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「遠すぎた橋」 評価★★★★ 孤立した空挺師団の戦い
A BRIDGE TOO FAR
1977 イギリス・フランス 監督：リチャード・アッテンボロー
出演：ショーン・コネリー、マイケル・ケイン、アンソニー・ホプキンスほか
１７５分 カラー
第二次世界大戦のヨーロッパ戦線を描いた作品としては「史上最大の作戦」に並 び評される大作。「史上最大の作戦」が1944年6月のノルマンディー上陸作戦であるのに対し、本作品は1944年９月のマーケット・ガーデン作戦を題材 にしている。
マーケット・ガーデン作戦はイギリスのモントゴメリー将軍が考案したドイツ本国への電撃的侵攻の起点となるべき作戦として実行されたもので、フランスか らオランダを経由してドイツ本国への起点となるアルンヘムを占拠するという作戦だ。作戦は、１本の街道をイギリス機甲師団を含む第30軍が一気に２日間で 走破してアルンヘム に到達するという無謀なもので、そのためには途中の５つの橋の確保が絶対条件となっていた。５つの橋は南から米軍 101空挺師団、82空挺師団、英軍第 １空挺師団・ポーランド第１独立パラシュート旅団がそれぞれピンポイント降下して確保するというものであったが、ドイツ軍の動向や途中の難所の対処法が軽 視されたが故に、連合軍側はドイツ軍の 反撃にあい、手痛い打撃を受けることとなる。
特に、アルンヘムへ降下した英第１空挺師団はドイツ機甲師団の猛攻を受け、孤立したあげく、英機甲師団の到着が予定よりもはるかに遅れたため、壊滅的な 打 撃を受け、脱出できた者はほんのわずかであった。そのほかは戦死するか、捕虜となった。
題名は、橋の確保に赴いたが、（作戦の無謀さから）橋はあまりに「遠かった」ということから来ている。ストーリーはかなり史実に基づいて構成されてはい るが、イギリス製作と言うこともあって、モントゴメリー将軍についてはあまり批判的には描いていない。とはいえ、マーケット・ガーデン作戦で何が起こった かを知る上では貴重な映画だ。本作品では英第１空挺師団の先遣隊や本隊の苦戦をメインに描いているので、米軍側を知りたい場合は101空挺師団を題材にし た「バンド・オブ・ブラザーズ」を見る と補完できるだろう。
キャストもなかなか有名どころをそろえているし、戦闘シーンも当時としては最大限の迫力に迫っている。兵器類はさほど多くは登場しないがリアルである。
残念なのは、あまりに多くの事象を取り入れすぎており、地理的なことや師団相互の関係が映画では把握しにくいこと。あらかじめこのあたりの歴史を学習し てから見ることをお勧めする。ポーランド空挺大隊も登場するが、いまひとつストーリーに荷担していないのも残念。
また、自分は日本語吹き替え版を見たのだが、全く雰囲気にあっていない。どうせみるなら字幕版をお勧めする。
(2004/04/07)
興奮度★★★★
沈痛度★★★★
爽快度★★
感涙度★
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