オンラインDVDレンタル ぽすれん

 
オンラインDVDレンタルなら『TSUTAYA DISCAS』!

かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「メル・ギブソン 特別奇襲戦隊Z 評価★★ 日本軍占領の島に上陸した豪軍 Z特殊部隊
ATTACK FORCE Z / THE Z MEN
1981 オーストラリア・台湾  監督:ティム・バーストール
出演者:
メル・ギブソン、ジョン・フィリップ・ロー、サム・ニー ル、シルヴィア・チャンほ か
93分 カラー 

 
DVD検索「特別奇襲戦隊」を探す(楽天)


  第二次世界大戦時、実在したオーストラリア軍のZ特殊部隊の活躍を描いたアクション映画。若きメル・ギブソン出演で、オーストラリアと台湾 の合作という異色作。
 Z特殊部隊とは、シンガポールから撤退したイギリス軍特殊部隊員を核に、オランダ(蘭印軍)兵、ニュージーランド海軍兵、オーストラリア兵などによって 1942年に組織され、日本軍施設の破壊工作などの特殊ミッションに従事している。オーストラリアを拠点として訓練され、284の作戦を実行したとされ る。特に、1943年のシンガポールへのカヌー上陸作戦
(Jaywick Raid)、 1944年のリモー奇襲作戦(Rimau Raid)が 良く知られており、リモー奇襲作戦では施設爆破に成功したものの、23名全員が戦死している。
 本作は、「遂行された作戦の忠実な報告である」とされてはいるが、その事実関係については不明である。作戦は日本軍が占領する島に不時着した米軍機の生 存者を、5名のZ特殊部隊がカヌーで上陸し、現地住民ゲリラと協力して救出送還するというもの。時は
1945 年1月10日、場所は日本軍が占領するインドネシアのサンパラン海峡付近の島だが、何故か島民はみ な中国人 という設定。なんとも怪しげな設定なのだが、実際、本作のストーリー自体あまり登場人物の性格付けがなさ れておらず、アクション重視なので、史実かどうかは二の次なのだ。284のミッションのうち、面白そうなのを適当に見繕って仕上げたのではないだろうか。

 アクションシーンにしても、銃撃戦やナイフ格闘シーンがしばしば登場するが、かなりチープな部類。銃器にしてもかなりいい加減で、なんだか色々な銃が登 場する。また、戦闘では日本軍の弱いこと弱いこと。数少ない素人中国人住民と互角以下の銃撃戦を繰り広げ、たった5人のZ部隊に殺戮される。メル・ギブソ ンはZ特殊部隊のリーダー役だが、今ひとつ存在感なし。むしろ、抗日ゲリラの中国人が主役級の活躍。ヒロイン役の中国人女性チェン・ホア役はシルヴィア・ チャンで、本作中ではかなり目立った存在。
 日本兵は台湾人が演じているようで、動きや会話が変。陸軍大佐役の役者は実際に流暢な日本語を話しているが、その他の兵は不気味なかけ声に怪しい日本 語。ただ、重要な会話のシーンは綺麗な日本語吹き替えになっており、日本語ビデオ版用に吹き替えられたのであろうか。なお、日本兵はかなり悪役に作られて おり、大佐がやや人情的な会話をするシーンもあるが、全般には悪玉。ただ、気になるのはZ特殊部隊の素行。ヒーロー扱いのZ特殊部隊員の活躍は何気なく見 てしまうが、良く見ると死んだ日本兵の遺体を足蹴りにしたり、傷ついた仲間を足手まといだと射殺したり、丸腰の中国人民間人を口封じに殺害するなど、日本 軍以上に戦犯級犯罪行為を行っているのだ。日本軍がZ特殊部隊に懸賞金を賭けているとされているが、ほとんど無法者といった印象だ。

 ほとんどが島内での銃撃戦なので、あまり兵器類は登場しないが、特筆できるのは、映画冒頭にカヌーを発進させる潜水艦が出てくる。これは、オーストラリ ア海軍のOberon(Oxley) class潜水艦のようだ。本作のほとんどが台湾ロケとされるが、このシーンは オーストラリア海軍の協力を得たのだろう。

 せっかく、オーストラリア軍の数少ない戦史的映画なのだが、内容、映像ともにかなりの駄作。メル・ギブソンも全然目立たないし、どっちかというと抗日中 国映画を見ているような印象だった。
 余談だが、翌年日本とオーストラリアの合作で
「南十字星The Southern Cross(1982)」というZ特殊部隊のジェイウィック作戦を題材にした映画も製作されている。


   

(参考)
Attack Force Z(wiki)
Z Special Unit(wiki)

興奮度★★
沈痛度★★★

爽快度★
感涙度★

映画見るなら ⇒スカパー!初期費用無料
オンラインDVDレンタルなら『TSUTAYA DISCAS』!
古本市場】激安古本・CD・DVD・ゲームソフト販売買取
新刊書籍・雑誌・DVDジェイブック
新品DVD・家電
い〜でじ!! 


(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 「Z特殊部隊とは、オーストラリアの軍秘密部隊である。マッカーサーの直接指揮下に同盟国側の志 願兵が集結。Z特殊部隊は太平洋で284の作戦に従事。有名なのは「クレイト」からシンガポール湾へのカヌー上陸作戦と23名の死者を出したリモー作戦で ある。本フィルムは遂行された作戦の忠実な報告である。 ジョン・R・ガードナー」
 1945年1月10日太平洋南西、サンパラン海峡。オーストラリア軍ケリー大尉率いる5名のZ特殊部隊員が2隻のカヌーに搭乗し、潜水艦から発進してい く。ケリー大尉のほかは、オランダ陸軍のヴェイチ中尉、オーストラリア軍のコステロ軍曹、ニュージーランド海軍のキング中尉、イギリス海軍のバード二等兵 の混成部隊だ。日本軍が支配する島に上陸してすぐ、日本軍の監視所からの攻撃でキング中尉が負傷する。ケリー大尉らはすぐに日本軍を撃退するも、足を負傷 したキング中尉が足手まといと判断、射殺する。
 内陸に進み、住民の中国人を捕まえて日本軍の動向を探る。ヴェイチ中尉は口封じのためその中国人を射殺する。さらに進み、一軒の中国家屋を発見し、潜入 する。そこには若い女性チェン・ホアと3人の子供がいた。そこに日本軍の軍曹と一等兵数人がやってきたため、ケリー大尉らは射殺する。そこに、チェン・ホ アの父リンが戻ってくる。リンは日本兵を極度に嫌い、レジスタンスの指導者でもあった。
 ケリー大尉はようやく任務が島に墜落した米軍機の生存者確保であることをあかす。リンの道案内でケリー大尉らは墜落現場へ進み始める。途中で日本軍の部 隊に遭遇。「本日は母の命日なので、寺へおまいりに行ってもよろしいでしょうか」と寺に行った日本兵殺害を皮切りに壊滅させる。うち、ヴェイチ中尉だけが 生存兵を追いかけて行ってしまう。ケリー大尉ら3名とリンは墜落機の見える場所まで行くが、目の前で飛行機が爆破されてしまう。レジスタンスの仕業のよう だった。
 日本兵殺害事件を受けて、日本軍大佐は島の中国人に尋問を始める。チェン・ホアに父や特殊部隊の行方を聞き出そうとするが、口を割らないため熱湯に手を 入れさせる。見かねた子供が日本軍の行方を教えるが、実はそれは大嘘であった。日本兵の去ったあと、ヴェイチ中尉はチェン・ホアに米軍機の生存者はビンタ ンに匿われていると聞かされ、ともにビンタンへ急ぐ。二人は次第に恋心を抱き始め、ヴェイチ中尉らZ特殊部隊には日本軍の懸賞金が賭けられていることを知 る。
 ケリー大尉らはリンからビンタンに生存者がいることを聞き出し、道を急ぐ。ビンタンにはヴェイチ中尉とリンが先に到着し、生存者とは米政府のエイルズと ロンドン大使館付武官の今口という二人であることを知る。今口は裏切り者であり、アメリカ政府にとって重要な人物だったのだ。ヴェイチ中尉とリンは床を共 にする仲に。
 ようやくケリー大尉らが到着し、二人の生存者を潜水艦に護送することとするが、中国人レジスタンスの協力が必要だった。島に残っても日本軍の拷問が待っ ており、中国人らはZ特殊部隊に協力して戦うことを選択する。日本軍は海岸でカヌーを発見し、防備を固める。
 負傷している今口を担架に乗せ、ケリー大尉らは海岸に急ぐ。海岸線に至るまでにコステロ軍曹、さらに米政府のエイルズが死亡。ヴェイチ中尉はチェン・ホ アの事を思い島に残ることを決意して内陸に戻っていく。一方、内陸部ではリンらレジスタンスが、祭りに乗じて日本軍を攻撃する。しかし、数に勝る日本軍が 次第に攻勢を強め、リンが死亡、助けにきたヴェイチ中尉も撃たれて死亡する。泣き崩れるチェン・ホア。
 海岸では日本軍の機銃陣地を捨て身の攻撃で破壊したバード二等兵が戦死。ただ一人生き残ったケリー大尉は今口を船に乗せて出発する。しかし、担架の毛布 をめくってみると今口の胸には銃弾の跡があり、すでに事切れていた。


(2007/07/12)