戦争映画の一方的評論
 
U.S. ソルジャーズ  評価★☆ ネオナチに支配された陸軍学校  
THE SUBSTITUTE: FAILURE IS NOT AN OPTION
2000 アメリカ 監督:ロバート・ラドラー
出演:トリート・ウィリアムズ、サイモン・リーほか  
92分 カラー

 日本劇場未公開だけあって、ストーリー、アクションともに不十分な出来。ただ、陸軍学校に ネオナチが台頭してくるというレアな設定にのみ興味を抱かせる。当然の事ながら架空の出来事であり、そこに至る設定に入れ込むことができないうえ、「あり 得ない」設定も多く、終始ポカ ンとした視聴。個々のエピソードそのものは新鮮で面白いのだが。

 (以下ネタバレ注意)
  アルゼンチン、ボリビアの国境地帯、パナマで傭兵として戦う米軍軍人がいた。米陸軍カール・トマソン大尉だ。トマソン大尉はかつての上司で、現在は陸 軍士官学校理事長のティーグ将軍に招聘される。彼の士官学校内に「オオカミ団」と呼ばれるネオナチ組織があり、どうやら司令官ブラック大佐がその黒幕と なっているらしいのだ。ジョージア州では発電所や銀行などでテロ行為が多発しており、どうもオオカミ団が一枚噛んでいるらしい。しかも、ティーグ将軍の甥 のテッドがオオカミ団に所属しており、将軍はそれが心配なのだ。辞職した歴史教師としてトマソン大尉に潜入調査して欲しいという訳だ。ティーグ将軍によれ ばすでに数名が潜入しており、合い言葉があるのだ(というか、その場で誰って教えてやればいいのになあと 思った)
 赤いベレー帽をかぶったオオカミ団は白人至上主義の言動を繰り返し、特にバックナー候補生は反抗的だ。しかも、オオカミ団は専属の韓国人教官リム軍曹ら が付き、専用の訓練場すら持っている。着任早々、大尉は格闘訓練に出会う。そこにはかつての部下デブリン曹長がいた。彼もまた潜入調査員だった。二人はブ ラックらの悪事の証拠を探すがなかなか尻尾をつかむことができない。大尉のまわりには怪しげな黒人雑務員と美人軍医のチェンバレン中尉が近づいてくる。
 大尉とチェンバレン中尉は懇意になり、SEX直前にまで至る(なんでいきなりそうなるの?)が、 将軍から呼び出しを受けSEXはお預けとなる。しかし、呼び出しはオオカミ団の策略で、大尉は襲撃を受け、逆に襲撃者のヴァン候補生をブルドーザーで殺害 する(って生徒をぶっ殺しておいて問題にならないの?)。 さらに、大尉はオオカミ団の後を 付けていき、黒人資本の発電所襲撃爆破を目撃する。そこで、不慮の事故によりフライ候補生が死亡するが、まだ生きているフライを見殺しにした団の行為によ り、ようやく甥テッドは目が覚めつつあった。(この一部始終を目撃していた大尉は民間人が爆発に巻き込まれ るのも見捨てていたぞ。それでいいのか?また、オオカミ団にしてもフライの死体を現場に置き去りにしていたが、現場検証で見つかったら証拠になってしまう んじゃないの?)
 学校に戻った大尉はブラック大佐とハメているチェンバレン中尉を目撃(なんだそりゃあ)。 チェンバレンがブラック大佐とできていることを知る。そこに怪しげな行動をとっていた黒人雑務員がやってきて俺も仲間だとうち明ける(すごい唐突だ)。しかも、ブラック大佐の証拠をつかむのは困難だから、武力で立ち向かうしかないと言 う(すごいこじつけだ)
 そうこうしているうちに、リム軍曹によって理事長ティーグ将軍が殺される(なぜ、将軍を殺さねばならんの だー。理解に苦しむ)。将軍の首だけを料理カップに入れておくという残忍な手口だ。怒ったトマソン大尉とデブリン曹長はリムと対決し倒す。 そして、のこのことブラック大佐の部屋に行ったトマソン大尉はブラック大佐に銃を突きつけられる(すでに戦 闘モードに入っているのに不用意だなあ)。銃が発射される瞬間チェンバレン中尉が体を張って助け死亡する。「女の寂しさを紛らわすためには 仕方がなかったのよ」ということらしい。
 ブラック大佐とトマソン大尉はいよいよ対決だ。そこにテッドがやってくる。「大尉を捕らえろ」と命令する大佐。「伯父さんは大佐に殺されたんだぞ」と大 尉。テッドはブラック大佐に銃を向け、撃つ。他の候補生もやってきてブラック大佐を撃つ。

 (青字)は視聴中に感じた疑問と違和感です。これだけ、ストーリ−展開につながりがなくてハチャメチャだと逆に笑えますな。ドンパチもたいしたシーンで はなく、韓国人!リム軍曹のカンフーシーンも中途半端。チェンバレン中尉の豊満な裸だけが見所でしょうか。ただ、ブラック大佐がリム軍曹に「サケでも飲 め」と言って、リム軍曹が「それは日本の酒です。私は韓国人です」と言っている妙な律儀さは笑えました。なお、ブラック大佐の肩に米第82師団オールアメ リカンのパッチがついているのですが、あれってその所属のままで士官学校に配属って事なんでしょうか。ちょっと気になりました。

(2004/09/23)

興奮度★
沈痛度★★
爽快度★★
感涙度★

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