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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「ひまわり 評価★★★★ 戦争に引き裂かれた男女の 愛 
SUNFLOWER
1970 イタリア 監督:ヴィットリオ・デ・シーカ
出演:ソフィア・ローレン、マルチェロ・マストロヤン ニ、リュドミラ・サベリーエワほか  
107分 カラー 
 
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 第二次世界大戦時のイタリアを舞台に、戦争に引き裂かれたイタリア人男女を描いたラブロマンス。”全女性の感動を呼ぶ「愛」の名作”がキャッチコピーだ けあって、オープニングとエンディ ング映像に用いられるひまわりの叙情的な映像と、音楽を担当したヘンリー・マンシーニのもの悲しいメロディはメロドラマそのものである。イタリアの巨匠 ヴィットリオ監督にとっても代表作と言えるのではないだろうか。

 舞台はイタリアだが、ご存じの通りイタリアはドイツと同盟を結んでおり、1941年の対ギリシャ戦を皮切りに東欧方面の戦闘を拡大していく。1942年 6月から1943年2月には、対ソヴィエト戦であるスターリングラード攻防戦にもドイツ軍の一部として駆り出され、10万人近い兵が送り込まれ、戦死 25,000人、捕虜 70,000人という悲惨な結果を出している。本作主人公の夫役はロシア戦線に参加し戻ってこなかったという設定だが、このスターリングラードの戦いで捕 虜になったという想定ではないかと思われる。すでにこの頃のイタリア軍には厭戦ムードも漂っており、イタリア軍の様子については「激 動ヨーロッパ戦線〜ファシスト党 ムッソリーニの野望〜(2002伊)」を見ると良く分かる。

 ストーリー的にはさほどひねってあるわけではなく、比較的単純な部類なのだが、イタリア人気質である「情熱的な愛」に終始圧倒されまくる。内容的にはか なり沈痛な場面や設定が多いのだが、この情熱や愛情が問答無用にそれを押し切っているのだ。一途な愛、信じる愛など色々な愛がこの作品中には散りばめられ ており、確かに全女性の感動を呼ぶというのもあながち大げさではないだろう。
 ただし、実はこの情熱的な表現は、日本人である私には「引いて」しまう要因でもあった。イタリア人の愛情表現に感動できてもちょっと強烈すぎるのだ。も う少し主人公のジョバンナに感情移入できれば、もう一つ高評価になったのだが。

 本作の素晴らしさは何と言っても、個性的な役者と美しい映像にある。主人公ジョバンナ役には、イタリアのグラマー女優ソフィア・ローレンで、きつ い顔の激しそうな性格が魅力だ。夫アントニオ役には、美形だがやさ男っぽいマルチェロ・マストロヤンニ。この二人の演技の勢いは凄い。また、脇役としてソ ヴィエトのロリー タ系美女サベリーエワが出演しており、花を添えている。彼女は映画中の歩き方ですぐにバレリーナだとわかる。また、ジョバンナの子供が登場するが、実はこ の子、ソフィア・ローレンの実子だとか。でも、これ がまた最高にブサイク(笑)。

 映画の構成としては、回想シーンを多用しており、情緒的なニュアンスを強く醸し出している。何と言っても凄いのは、東西冷戦期の時代(1970)に、ソ 連ロケを敢行して いるところ。映像中、モスクワや赤の広場、機関車等が出てくるが、ただそれだけのためにロケに行ったという、その意気込みは映像に十分反映されている。
 冒頭のひまわり 畑は、かつてのイタリア軍とソ連軍の激戦地の跡だ。そういう説明はないが、そんなことを分からなくても、なんだか雰囲気を感じるのは凄いことである。
 なお、モスクワの映 像で建物に「CCCP」の文字があったり、古い型の原子力発電所、高島平団地っぽい当時としては最新式アパートの映像がなんともリアルだった。そう言えば ロケ地にはウクライナもあったけど、原発の姿はチェルノブイリにも似てる・・・。

 結構重めの映画なのだが、重厚な作りできれいにランディングした印象の映画。やっぱり名作は名作だと感じた作品だった。

興奮度★★★
沈痛度★★★★★

爽快度★
感涙度★★★☆☆(人によるかも)

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

  ナポリの貧しい女性ジョバンナ(ソフィア・ローレン)はイタリア北部出身の電気技師アントニオと出会い、結婚をする。熱く愛し合う二人。しかし、その甘い 生活もつかの間 、わずか14日間で夫アントニオは徴兵されることに。精神病を装って徴兵逃れを試みるも失敗、ついにロシア戦線へと送られてしまう。極寒の中で行われた対 ソヴィエト戦線でアントニオは瀕死となるが、そこでソヴィエトの少女マーシャに助けられる。
 戦後、夫は復員しない。死んだとの情報もあ るが、ジョバンナは夫の生存を信じてソ連モスクワへ捜索に赴く。苦労の末、そこで 見たものは、若いソ連女性と結婚し子どもまでいる夫の姿であった。失意のもとイタリアへ戻るジョバンナ。
 やがて、夫がイタリアへ訪ねてくるが、その ころに はジョバンナにも子どもがおり、二人の間にはすれ違いが。アントニオはモスクワに向かって帰っていく。
 
(2004/05/26)