「暁の7人」 評価★★★ チェコ人によるハイドリッヒ
暗殺
OPERATION DAYBREAK
1975
アメリカ 監督:ルイス・ギルバート
出演:ティモシー・ボトムスほか
106分 カラー
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ドイツナチ党のヒトラーについで悪名の高かったナンバー2、ラインハルト・ハイドリッヒ暗殺事件(エンスラポイド作戦)を題材にした小説の映画化。ハイ
ドリッヒは国家保安本部
(SS諜報部、ゲシュタポ、警察の統轄機関)長官を歴任した大物で、功績を称えられてモラビア・ボヘミアの保護領総督となっていた。
大英帝国政府とチェコスロバキア駐英亡命政府により計画されたナチス・ドイツのベーメン・メーレン保護領(チェコ)の統治者ラインハルト・ハイドリヒの暗殺作
戦
亡命チェコ軍人からヨーゼフ・ガブツィク曹長、ヤン・クビス(Jan Kubiš)軍曹ら10人が選抜され、イギリス軍特殊工作部SOEから暗殺に必要な訓練を
受けた
1942年5月27日早朝からトロヤ橋手前のホレショヴィチェ通りにあるカーブの前でプラハ城へ出勤するハイドリヒの車両を待ち受けた。午前10時半頃
1942年6月18日朝、ハインツ・パンヴィッツ(Heinz Pannwitz)率いる750人ほどの親衛隊部隊が教会を包囲した。二時
間の戦闘の後、ガブツィクら落下傘兵は自決した。教会の司祭や
助手らも殺戮された [116]
[117]
。
さらにレジャーキ村も暗殺部隊を助けていたことが判明し、6月24日にこの村の虐殺が開始された。
その他にもハイドリヒ暗殺の報復や捜査のために大勢の人が拘束され、処刑された。1942年5月28日から9月1日までの間、公式に拘束されたチェコ人だ
けでも3188人に及び、1357人がプラハとブリュンの即決裁判で死刑判決を受けたのだった
カレル・ツィルダ曹長 戦後間もなく反逆罪で絞首刑
1942年、連合軍側は快進撃のドイツに手を焼いており、ドイツ要人の暗殺によって挽回の機をうかがっていた。ハイドリッヒがそのターゲットとされ、ハ
イドリッヒの滞在しているチェコのプラハが舞台とされた。そのため、暗殺作戦にはチェコ人が選ばれ、英国本土に亡命していた3人のチェコ解放軍が招集され
「デイブレイク作戦」と名付けられた暗殺作戦が始まった。ヤン、ヨセフ、カレルの3人は空路でチェコに降り、現地の4人と合流し暗殺計画に着手した。カレ
ルは一人はぐれてしまうが、恋人と再会し子供を作って生活を始めた。
ヤンとヨセフは現地の4人と合流し、列車で通過するハイドリッヒ狙撃を狙うが、目の前を別の列車が通過し失敗する。その後はなかなか暗殺の機会が訪れな
い。
しかし、いよいよハイドリッヒがプラハを離任する日が近づいてくる。ヤン、ヨセフらは決死の覚悟でハイドリッヒの車列に手榴弾を投げ込んだ。暗殺は成功
し、ハイドリッヒは死んだ。しかし、後任のカール・フランクは冷徹に犯人捜しを始め、手当たり次第に容疑者を逮捕し、さらに報復と称して近隣のリディツェ
の村を全滅させた。男は全て銃殺、女子供は強制収容所送りだ。また、真犯人の情報提供者には懸賞金がかけられた。これを見ていたカレルは
誘惑に負けて仲間の居場所を吐いてしまう。
ゲリラの隠れるセント・シリル(キュリロス)教会にドイツ軍に包囲される。ゲリラの6人は地下室にこもって応戦するが、物量に勝るドイツ軍は機関銃、戦
車、放水などあ
らゆる手段で攻撃する。一人二人と倒れ、弾もつきていくのであった。
前半部分は比較的サスペンス調に展開し、ゲリラの勇気と人情が心に響く。後半になると、裏切り者の登場で急展開する。絶望的な状況下での悲壮な戦い。ま
あ、大どんでん返しと言ってもいいくらいの後半の落差である。映画の内容としても十分面白いので、後半の重苦しさに耐えられる人は是非お勧めしたい。
なお、映像的には薄暗くいイメージが強い。こうした街の描き方や人物的な描き方はアメリカ映画というよりはイギリス映画っぽい。
映画のストーリーが史実とどれくらい合致しているかはわかりません。ほぼ実名史実らしい。このほか、同題材を扱った映画に「死
刑執行人もまた死す」があります。
興奮度★★★
沈痛度★★★★★
爽快度★★
感涙度★
(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
(2004/08/16) |