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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「キリング・フィールド 評価★★★☆ カンボジア内戦に取り残さ れた戦場記者の助手
THE KILLING FIELDS
1984 イギリス 監督:ローランド・ジョフィ
出演:サム・ウオーターストン、ハイン・S・ニョールほか  
141分 カラー
 
 
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 1970代に勃発したカンボジア内戦を舞台に、内戦を取材する戦場カメラマンとその現地人助手を描いたヒューマンドラマ。S・ジャンバーグのノンフィク ションが原作となっており、首都プノンペンにおける大混乱と、反政府武装組織クメール・ルージュ(後のポル・ポト政権)による大虐殺をリアルに描く。戦争 記者を描いた作品としては、壮絶なリアル感を漂わせており、ベトナム戦争を含めると多くの外国人記者が死亡しているという事実と照らし合わせて、戦闘以外 での戦場の緊迫感を感じることができる佳作である。
 
 カンボジア内戦は、1970年の親ベトナム系のシアヌーク国王に対するロン・ノル将軍のクーデターに端緒を発する。ロン・ノル将軍はアメリカの支援を受 け、半北ベトナム施策を実施し、強権的な行動に共産ゲリラクメール・ルージュが台頭してくることとなる。1972年頃には、折からのベトナム戦争の強い影 響で、カンボジア国内でも北ベトナム、中国の支援を受けたクメール・ルージュと、米軍の支援を受けたロン・ノル将軍派が激しい戦闘を繰り広げるようにな る。アメリカ軍がベトナムから撤退すると、ロン・ノル将軍派は劣勢となり、将軍は国外逃亡することで、1975年にはクメール・ルージュが首都に入城し、 共産主義政権が発足することとなる。クメール・ルージュは過激な毛沢東思想を掲げており、農民主義のもと都市居住者、資本家、技術者、学者・知識人などを 次々に強制収容、殺害し、300万人とも言われる死者を出している。本作はこの内戦と、クメール・ルージュの恐怖を描いている。

 まず、私の本作の評価があまり高くないのは、個人的に報道記者が嫌いなため(笑)。他人の傷口に食いついて、真実の報道などという詭弁のもと、結局は自 分の手柄と自己満足に収まるのが不愉快なのだ。本作はそのマスコミの身勝手さに対する自嘲ぎみな描写もあることはあるが、やはり報道記者の傲慢な正義感に 不快感があった。個人的な印象で申し訳ないが、映画を楽しめたか、という観点で減点となったのだ。
 例えば、ラストシーンでアメリカ人記者とカンボジア人助手は再会を果たし、「見捨ててすまない」「いいんだよ」というつもりだろう抱擁シーンがある。一 見美しき友情とも見て取れるのだが、私にはとても 違和感と不愉快さが残った。アメリカ人記者が危険な所に顔を突っ込んだために、助手の命が危険にさらされたのであって何を今更という印象と、そもそもこれ はカン ボジア人の内戦であって、アメリカ人記者の立ち入る問題ではないのに責任を感じたふりをするという、アメリカ人の傲慢な正義感を感じるのだ。これが米軍の 軍 人であったならば職務として関与するという大義名分がたつのだろうが、記者というのはあくまで民間の野次馬でしかないのだ。

 さて、では映画としての出来はどうかというと、多分初めてカンボジアのポル・ポト政権の大虐殺と横暴ぶりを世に出した映画という点で、高い評価ができる だろう。それまで、ベールに包まれ一部の日本人や某政党などは虐殺などあり得ないと言い切っていた時代に暴露したと言う点でも評価できる。一説に300万 人ともいわれる程の非道な行為は許されるものではないだろう。戦争で死ぬのならば理屈も 伴うものだろうが、旧ソ連の赤軍・市民大虐殺やこのポト派の知識層大虐殺など、粛正と呼ばれる虐殺行為はあまりに理屈がなさすぎる。
 映像的にも、 内戦という緊迫感をよくあらわしており、特に助手が虐殺現場を放浪するシーンはリアルにエグイ。今ならば間違いなくR指定を受けるところだろう。ストー リーさえ、もう少し違った方向だったら、間違いなく好きな作品になったところだろう(笑)。

 最後に、助手役を演じたハイン・S・ニョールはアカデミー助演男優賞を獲得しており、「イースタン・コンドル」にも出演している。しかし、1996年に 自宅前で殺害されると言う悲劇に見舞われている。一説にはポト派の犯行とも言われているのが皮肉だ。


興奮度★★★
沈痛度★★★★
爽快度★
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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 アメリカ人の戦場カメラマンのシドニー(ウオーターストン)は現地人記者プラン(ニョール)を助手に1970年代のカンボジア内戦を取材している。次第 にクメール・ルージュ(カンボジアの反政府 組織で、指導者は毛沢東思想の信奉者ポル・ポト。後にポル・ポト政権を樹立し大虐殺を行う)が首都プノンペンを制圧し、旧政権のシアヌーク派についていた アメリカ政府の関係者も国外脱出を図るようになる。身の危険を感じる記者やカンボジア人助手は一応中立的立場をとっているフランス大使館に身を寄せ、国外 退去を画策するが、すでに政権を奪取したクメール・ルージュはカンボジア人の国外脱出を認めない。アメリカ人記者は本国へ戻るが、カンボジア人助手は取り 残され、強制収容所での過酷な労働と虐殺の悲劇に直面する。
 その後、シドニーはプランのことを心配するが、なんとプランは収容所を脱出し、過酷な道を歩いて生きていた。二人は再開し、熱い抱擁をするのだった。

(2004/03/31 2010/5/22一部修正)