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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「火垂るの墓 評価★★★★ 神戸空襲で孤児となった兄 妹の悲話
Grave of the Fireflies
1988 新潮社(東宝系)
 監督:高畑勲
出演者(声優):辰巳努、白石綾乃 ほか
90分 カラー (アニメ) 
 
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 1945年の神戸。空襲で母親を失い孤児となった14歳の兄と4歳の妹が混乱の中を必死に生き、悲しい運命に翻弄される様を描いたアニメ。原作は野坂昭 如の小説で、自身の体験をもとにアレンジされたものである。戦争アニメとしては稀有の出来で、ストーリー、映像ともに20年以上経過した現在でも遜色ない ものである。
 だが、野坂昭如のストレートで悲壮な原作に引きずられたためか、本作も非常に悲壮感漂う壮絶な内容となっている。全編にわたり涙なくして観ることができ ない感動巨編であることは間違いないが、私個人的にはいささかやりすぎの「反則映画」と感じている。戦争映画マニアの私ですら何度も観る気にならないほど 余りに哀しい。
 その要因としてあげられるのは、登場人物の幾人か(叔母など)を悪玉に仕立てる反面、主人公の兄妹を美化しすぎている点、そしてなんと言っても兄妹役の 声優が実際に子供を起用することによるリアリティにあるだろう。余りにも愛らしい妹節子役は当時6歳だった白石綾乃が務め、声を聞くだけで誰もが胸を締め 付けられただろう。まさに反則技である(笑)。兄の清太役の辰巳努も16歳だったそうで、世間の大人を信じることができず、逞しくも孤立していく悲しみを 実に良く表現している。
 ストーリー上では登場する小物類、設定が卓越しているだろう。節子が欲しがるドロップ缶、そして節子の骨の入ったドロップ缶はインパクト大。また、節子 がおしっこをしたがるシーンや水を運ぶシーンなど、幼さや弱さを強調する設定が多く、視聴者側はジワジワとボディブローが効いていく。
 アニメーションはスタジオジブリによるもので、節子の愛らしい表情や仕草はさすがだ。空襲シーンやB-29の飛行シーンもしっかりと描かれており、なか なか秀逸。

 本作は内容が内容だけに、反戦アニメと評されることも多いが、確かに反戦的要素も多分にあるとはいえ、むしろ人間の生きざまを考えさせるもののような気 がする。大人を信用できない清太は自らの世界を作り上げることで生きていこうとするが、それがもとで妹節子は命を落とし、自らも死んでいく。信用できない 大人に迎合すべきだったのか、すがるべきだったのか。本作の清太の行動は設定上の曖昧さもあって、様々な議論を呼んだが、それを超越した次元で生に対する 人間の本能と理性の狭間を見せつけられた。多分、そう簡単には結論の出ない命題であって、アニメ作品にしては余りに重く難しい命題であろう。それだけに、 アニメ作品として成功したかどうかは微妙なところだ。

 正直、映画作品としてはかなり完成度が高いと感じる。だが、前述の通りアニメ作品として適していたかどうかというとちょっと疑問が残るという点で、やや 評価を落とした。まあ、何度見ても泣けるんだけどね。

興奮度★★★
沈痛度★★★★★

爽快度★★
感涙度★★★★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)


(2009/08/14)