「サイゴンからの旅人」 評価★ 盛り上がりない。でも
ベトナムは広い!
AI XUOI VAN LY /THE LONG JOURNEY
1997 ベトナム 監督:レ・ホ
アン
出演:ファン・コム・ニン、モック・ミエン
95分 カラー
(2003/1月 スカパーにて視聴)
これは戦争映画とは言えないかも知れないが、ベトナム戦争後のベトナムを描いた作品として取り上げた。
ストーリーはベトナム戦争終結後のベトナム。北ベトナム解放軍の兵士として戦った一人の男(タン)が、戦死した戦友の遺骨を掘りあててその遺骨を戦友の
両親へ届けようとサイゴン駅からハノイへの列車に乗る。ベトナムは社会主義であり、鉄道に乗るにも厳しい鉄道公安のチェックがある。乗客の荷物チェックが
始まり、タンの遺骨もチェックを受ける。なんと、ベトナムでは遺骨は乗せては行けない規則なようだが、なんとか公安の同情を買い切り抜ける。そんな中、途
中から同じ戦友の女性兵士ミエンが乗車してくる。ミエンに中身を教えずにいるタンだったが、途中下車中に列車に乗り遅れてしまう。荷物を預かった形のミエ
ンだが、闇物資を輸送中の身でもあり公安に捕まってしまい、いやらしい公安に迫られるはめに。一方タンはバイクタクシーに乗って列車とミエンを追いかけ
る。そしていくつもの事件が発生し困難が。
どちらかというと、ちょっとお笑いの入ったようなまぬけな出来事が多い。ストーリーも映像もどうということはない退屈な作品。とはいえ、ベトナムの広大
な自然やベトナム文化というものが随所に現れており、そういう意味では大変面白い。
戦争映画としては★だが、ベトナム映画としてみればもっと評価は高いだろう。まず、列車を125cc位のバイクで2人乗りして追いかけていくとは驚き。
普通追いつくかなあ。戦闘シーンは妙ちくりんでベトコンが市街戦を戦っているが、とにかく兵士はほとんど出てこず(エキストラ代を節約したか)迫力なし。
やたら室内が燃えているし、戦友がどうやって戦死したかもよくわからない。あまり戦争的な時代考証はしていないようだ。あとは、バイク便の男が実は南政府
軍の兵士だったということが判明し、もとは敵同士だったがうち解けていくという当たりが、戦後を伺わせる。
こんな程度の映画だが、ナント三大陸国際映画祭で銀賞を得たそうだ。
(2003/02/08)
興奮度★
沈痛度★★
爽快度★
感涙度★
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