大戦車戦・第2部 ドニエプル渡河大作戦(1970) 185分
第3部 大包囲撃滅作戦 (1971) 130分
第4部 ベルリンの戦い・第5部 最後の突撃 (1971) 160分

 昨年に買ったIVCの映画DVDヨーロッパの解放をようやく見終わった。1970年ソ連製作の映画で、1943年のクル ス ク大戦車戦から1945年のベル リン陥落までをソ連側の視点で描いた、ソ連「芸術記録映画」の集大成。DVD4枚にわたり、5話オムニバス調で8時間あまりの大作品となっている。脚本は ジューコフ元帥の回顧 録とロコソフスキー元帥の手記をもとに書かれている。
 とにかくソ連の国家威信の鼓舞映画だけ合って、共産主義的に淡々と各作戦を描いており、時折ヒューマンドラマ的な映像も織り込まれるが、ストーリーを追 うような物ではない。とにかく、当時のソ連軍兵士と兵器を総動員して製作した、さすが共産主義政権下の物量がすごい。画面一杯に戦車、戦車、人、人。そし て上空からの鳥瞰映像。これほどスケールの大きい映画はほかにはないでしょう。もちろんCG合成なんてない実写の迫力を味わえる。
 ソ連映画だけに悲壮感とスターリン賛美的な風潮は拭えないが、(この時期にはすでにスターリン批判がされているにも関わらず)嫌味なほど過度なものでは ない。とはいえ、歴史を知らぬ者が見れば史実を誤解して理解する可能性は大だが。また、驚くことにドイツ軍やイタリア軍、イギリス内部まで歴史的に描いて おり(内容が正しいかどうかは別だが)、ヒトラー似、チャーチル似、ルーズベルト似の俳優まで用意しているのが面白い。ソ連がどのようにヨーロッパ諸国 を見ていたかがよくわかる貴重な資料でもある。

 一応、ストーリーというか設定があって、ソ連軍砲兵大尉が主人公で、彼にまつわるシーンを中心に作られており、恋人?の看護兵も登場するが、ほとんど 内容的には無意味な状態。彼らの行動により、進撃の時期や位置(場所)が特定できるのである意味便利なのだが、全体に記録映画的なノリで見た方がい い。
第1部 クルスク大戦車戦
 1943年2月、スターリングラードの戦いで兵力を疲弊していたソ連軍だが、全戦力を用いてクルスクでの戦車戦に突入する。
第2部 ドニエプル渡河大作戦

第3部 大包囲撃滅作戦 

第4部 ベルリンの戦い
 

第5部 最後の突撃

 ベルリン市街に攻め入るソ連軍。ドイツ兵に投降を呼びかけるも、SS親衛隊は最後の徹底抗戦を続ける。しかし、一部の高級将校は密かに脱出を試み、ヒト ラーは愛人とともに自殺を遂げるのだった。あのソ連軍砲兵中尉は名誉の戦死を遂げる。

 さて、登場する兵器類だが、詳しいことはわからないが(無知なので)、ほとんどがソ連製戦車を用いていると思われ、ソ連軍はT34/85戦車やSU- 100駆逐戦車、JS-3戦車?あたりが登場する。ドイツ軍はティーガー戦車100台とフェルディナンド自走砲50台がモスフイルムの注文でソ連の工場 で生産され、ドイツの戦闘機メッサーシュミット45機はソ連の旧戦闘機LAK(ラーク)を改造して製作されたということだ(プロダクションノートよ り)。とにかく、無数の戦車が縦走するシーンや塹壕を飛び越えたり、はたまた砲撃で破壊されるシーンはすさまじいものがある。
 バックミュージックには、独特の音楽が流れ段々とロシア人になったような気がしてくるのも不思議だ。個人的には上空からの戦車群の鳥瞰シーンが好き。

 まあ、恐るべき超大作ソ連映画とでも言っておきましょうか。
(2004/03/23 、2004/09/27加筆)

興奮度★★★★
沈痛度★★★★★
爽快度★★
感涙度★★★★

 DVD
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