戦争映画の一方的評論
 
「9000マイルの約束 評価★★★★☆ あーひもじい 
AS FAR AS MY FEET WILL CARRY ME
2001 ドイツ 監督:ハーディ・マーティンス
出演:ベルンハルト・ベターマン、ミハエル・メンドルほか  
158分 カラー

 3時間に及ぶ長編物の映画で久しぶりに映画館で見ました。雰囲気的には「戦場のピアニスト」と似たイメージの映画で(内容は全く違います)、最近の映像 技術を駆使したスケール感の大きい映画です。
 ストーリーは戦犯としてシベリアに抑留されたドイツ軍中尉が、生きて愛する家族のもとに帰るため、収容所の脱走を企てます。しかし、極東の厳寒地ゆえ食 料も交通手段もない中、信じられないことに3年の歳月をかけ9000マイルを歩き続けて祖国に戻るというもの。途中にソ連軍将校の執拗な追跡劇が展開し、 息詰まる逃亡劇が楽しめる。そしてひもじさも(笑)。このひもじさは「戦場のピアニスト」にも通じるものがありましたね。
 これは史実に基づいたもので、実在の人物がいます。元となった小説は世界でベストセラーになっています。そういった意味でほんとうにしみじみと家族の愛 は強いものだと感心させられました。
 映像的にも雪原などの臨場感あふれる映像が印象的であり、主人公のやつれかたも十分に納得できるものでした。ただ、残念なのは、3時間もかけているのだ が、まだまだシベリア極東の逃亡シーンに極限感が足りなかったこと。もっと悲惨で絶望的だったろうと思うのですが、この辺は致し方なかったところでしょう か。
 最後に、やはり娘さんのかわいらしい顔が出てくるところ、そして最後に家族のもとに戻ったシーンは涙なくして見られませんでした。
(2004/03/23)

興奮度★★★★
沈痛度★★★★★
爽快度★★
感涙度★★★★

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