「スカイミッション空挺要塞DC3(愛と戦火の大地)」
評価★★★ インドシナ戦争を扱ったドキュメンタ
リータッチな作品
Dien Bien
Phu
1992 フランス 監督:ピエール・シェンデルフェール
出演:ドナルド・プレザンス、パトリック・カタリフォ、リュドミラ・ミカエルほか
132分 カラー
1992年フランス製作「Dien Bien
Phu」。1995年「愛と戦火の大地」で日本公開された映画。ビデオ化は「スカイミッション空挺要塞DC3」と、めまぐるしく題名の変わった作品。
トップページにもある映画サイトで評価が高かったので、中古ビデオの
オンラインショップで2,600円で
見つけだし購入。そんなに多くは出回っていない様子。
そもそも、この映画はベトナム戦争の契機となる前哨戦のようなもので、1954年のフラン
ス植民地インド
シナ(現ベトナム領内)のフランス軍防衛拠点ディエン・ビエン・フーにおけるベトミンとの57日間の戦いである。
ストーリーは、ディエン・ビエン・フーでの戦闘と、フランス軍人の集まるバー、アメリカ人
記者シンプソン
を中心に展開される。はっきり言って、新聞記者シンプソンの行動やバーでの会話等はいかにもおフランス的でまったりしており、戦争映画にしては退屈きわま
りない。
また、戦闘シーンにおいても総額5億円を投じたというわりには、暗い、よく見えない(カメ
ラアングル悪す
ぎ)、激しくないなど、思いのほか大したことはない。最近の映画にありがちな銃に撃たれるシーン、大砲に吹っ飛ばされるシーンなどは少なめ。生々しさはか
なり薄
いといえよう。さらに、フランス軍はほとんどが外人部隊で落下傘降下部隊なのだが、戦闘中以外はなんともあっけらかんとしている。こんなもんなのだろう
か。ラストには3/4が戦死したとされるが、画面の中からはそうした雰囲気は見て取ることが出来ない。ちょっと期待が強すぎたようだ。
とはいえ、マニアには垂涎の映画らしい。まず、フランス軍とベトミンの戦いを取り上げた映
画は数少ない。
しかも、日付を追って史実に忠実に映像化されているとのこと。限られた書物でしかわからない緒戦の状況を映像で再現されていること自体が貴重なのだ。外人
部隊が出てくる映画も少ない。ディエン・ビエン・フーの戦いに関する書物を見ながら、何回も繰り返し鑑賞するタイプの映画なのではないだろうか。極めてド
キュメンタリータッチな作品として高い評価を得るものだ。
この歴史をあまりよく知らない自分としてはやや退屈であったが、少し勉強してから再度見て
みようかと思っ
ている。とはいえ、中古ビデオは途中テープが傷んでおり、何度も見るのは危険。DVDレコーダーを取得した暁にはダビングして見よう。
ちなみに、空挺要塞DC3とはどういうことだと思ったが、要はパラシュート降下部隊がメイ
ンであり、輸送
機がDC3だったということらしい。邦題「愛と戦火の大地」については??だ。
(2003/1/24)
興奮度★★★
沈痛度★★★★
爽快度★
感涙度★
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