戦争映画の一方的評論
 
「リトル・ニキータ 評価★☆ KGBスパイの両親を持つ米国少年
Little Nikita
 1988 アメリカ 監督:リチャード・ベンジャミン
出演:シドニー・ポワチエ、リヴァー・フェニックスほか  
97分 カラー

 もちろん架空の話のスパイサスペンスもの映画。普通にアメリカで育った高校生が、突然両親がソ連KGBのスパイだったと知ってしまうという、びっくりス トーリーだが、ミリタリー色は極めて薄く、娯楽サスペンスとして位置づけられる。従って、時代背景や登場人物の設定などは結構適当。あり得ないと思うけ ど、万が一こんなことがあったなら・・と言う程度で見るべきだろう。ロシア人両親役の二人が妙にもの悲しくていい演技。

(以下ネタバレ注意)
 アメリカカリフォルニアのごく普通の高校生ジェフは、両親に内緒で空軍士官学校の入学を目論んでいた。ごく普通の愛国心から来たものだ。その入学願書を チェックしていた空軍所属のFBI(?何故空軍にFBIがいるのか良く分からないのだが)ロイ少佐は、ジェフの願書をチェック中に両親の生年月日が架空の もの(正しく言うと過去の死者を利用)であることを偶然見つける。ロイは、両親がソ連KGBのスリーパースパイ(長い年月普通の市民として生活し、いざと いうときにスパイ活動を行う)ではないかと推測する。
 折しも、米国内のソ連スリーパースパイが連続して殺害される事件が起きる。犯人は金を要求するソ連の二重スパイ、スキューバであり、ソ連KGB側も敏腕 のスパイ、コンスタンティノを送り込み、スキューバを消そうとしている。ロイにとってもスキューバは過去に同僚を殺された因縁の相手であった。
 ロイは、ジェフと面談し、次第にジェフ及び両親に近づいていく。ついにジェフに秘密を打ち明ける。自分の本当の名前が「ニキータ」と知り驚き、悩むジェ フ。一方、両親はコンスタンティノにスキューバ抹殺の命令を下されるが、安定した生活を壊したくない故に断る。コンスタンティノはジェフを人質にして両親 に命令実行を迫る。仕方なくスキューバに迫る両親。コンスタンティノの人質となるジェフ。そこに、ロイが駆けつける。結局、ロイはスキューバを捕らえる が、ジェフとの交換でコンスタンティノに引き渡すのだった。

 内容的には結構単純で、さほど意外な展開があるわけではない。アクションシーンもさほど大したことはない。主人公のジェフがロイ少佐と組んで活躍するの かと思いきや、なんのことはない最後まで人質のまま。生意気な小僧というだけで終わった。ソ連のコンスタンティノとロイの駆け引き合戦ににしても、もう少 し盛り上がりが欲しかった。そもそも、ロイ少佐の肩書きって何。空軍少佐だけど、FBIで、空軍士官学校入学生の身元調査をするために派遣されている職 員ってことかな。唯一、両親役が気の弱そうな演技で、映画に華を添えているのが印象的だった。

(2004/10/30)

興奮度★★
沈痛度★★
爽快度★★★
感涙度★

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