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「共同警備区域JSA」 評価★★★ 戦争ヒューマンミステリー？
2000 韓国 監督：パク・チャヌク
出演：ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、イ・ヨンエ、キム・テウ、シン・ハギュン ほか
(2003/2/28地上波テレビで鑑賞）JSAとは「JOINT」「SECURITY」「AREA」の略で、共同警備区域の英語である。それまでタブーであった朝鮮半島の38度線をネタにした物 語。結論から言ってしまえば、ミステリー（サスペンス）もので謎解き映画である。
構成は３部作となっており、まず事件の発生（謎の提起）に始まる。北朝鮮側の監視小屋で北朝鮮の上尉と兵卒が殺害され、中士が怪我をする。銃撃者は韓国 側のスヒョク兵長一人とされるが、韓国側は拉致されての脱出によるもの、北朝鮮は韓国の襲撃によるものとし証言が対立する。中立国監督委員会のスイス軍ソ フィー少佐（韓国系スイス人の若い女性）が捜査の担当となり、謎解きを始める。
２部では事件から８ヶ月前の回想となる。演習中越境し地雷を踏んでしまったスヒョク兵長は北朝鮮の中士（いわゆる軍曹級）と兵卒の２名に助けられる。そ の後、兄弟のように意気投合していき、さらに韓国側の一等兵も加わる。４名は北朝鮮領内で飲食し話を弾ませる。しかし、事件の日、４人は北朝鮮の上尉に見 つかってしまう。
第３部ではソフィー少佐により謎が解き明かされていく。現場の銃弾と兵長の弾装に遺された数が合わないのである。明らかに１発は兵長以外のものが撃って いるのだ。ソフィーは韓国の一等兵が現場にいたものと推定する。その矢先、一等兵は自殺を図る。そして、謎解きは一気に進むが、ソフィー少佐の父がもとは 人民軍の捕虜だったことが判明し担当を外される。（以下、ネタバレのため略）
戦争映画というよりはミステリー映画で、時系列的な展開は思わず、「検証！下山事件」を思い浮かべてしまったほど。ソフィー少佐は美人だし、比較的テン ポよく切れもあるので分かり易い。ただし、謎解きにしては結構早めに真実が想像できてしまい、細かい点についての謎解きになっているのがいただけない。ま た、夜中に４人で大騒ぎしているシーンなど今一つ３８度線の緊迫感が伝わってこないのも妙。日本人には理解できない民族統一的ノスタルジーのようなものが 妙なもやをかけている気もする。とはいえ、普通のサスペンスと見れば面白いと言える。
蛇足だが、個人的には北朝鮮中士と韓国兵長の取調中に、北朝鮮中士が真実を語りそうになる韓国兵長を殴り飛ばした後、「金日成書記マンセー、朝鮮労働党 マンセー」と言って手を挙げたとたん、周囲の北朝鮮兵士が直立不動になるシーンが印象的であった。映画好きの金正日も見てみたいと言った映画だそうな。
(2003/03/03)興奮度★★★
沈痛度★★★★
爽快度★
感涙度★★★
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