戦争映画の一方的評論
 
「ナバロンの嵐 評価★★★ ナバロンの要塞とは別物として見よう 
FORCE 10 FROM NAVARONE
1978 イギリス 監督:ガイ・ハミルトン
出演:ロバート・ショウ、ハリソン・フォードほか  
118分 カラー

 1961年製作の名作「ナ バロンの要 塞」の続編的位置づけで製作された映画。17年後ということを見てもわかるとおり、前作とはほとんど関係ない。主人公のマロリーとミラーが前作同 様登場するが、監督も役者も総入れ替えとなっている。

  (以下ネタバレ注意)
 すでにマロリーは少佐に、ミラーは軍曹に昇進しているが、二人は再度特別任務のために招集される。ミラーはすでに民間に降りていたがこれで再招集され曹 長に昇任した。任務は、ユーゴパルチザンに潜入しているスパイを暗殺するもの。橋の爆破という別任務を帯びた中佐の第10部隊とともにユーゴに潜入する。 途中、 パルチザンを装ったドイツ側に捕らえられたりするが、なんとか脱出する。任務を遂行しようとするが、なかなかスパイの化けの皮を剥がすことが出来ない。反 対にスパイの工作により、パルチザンは壊滅的な打撃を受け、ドイツ軍機甲部隊が橋を渡るのも時間の問題となった。一行は、ドイツ軍から爆薬を盗み出し、そ の爆薬で橋上流のダム決壊をもくろむ。
 はっきり言って、前作とは役者も違うが、雰囲気や設定が全く違うのであえて後編にしなくてもよかったのではないかと思う。結構、本作は前作との比較で酷 評されがちだが、前作をシリアス調アクションとすれば、こちらはコメディ調アクションだ。そういう視点で見ていれば、ストーリー展開等、まあまあ出来は悪 くない。確かに役者は前作に比べると個性に於いても一枚劣るが、逆にストーリー展開に集中できていい。
 ただ、激しいアクションに堪能しつつも、ダムを決壊させたら下流の人民は被害を受けるだろうなあと思った。あんまりそういうことは気にしない時代だった のだね。また、途中で、相手のドイツ兵を鎖でしばりつけておいて、銃で射殺しちゃうシーンがある。今(2004/5)、イラク駐留アメリカ兵が捕虜を虐待 したとかで、ジュネーブ条約違反だとか言っているけど、こうした映画ってジュネーブ条約どころじゃないよね。娯楽だからいいって感じかな。


WAR MOVIES COLLECTION VOL.1

興奮度★★★
沈痛度★★★
爽快度★★★
感涙度★