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戦争映画の一方的評論
 
「激動の昭和史 沖縄決戦 評価★★★☆ ボリュームたっぷりの沖縄決戦の真実 
1971 東宝 監督:岡本喜八
出演:小林圭樹、丹波哲郎、仲代達矢ほか  
149分 カラー

 東宝8・15シリーズとして制作された戦記映画。149分の超大作であり、当時の俳優が勢揃いした力作でもある。冒頭に「本作は史実をもとに構成された フィクションである」とテロップが出るが、いやはや謙遜である。確かに、エピソードの細部や会話については想像を脱しないのだろうが、全体の流れについて は限りなく史実に忠実に構成されているし、不明な点のオーバーな脚色もない。また、エピソードについては随時、その根拠を映画中で明示するなど戦記史実に 対して実に真摯な作り込みであることに感銘する。ただし、沖縄戦突入前夜から沖縄玉砕までを描いた物であり、映画は長い。途中に休憩暗転あり。

 (以下ネタバレ注意)
 第二次世界大戦の末期、昭和19年、米軍の反撃によりいよいよ本土決戦も絵空事ではなくなってくる。大本営は米軍の進撃が沖縄か、台湾かの判断を迫られ ており、沖縄には陸軍第32軍を送り込み防衛を図る。第32軍司令官は当初渡辺中将だが、間もなく牛島中将(小林)が任官する。参謀長は長少将(丹波)、 高級参謀に八原大佐(仲代)である。32軍に属するのは陸軍第9師団、第24師団であり、後に第62師団が加えられ、独立第44旅団と戦車大隊、海軍陸戦 隊を含め10万人の兵力となった。
 沖縄県民も沖縄決戦を目前に決意を固め、成人の男子は徴兵もしくは、軍属として労役に従事し、高等中学や師範の生徒は鉄血勤王隊に、女子は看護婦として 準備を進める。子供達は本土へ避難するが、米潜水艦の進出により「対馬丸」の悲劇が起きるなど、いよいよ沖縄の孤立が進む。沖縄県泉知事は本土に逃げ、代 わりに島田が知事につくなどの混乱も見られた。
 大本営は米軍の狙いが台湾にあると見て、第9師団を沖縄から転属させてしまう。しかも、沖縄に神航空参謀を派遣し、飛行場の整備にあたらせるも、実際に 航 空機を送り込む決断は下さなかった。しかし、皮肉にも米軍は沖縄に上陸作戦を仕掛けてきたのだった。昭和20年3月26日米軍は特攻用の四式内火艇「震 洋」(通称青ガエル)基地があった慶良間諸島を最初に攻めてきた。慶良間の渡嘉敷村では追いつめられた島民三九四名が集団自決する悲劇もあった。
 大本営は急遽第84師団を派遣することを決めるが、結局中止する。沖縄を本土決戦のための捨て石にすることを決めたのである。航空機のない沖縄は米軍の 艦砲射撃と航空機爆撃にさらされた。
 沖縄防衛の32軍は、長少将の総攻撃論と八原大佐の持久戦論に分かれる。結局、持久戦体制に入り、易々と米軍に沖縄上陸を許してしまうのだが、この結果 は米軍に「沖縄の日本軍最高司令官は偉大なる戦術家であるか、そうでなければ、大馬鹿者である」と言わしめるのだった。
 上陸した米軍に対し、首里周辺では激しい抵抗をする日本軍だが、物量に勝る米軍に太刀打ちできる訳もなく、奮戦むなしく司令部の後退を余儀なくされる。 司令部は沖縄南部への撤退を決めるが、そこにはすでに避難していた沖縄県民がいたのだった。島田知事はこの決定に不服を述べるが、軍は南下を進め、追撃す る米軍と後退する日本軍との間で島民は混乱を極め、最大の悲劇を生む結果となるのだった。
 一方、大本営は本土決戦を少しでも遅らせるため、航空機による特攻作戦「天作戦」や戦艦大和を沖縄に突入させる「菊水一号作戦」を行うが、焼け石に水で あった。また、菊水七号作戦としての「義烈空挺隊」の敵飛行場突入も描かれている。
 もはや、組織的な抵抗が不可能となった日本軍は、海軍陸戦隊の大田少将が自決し、さらに6月23日牛島中将が自決し、ついに沖縄守備隊は全滅したのだっ た。
 なお、映画中には様々なエピソードが盛り込まれており、女子挺身隊の外科病棟での爆死、バックナー司令官の死、海軍陸戦隊の撤退ミス、八原大佐の投降な ども描かれている。余りに全てのエピソードを盛り込みすぎて、構成上は大変なことになっているが。
 
 とにかく、沖縄戦で語られる主要なエピソードがほとんど盛り込まれているため、本当に腹一杯になる。しかし、その都度、図やテロップ、ナレーションで解 説が入るために、思ったよりは混乱しない。映画の企画構成がしっかりしているためであろう。なお、準主役級として床屋(田中邦衛)、接客婦が登場し、この 二人の行動視点を随所に盛り込むことでストーリー性を持たせているともいえる。このあたりがフィクションという要素だろう。

 登場する兵器類はかなり少なめだが、日本軍の武器としては「九八式臼砲(ロケット砲)」が紹介されている。もちろん映画用に製作したものだが、興味深 い。戦車類は米軍側のものが何回か登場するが、その都度車種が異なっているようである。日本の少年兵が爆薬を持って突入するシーンでは、「M4A3シャー マン」と思われる戦車が数台登場する。このタイプは戦後に自衛隊に譲与されているらしいが、ちょっと砲塔が変な形で実は映画用に製作した木製だとか。次に 登場する戦車は四台ほどが移動しながら砲撃しているのものだが、主砲はT字型の排煙機つき、上部の転輪が3つ、鏡餅タイプのべたっとした砲塔であることか ら、「M41ウォーカーブルドック軽戦車」と思われる。→自衛隊の61式も出ている?最後は、墓の前で乱舞する老婆の前にやってくる複数の戦 車だが、こちらはまた異なった戦車だ。砲の先が多角形になっているタイプなのだが、映像がボケていて車形が判然としない。「M26パーシング」にも見える が違うような気もする。

(2004/09/17)

興奮度★★★
沈痛度★★★★★
爽快度★
感涙度★★★

 

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