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かぽんの戦争映画
一方的評論
 
「ブラック・セプテンバー/五輪テロの真実  評価★★★☆ テロの標的となったイスラエル選手団
ONE DAY IN SEPTEMBER
1999 スイス・ドイツ・イギリス  監督:ケヴィン・マクドナルド
91分 カラー 
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 あの1972年に起こったミュンヘンオリンピックでのテロ殺人事件を扱った記録映像映画。特に注目すべきは、テロ実行犯の唯一の生き残りジャマール・アル・ガーシー本人が初めてインタビューに答えている。
 あのテロ事件とは、イスラエルに抵抗するパレスチナ人テロ集団「ブラック・セプテンバー」がドイツのミュンヘンで開催中のオリンピックの最中、1972年9月5日未明にイスラエル選手団11人を拉致、うち2名を射殺し宿舎に籠城。最終的に11名全員が死亡した事件である(黒い九月事件)。私はほとんど記憶に残っていないが、平和の祭典を利用した卑劣なテロ事件として、今日まで語り継がれている。

 本作は、当時のテレビ映像、生中継シーンをふんだんに取り入れ、関係者へのインタビューを交えた記録映画となっている。特徴的なのは、先にも挙げた主犯のインタビューのほか、テロリスト側の取材や映像も入っているほか、テロ事件発生に対してのドイツ政府の対応の遅れ、オリンピック委員会の不誠実さなど、当時の批判的姿勢をも取り入れたものとなっている点だ。衝撃的な映像が多いので、なかなか的確な判断がしずらいが、テロへの批判を込めながらも決して一方的にはなっていない点が良い。多くの民間人を殺害した卑劣なテロリストが、アラブ社会では歓迎されている姿。これも一つの価値観であり、社会の常軌なのだ。ジャマール・アル・ガーシーも一つも悪びれた風がない。

 事件発生までの経過、背景。発生後の犯人側の行動、人質の行動。さらに、ドイツ警察や外交筋の動き。これらが時系列に記録映像とともに描かれていく。そこには、ドイツ警察の不手際、人が殺されている側で平然と行われる競技など、今では信じられないような映像がニュースとして流れている。ドイツ警察はこの大失策を契機に、特殊部隊GSG9を創設した。また、オリンピック委員会に限らず危機管理という意識が高まった。そういう意味で、前近代的な部分から現代との大きな脱皮点となった事件だとも言えよう。テロリストにとっては、一つの重要な成功例ともなった。
 事件後捕まったテロ実行犯3名は、謎のルフトハンザ機ハイジャック事件で解放される。さらに、怒ったイスラエルは空爆やモサド機関等による暗殺で報復に出る。このブラック・セプテンバーは、未だ続く血なまぐさい抗争の歴史の通過点でしかない。殺された11名のユダヤ人スポーツ選手は何のために死んだのだろうか。

 ニュース映像は臨場感あふれ、生々しい映像が出てくる。記録映画なので、最後に救いがあるわけでもない。気の弱い人は視聴を避けた方がいいかもしれない。全て事実ということにショックを受けるかもしれない。ミリタリー、警察マニアにはなかなか興味深い出来になっている。非常時の対応のしかた、即応連絡体制の強化の必要性など、この事件から学んだものは多いように思える。そうした欠点や失敗もしっかりと検証されているのが良い。 
 ちなみに、2005年にスピルバーグが制作した「ミュンヘン」という映画は、事件後のイスラエル工作機関モサドを題材にした映画。


興奮度★★★
沈痛度★★★★★

爽快度★
感涙度★★

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(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)


なし

(2008/2/18)