(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
1940年ドイツがフランスに侵攻し、フランス人女性のキャサリンはイギリスへの避難途中に、ドイツ軍機の攻撃で母親を失う。
1944年になり、連合軍はノルマンディ上陸作戦を計画していたが、その成功は連合軍がカレーに上陸するという偽装をヒトラーに信じ込ませることにか
かっていた。アメリカ軍のオニール少佐がイギリス軍情報部に赴任してくる。オニール少佐は、カレー上陸に準備された架空の軍団の存在を信じ込ませるため
に、風船で作った戦車や戦闘機を地上に並べてドイツ軍偵察機に写真を撮らせたり、偽の交信電波を無線車で流すなどの工作を担当した。
そんな中、オニール少佐はかつてアメリカで恋人だったキャサリンが情報部にいることを知る。キャサリンは英軍諜報員としてフランスに行く覚悟だが、オ
ニールは危険だとしてそれをやめさせようとする。しかし、情報部のリドレー大佐はキャサリンをコードネーム「デニーズ」としてカレーのリンドマン砲台爆破
任務のためにフランスに送り込んでしまう。リンドマン砲台は1.4ktもあり、英国内陸8kmまで砲弾を飛ばすことが出来、頑強な防御で400kg爆弾をも跳ね返す難物だったのだ。
フランスに降り立ったキャサリンは連絡引率役のポールと会い、カレーへの道を急ぐ。検問や、列車やレストランでの危機をすり抜けていく中、ポールは次第
にキャサリンに惹かれていく。キャサリンもまたポールを受入れ、二人はベッドをともにする。しかし、ポールは裏でドイツ軍ゲシュタポの少佐とも密会を重ね
ていた。
カレーに着いたキャサリンは地元のレジスタンスと合流し、指令のリンドマン砲台爆破任務に着手する。砲台内の洗濯女に化けて内部を探り、電源装置の碍子
に爆弾をとりつけることを計画する。その電源装置の鍵を持っていたのは、キャサリンが駅で遭遇したメッツ中尉で、キャサリンは体を武器に接近し、鍵のレプ
リカを作る。しかし、その際に中尉に見つかり、レジスタンスにより中尉は殺害される。その鍵を用いて、キャサリンは電源装置に爆薬を仕掛けることに成功す
る。そのことを本国に通信するが、ドイツ軍の無線傍受車がしつこく追跡を開始し、やむなく緊急連絡用のカフェに伝言を頼む。しかし、そのカフェはドイツ軍
が仕掛けた罠で、ドイツ軍はレジスタンスの無線解読に成功する。
本国では、オニール少佐がキャサリンの動向を探っていたが、それに協力したデルドレという女性がクビなる。デルドレはオニール少佐に急接近し、二人は関係を持つようになる。
キャサリンはいったんイギリスに帰国するが、諜報員のエイジャックスはポールが二重スパイとの疑いをかける。イギリス情報部のリドレー大佐は、すぐに処
刑せずに本国に呼び戻して情報を聞き出すことを提案する。ドイツ軍ゲシュタポ少佐の了解も得たポールはイギリスに行く。そこで、キャサリンと再会し二人は
深く愛し合う。そのことを知ったオニール少佐は心境複雑だったが、リドレー大佐から立ち入らぬよう釘を刺される。実はポールはリドレー大佐の命令で、二重
スパイのふりをしていたのだった。
一足先にフランスに戻ったポールのもとに、砲台爆破実行のために再びキャサリンが送られるとの報が入る。しかし、無線は傍受されており、ゲシュタポ少佐
がキャサリンを逮捕することをポールに知らせる。反対することもできないポールは、イギリスにキャサリン派遣の中止を進言するが、リドレー大佐はそれを無
視して、キャサリンにカレー上陸情報の書かれたマイクロフィルムを持たせて送り込んでしまう。それを知ったオニール少佐もポールも激しく怒るが、全てはド
イツ軍にカレー上陸と信じ込ませるためのリドレー大佐の計画だったのだ。
ポールはなんとかキャサリンを逃がそうと画策するが、逆にレジスタンスの疑惑を呼び、ポールもまた逃げなければならなくなる。キャサリンはカレーでゲ
シュタポに逮捕され、厳しい拷問を受ける。裸にされ、爪をはがされるなどしてもキャサリンは口を割らなかったが、ポールがレジスタンスの狙撃を受けて死亡
したことを知り、自らも靴に隠した毒薬で自殺を図ろうとする。しかし、この毒薬も偽物でありキャサリンは自殺すらできなかった。そして、ついにマイクロ
フィルムの所在を明かす。ノルマンディーでは上陸作戦が始まり、カレーのリンドマン砲台はレジスタンスによって破壊された。それでもドイツ軍は陽動作戦か
もしれないと考えていたが、マイクロフィルムの解読によりドイツ軍はカレー上陸と信じる。
ノルマンディ上陸作戦は成功に終わる。パリには連合軍が進駐し、オニール少佐も派遣される。デルドレにも一緒に行こうと誘うが、デルドレは涙を流して、
実はリドレー大佐の姪でありオニール少佐を監視するために接近したことを告白する。さらに、オニール少佐はキャサリンが強制収容所に収容されていることを
聞き、キャサリンにポールは裏切ってはいないことを伝えに行く。憔悴しきったキャサリンはわずかに笑みをもらし、その場を去っていく。
(2007/05/11)