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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「戦場 評価★★☆ 米軍軍事顧問団のマクワ玉砕
GO TELL THE SPARTANS
1977  アメリカ 監督:テッド・ポスト
出演者:バー ト・ランカスター、クレイグ・ワッソン、クライド草津ほ か
114分 カラー 

 
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 ベトナム戦争終了後まもなくに製作されたベトナム戦映画。製作時期が早いだけでなく、描かれている題材はベトナム戦初期の米軍軍事顧問団であるのが特筆 できる。助演にはバート・ランカスターがおり、役者の色が濃く出ている作品でもある。映画自体の出来はたいしたことはないが、米軍軍事顧問団を描いた作品 は多くはなく、米軍軍事顧問団の性格や、南ベトナム政府軍との関係などを知る上で、興味深い作品である。
 舞台は1964年のペナン。米軍が戦闘部隊として前面に出ることは、まだ公式には表面化されていないが、すでに1万人近い米兵がベトナムに駐留していた 時期である。映画では、米軍軍事顧問団のペナン司令部がマクワ村の防衛を、米軍軍事顧問団とベトナム人傭兵及び農民兵に命じ、北ベトナム軍の攻撃により壊 滅し てしまうのだが、これはマクワの戦いを題材にしたベストセラー小説「マック・ワ事件」を映画化したもので、同じくインドシナ戦争で壊滅したフランス軍を絡 め ながら、ベトナム戦争の悲劇と不条理さを描いている。

 1970年代の映画らしく、アクション性やストーリー性は二の次で、役者の個性や心情性格を中心に描いており、今見るといささか物足りない気もする。物 語の内容的にはシリアス性が高いのだが、役者の個性が強すぎてややヒーロー物的な傾向を感じる。助演のバート・ランカスターは主演のクレイグ・ワッソンを 食ってしまっている感じでもったいない。また、ストーリー展開もおかしい点はさほどないのだが、構成や演出の展開に今ひとつ連続性を欠き、シリアス性が損 なわれてしまっているのが残念。さらに物語が尻切れトンボ的なのも気になる。あえて尻切れにして、これからベトナム戦の泥沼に入っていくのだという示唆と いう風にも取れるが、作品単体としては盛り上がりのポイントが掴みにくく、起承転結的なものがないと面白くない。もっとシリアスに徹底すれば、なかなかの 名作になったような気がする。
 アクションでは、爆発、銃撃ともに及第点だが、特に特筆すべきものでもない。火薬使用量も少ないわけでなく、小銃や迫撃砲の発射シーンもきちんと描かれ ているのが良い。ただ、撮影ロケ地の設定が狭かったのだろうか、スケール感が感じられないのが残念。マクワの三角陣地も全景が映ることが少なく、兵士の数 の割に迫力が感じられなかった。
 登場する兵器類にはヘリコプターで、ベルH−13スーとシコルスキーH−34が登場する。いかにもベトナム戦初期らしい武器選択が良い。
 なお、役者には南ベトナム政府軍大佐、片目のベトコンなど日系人が多く出演している。

 本作自体はそこそこの出来。単体としてはちょっと消化不良で、この後の時代のベトナム戦争映画とセットで視聴するとちょうどいいかもしれない。

興奮度★★★
沈痛度★★★

爽快度★★
感涙度★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 1964年、ベトナムのペナン。アメリカ軍軍事顧問団第7班のペナン司令部の指揮官にバーカー少 佐がいた。結構な歳ながら少佐のままのバーカーは過去に将軍の妻を寝取った罪で出世できないのだ。副官には若いオリベッティ大尉。そこに本国から来たばか りのハミルトン少尉、少佐とともに戦ったことのある歴戦のオレオノスキー曹長、麻薬中毒のリンカーン伍長、大学出の爆破専門家コーシー伍長が赴任してく る。
 バーカー少佐の元部下だったハーニッツ少将からマクワ村調査の命令が来る。バーカー少佐は平和な状態だけに、行くだけ無駄と偵察に行ったふりをして 200名の村民がいると報告する。しかし、ハーニッツ少将は自らやってきて、偵察に行っていないことを暴く。すぐさま少将はバーカー少佐にマクワ守備隊を 結成することを命じる。ハミルトン少尉を隊長に、オレオノスキー曹長、コーシー伍長、リンカーン伍長、アクレー伍長、カウボーイを頭とするベトナム人兵士 と農民兵の20名あまりがマクワに向かう。
 途中でベトナム兵の待ち伏せにあうが、これを排除し、一行はマクワに到着し、三角陣地の設営に入る。そこにはインドシナ戦争時に全滅したフランス軍 300名の墓地があった。コーシー伍長とカウボーイらは偵察に出かけ、老人と女子供と遭遇し、カウボーイがベトコンだと言うにも関わらず連れ帰ってきてし まう。少尉も歓迎し、陣地に引き入れる。また、コーシー伍長はフランス軍墓地で片目のベトコン兵に遭遇したほか、4名のベトコンを射殺。そのベトコン兵は 女子供であった。
 司令部のバーカー少佐のもとに情報専門家ワッツバーグ中尉が赴任。ベトナム軍の攻撃分析を行う。
 マクワではベトナム軍の攻撃を受ける。撃たれたベトナム兵を救出するため、オレオノスキー曹長が止めるのも聞かずにハミルトン少尉が突撃。少尉は蜂の巣 になって戦死する。オレオノスキー曹長は罪悪感から頭が変になり、自殺してしまう。指揮官が不在になったため、バーカー少佐はオリベッティ大尉を送り込 む。マクワはベトナム軍に完全に包囲され、壊滅の危機にあった。バーカー少佐は少将に増援を頼むが断られ、仕方なく南ベトナム軍のミン大佐に300名の増 援と砲兵による砲撃を頼む。さらに米軍による空爆を依頼するが断られ、バーカー少佐は少将あてに電報を送る。この電報により少将は空爆を許可し、水際でベ トコンを撃退する。しかし、多勢のベトナム軍に対し壊滅は必須であり、少将はマクワからの撤退を命令する。
 バーカー少佐はヘリに乗ってマクワに向かう。しかし、ヘリの搭乗人員の関係でアメリカ兵のみしか搭乗できず、ベトナム兵と民間人は取り残されることに。 しかし、コーシー伍長だけは現地に残ることを主張し、バーカー少佐も同調する。バーカー少佐らは陣地の破壊を行い、味方の砲撃に紛れて徒歩で撤退を開始す る。しかし、陣地に引き入れた民間人はベトコンで、少女がベトコンの手引きをし、待ち伏せ攻撃にあってしまう。カウボーイが戦死し、バーカー少佐以下、ベ トナム兵や農民兵は全員戦死する。唯一コーシー伍長だけが生き残り、マクワに戻る。そこには砲撃で半死となった片目のベトコンがいた。よろよろと歩くコー シーはベトコンに「国に帰る」と言うのだった。


(2007/10/15)